プロの課題設定力

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  • 東洋経済新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492556528

感想・レビュー・書評

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  • 課題設定力に焦点を当てているが、よくある課題解決系のものと特に差異は感じられなかった。

    ・なぜ今、課題設定力が求められるのか?
    ・課題設定の精度を上げる3つの「視方」
    ・インプット─情報収集と現状分析
    ・プロセス─課題の組み立て
    ・アウトプット─課題として出力する

    期待通りでは5段階評価の3、2つ上の視座から課題設定、ロジカルだけでなくラジカルも、6つのハット、ぶつける

  • コンサルティング会社に入社して3年目です。
    自分の抱える業務・課題感にバッチリくる内容でした。

    難しいなと感じる課題設定について、「そもそも課題とは?」から立ち返って考えられるため、迷った時に読み返したい本です。

    個人的には、最後の章で「アウトプット」まで書かれているのがありがたいです。考えたことを、相手(上司・クライアント)に伝えるところでつまずくケースも多いと思うので、参考にしたいと思います。

  • 上司に勧められて。

    【ザッと内容】
    ビジネスにおいて課題設定力を高める重要性と課題設定力を高めるための考え方やフレームワークを1000人にコンサルタントの指導経験があるプロが解説した一冊。

    【こんな人にオススメ】
    ・大小関わらずプロジェクトリーダー
    ・問題と課題の違いが即答できない人

    【感想】
    衝撃だったのが最終ページ。なんと本著が書かれたのが2009年7月であるということ。今から11年も前である。
    今でも十二分に通じる、ビジネスマンとして知っておくべき課題設定の基礎が描かれている一冊だった。世間では「問題解決」や「ロジカルシンキング」という言葉が強い市民権を得ているように感じるが、その本質を理解してる人は少ないように感じるし、そもそもそれって問題?現状?課題?という問いに答えられる人はごくわずかなように思う。
    是非本著で基礎を学び、会議で「それって問題ではないですよね?」と発言して欲しい。めちゃくちゃ有能に見えるはず笑

  • 課題設定に着目した本。課題設定力は問題解決力の上流家庭にあたる能力で、イメージ的には課題設定力×問題解決力=成果と理解した。いかに良い課題・本質的な課題をアクションにつながる形で設定できるかが成果に大きく影響する。
    よい課題を理解するポイントとしては、視野・視座・視点の3つかがあげられる。視野は空間や時間の広がりのことでどれだけ広い範囲を含められるかということ。仕事でいえば、後工程への影響を考慮しているかや目の前の事態を収拾するだけでなく将来のリスク低減も検討しているかということ。状況に合わせた範囲で考えることが重要。視座は誰の立場に立って考えるかということ。期待を超える成果につなげるためには2つ上の視点に立つことが求められる。視点はどこに着眼して課題を整理するかということ。
    課題設定のやり方はインプット→プロセス→アウトプットの3ステップでポイントがある。インプットでは、聞く・ぶつける・はかるということをやる必要がある。
    プロセスではロジカルシンキングとラテラルシンキングの組み合わせで対応する。
    アウトプットとは、最終的にどのように課題を定義するかや伝えるかのことでここまでやってこそ完璧な課題設定になる。端的にいうと誰が何をどのようにやるのかを明らかにすること。
    まとめてみると至極当たり前な気もするがすべてをきちんとやることは非常に難しいと実感する。
    日々の業務にまい進しているとついつい視座が低くなったり視野が狭くなってしがちである。広い視野・高い視座を保ち続けるためにはモチベーションの維持が重要ではないかと考える。常にレベル高い考え方に触れておく、何かに打ち込むなど日ごろから自分を研鑽し充実しておくことがこのあたりの向上につながっていくのではないか…。
    日ごろの自分に引き付けて考えると、課題設定のステップの中ではプロセスの特にロジカルシンキングに傾倒しすぎていると感じた。全体としてとらえなおしてみるとこの部分だけを強化してもごく当たり前の課題設定しかできないことに気付いた。たぶん今のままの成長方向だとごく当たり前のことを速く・わかりやすく整理することはできてもそれ以上にはならない気がする。このへんはひごろ仕事をしながら薄々思っていてどうしていいかわからなかった部分なのでとても勉強になった。
    今後はこの3つのステップとそれぞれのポイントを意識して全体として課題設定力を強化して期待を超える成果を出せる人材になりたい。

  • ある問題をどう解決するかの「アプローチ方法」も当然重要だが、そもそもの「問題設定の仕方」が正しくないと、仕事の質はあがらない。様々な問題の中で「あるべき姿と現状とのギャップを埋めるモノ」こそが『真の問題=課題』である。この正しい課題設定の一連の流れが、非常にわかりやすく整理された本。

    以下、参考になった点、引用、自己解釈含む

    ・相手の期待を超えて初めて評価される。

    ・課題設定から実行に移すまでには「①発注人の理解」「②良質なインプット」「③インプット情報の組み立て(プロセス)」「④アウトプット」の流れ。

    ・その課題は誰にとっての課題なのか。同じ問題でも、見る立場によって問題の捉え方が変わってくる。その仕事の「真の発注人」を想像し、言われた課題の「視座」を上げて捉えることが大事。その為にも、発注人のバックグランドを正しく把握することが必要。バックグランドを把握する為の切り口として「ニューロロジカルレベル(NLP)」と、「ベルビンロール(BR)」という考え方で整理するのがおすすめ。

    ・NLP
    「①環境:その人がおかれている立場」
    「②行動:その人が好む行動特性」
    「③能力:その人がもっている知識や理解力、実行力」
    「④信念:その人がもつ考え方の中心(売上>利益主義とか)」
    「⑤:自己認識:その人が自分自身をどう捉えているか。覚悟、意識の持ち方とか」

    ・BR
    「①調整者:全体をコーディネートするのが得意。細かいことは自分で見ないため、細かな作業だけではあまり評価してくれない」
    「②意思形成者:タスクを早く完結することを喜びとする、自信があって結果重視。新たな挑戦などを好む。指示を出すことが多く、人の意見を取り入れる余地が少ない。」
    「③創造者:アイディアが豊富。内気な傾向もありアイディアを批判されると内に閉じこもってしまう。アイディアを否定せずに膨らませる形で意見をすると良い」
    「④監査役:数字に強く、分析が好きな批評家タイプ。アウトプットを細かく見てあらさがしをしてしまう為、現場のモチベーションを下げてしまう傾向。最初からその傾向に注意し、リスクを予め回避できるよう早めに接する」
    「⑤実行者:着実に実行するのが得意で理論的にアプローチを好む。確実に実行したいため、物事を局所的に捉えてしまい、大局的な話をすると理解が出来ず不安になる」
    「⑥調達者:フランクなタイプ。すべて自分で解決するよりも、色々な選択肢を集めて広げていくタイプ。社交的で色々な人に話が通じやすい。物事が拡散しがちで、周囲が振り回される欠点も。その人の人脈を活用すると喜ぶ傾向」
    「⑦協調者:他人の感情を読むことに長け、協調性を重視して物事を進める。とにかく物事を荒立てたがらず、人間関係を重視するため、ドラスティックな行動を好まない」
    「⑧完璧主義者:完璧にしないと気が済まないタイプ。できないということを非常に嫌がる。プロセスやアウトプットも細かく要求。人に任せられない。最初の課題設定の段階で詳細なディスカッションをしておく。信頼を得られた後は、任せてくれることも多い」

    ・課題を「空間軸(業務の範囲を広げてみる))」「時間軸(いつの時点でのあるべき姿なのか)」を加えて捉えられる『視野の広さ』が重要。

    ・課題設定の際には「①自己防衛(自分が出来ないことを避ける)」「②先入観(本質的な問題に目を向けない)」「③落としどころを決めてかかる」の3つの壁があることを意識する。

    ・聞く際には「①対象(現状、あるべき姿、問題点)」「②内容(感情、思考、事実)」「③明確にするポイント(省略化、一般化、歪曲化)」の『3×3マトリクス』で考える。

    ・思考の組み立てとして、ロジカルシンキングに、ラテラルシンキングを組み合わせる。ラテラルが入らないと、思考のジャンプが出来ず、限られた範囲内での課題解決しかできない。(オズボーン、6ハット、4Cなど)

    ・アウトプットの流れとして「①現状とあるべき姿」「②目的とゴール」「③アプローチ手順」「④スケジュール」「⑤体制役割」「⑥想定リスク」の流れで作るとわかりやすい。

  • 問題と課題の違いを定義し、課題解決力の大切さを腹落ちさせる。

    与えられた課題を解決するだけでは期待値は超えられない。
    どんなに頑張っても評価は3+から4に上がることはない。課題設定が悪ければ疲弊していくだけ。

    課題設定に

  • 【メモ】
    ・課題設定=「現状」と「あるべき姿」を把握し、「あるべき姿」になることを阻害している「問題」を見極め、それを解決する手だてを設定すること

    ・課題設定の3つの視方
    ①視座:誰がどんな目的を達成するための課題なのか
    ②視野:どのような広がり(空間軸)と長さ(時間軸)で課題を捉えるのか
    ③視点:どのように課題を切り出すのか
    ★視座を高め、視野を広げ、視点の鋭さを磨くことが課題設定力を伸ばす

    ・課題設定の3段階
    ①インプット:聞く、ぶつける、計る
    ②プロセス:論理構造化、発想転換
    ③アウトプット:何を、誰が、どうやって

    ・ラテラルシンキング=成熟飽和した市場環境や手詰まり感のある職場環境において革新的な発想を生み出すための思考法→イノベーションに向いている

    ・ラテラルシンキングの基礎
    ①前提を疑う
    ②見方を変える
    ③組み合わせる

    ロジカルシンキングの基礎
    ①見方:全体を構造化して論点を分解する。論点をイシューツリーやピラミッドの軸として適用する。
    ②考え方:原因と結果は樹形図状に展開できるという前提に基づき、問題を階層化し、課題を見出す。

    ・MECEを作る基本の4分類
    ①対立概念分類
    ②数値分類
    ③時系列分類
    ④要素分類

  • <本のタイトル>
    プロの課題設定力

    <本の紹介>
    本書の構成
    第1章では、「課題とは?」「課題設定力とは?」をご説明します。
    何のために必要なのかが、ここで腑に落ちているか否かで、第2章以降の理解度が違ってきます。
    第2章では、課題設定における「視座」「視野」「視点」という「3つの視方」についてご紹介します。
    これらを鍛えることで課題設定の精度を向上させることができます。
    第3章から第5章では、実際に課題を設定するアプローチをご紹介します。

    <何が書いてあったか(誰でも書ける)>
    ・課題設定とは
     一言で言うと「今、何をやるべきかを見極める」こと
     もう少し細かく言うと「【現状」と【あるべき姿】を把握し、【あるべき姿】になることを
     阻害している【問題】を見極め、【現状】を【あるべき姿】に近づける方法を考える」こと

     そもそもなぜこれをやるのか?どうあるべきなのか?
     本質的な問題はどこにあるのか?もっとよいやり方は無いのか?
     を自分の頭で考え、何をやるべきかが求められている

    ・課題と問題を混同しない
     「課題の達成のために解決すべき問題」と、「課題の達成にあまり関係のない問題」とを混同しない。

    ・課題設定の3つの視方
     視座:誰がどんな目的を達成するための課題なのか
     視野:どのような広がり(空間軸)と長さ(時間軸)で課題をとらえるのか
     視点:どのように課題を切り出すのか

    <そこから何を学んだか(自分自身のオリジナルの意見)>
    ・課題と問題を混同しない
     「課題の達成のために解決すべき問題」と、「課題の達成にあまり関係のない問題」とを混同しない。

    ・課題設定の3つの視方
     視座:誰がどんな目的を達成するための課題なのか
     視野:どのような広がり(空間軸)と長さ(時間軸)で課題をとらえるのか
     視点:どのように課題を切り出すのか

    <それをどう活かすか(アウトプットによる実践経験の蓄積)>
    優先順位を見極めて課題設定をして問題解決を行う
    空間軸と時間軸で視野を広げて日々の業務で意思決定をしていく

  • 役職の変化に伴って、仕事の内容も課題をクリアする実務的立場から、課題を設定して組織を使って達成していく立場となりました。そこで、改めて有効な課題設定の仕方を学びたいと思い、タイトルに惹かれて本書を購入しました。
    とても学びがあったのは、第1章と2章です。課題を設定するという行為のポイントが押さえられており、身の回りの出来事をどのように捉えて、咀嚼するか、行動に移せるレベルでの説明がありました。
    曖昧、包括的、不確かな情報や事実を組み合わせて、取り組むべき課題を創出するのに役立つ知識だと思います。
    第3章以降は一般的なフレームワークの紹介がメインであり、復習にはなりますが新たな学びには乏しかったのが残念です。
    ただ、課題解決ではなく課題設定に明確にフォーカスを当てた本は少ないので、貴重な書籍であることは間違いありません。

  • 問題解決における課題設定のノウハウを学びたい人におすすめ。

    【概要】
    ●第1章 「課題とは?」「課題設定とは?」
     第2章 課題設定における「3つの視方」
     第3~第5章 実際に課題を設定するアプローチ

    【感想】
    ●課題設定の重要さがよく理解できる。「現状」と「あるべき姿」を把握した上で問題を見極め、あるべき姿に近づかなければならない。
    ●第1章で紹介されているストーリーに目標達成のことが書かれているが、自分の職場では目的から外れた業務への取り組みをよく見かける。何のためにこの業務を実施しているのか、「やることに意義がある」や「アピールのため」といった本末転倒の業務処理にならないためにも、課題設定力を養うことは必要であると思った。

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著者プロフィール

清水久三子(しみず・くみこ)
お茶の水女子大学卒業。大手アパレル企業を経て1998年、プライスウォーターハウスコンサルタント(現IBM)入社。新規事業戦略立案、人材開発戦略・実行支援などのプロジェクトをリードし、企業変革戦略コンサルティングチームのリーダー、IBM研修部門リーダーなどを経て2013年独立。現在は株式会社アンドクリエイト代表取締役社長として企業研修や経営・人材育成コンサルティング事業に携わる。著書に『外資系トップコンサルの「聞く」技術』(三笠書房《知的生きかた文庫》)、『プロの資料作成力』『プロの課題設定力』(ともに東洋経済新報社)、『1時間の仕事を15分で終わらせる』(かんき出版)など多数がある。

「2023年 『知識とスキルを最速で稼ぎにつなげる 大人の学び直し』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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