論点思考

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  • 東洋経済新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492556559

作品紹介・あらすじ

最も重大な過ちは間違った問い、不要な問いに答えること。成果を出すには、「正しい答え」ではなく、「正しい問い」が重要だ。正しい論点で問題解決力が劇的に向上する。

感想・レビュー・書評

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  • 「論点思考」内田 和成 著

    書籍では事象と問題は違うと明言する。
    事象を引き起こす原因、それが問題であると。
    1.論点=正しい問題
    2.論点=解ける かつ、実行易 かつ利益直結
    3.知識↑→勘所がわかる。


  • 問題解決の前に問題設定が大事。
    言われてみれば当たり前だが、じっくりと考えたことがなかった。
    けどこれめちゃくちゃ重要な視点だよなぁ。

    受験直前期によくある「得意科目だからこれはもうやらない!」or「逆に苦手科目はもう捨てる」みたい判断は、合格するという論点に基づく意思決定だよね。振り返ってみると、受験勉強を通じて得たものは知識以外にも結構あるもんですな。

    方法論としてすごくロジカルにまとまっているから、忘れた頃に読み返したい。
    合わせて仮説思考もチェックする。

  • ・問題解決力が高い = 論点設定が上手い
    ビジネスにおいて大切なのは、やらないことを決めること

    ・論点設定は、問題解決の最上流工程

    ・仮説思考:問題解決に力点を置く
    論点思考:問題設定に力点を置く

    ・論点思考の4ステップ
    ①論点候補を拾い出す
    ②論点を絞り込む
    ③論点を確定する
    ④全体像で確認する
    ※この4つは、必ず全て行うわけではなく、順番も固定されているわけではない。


    ■①論点候補を拾い出す
    ・絶対に必要なステップ

    ・問題点と呼ばれるものの多くは、現象や観察事実であって、論点ではない
    例)企業に泥棒が入った。
    これは、事実であってこれをそのまま論点としてはいけない。
    この事象による論点は何かを洗い出す
    - 防犯体制の不備
    - 会社のイメージダウン
    - 報告体制の不備
    - 損害をうけたこと
    この4つの内、何を論点にするかで打ち手も全く変わってくる。また、この全てを論点とすると本業が疎かになるためダメ。

    ・論点は進化する
    - 論点は人によって異なる
    - 環境と共に変化する
    - 論点は進化する
    ->どの立場に立って論点を解くかによってアプローチも違えば答えも違ってくる


    ■②論点を絞り込む
    1.当たりをつける
    ・当たりをつけるには、白黒つけられるところからアプローチする。
    例)売り上げ低下->一時的なものか?とか同業種の他企業は?とか

    ・依頼者の関心が低い箇所を見る
    例)営業に問題があると経営者が言うが、商品開発に目を向ける
    ->経営者が関心を持っている分野は、比較的しっかりマネジメントされているから。

    2.筋の善し悪しを見極める
    ・解決できるか?にこだわる。
    解けない論点に着手して、道半ばで挫折することは非常に多い。

    ・実行すれば成果が上がるのは筋の良い論点

    ・筋が良い:解決が簡単、実行が容易、効果が高い、短時間で得られる

    ■③論点を確定する
    ・論点の仮説を立てる3つのアプローチ
    - 質問して相手の話を聞く
    ○ 質問して聞き出す
    ○ 自分の仮説をぶつけて反応を見る
    - 仮説をぶつけて反応を見る
    - 現場を見る

    ・論点とは、相手の論点であって自分の論点ではない。どうしたら、相手が納得してくれるかが重要
    ->そのためには、自分目線でも第三者の目線でもなく、相手(経営者)の目線に立って考える

    ・相手がわくわくドキドキする提案を心がける。実行するのは機械じゃなくて人間。相手がやってみたい施策でなければ。


    ■④全体像で確認する

    ■論点思考力を高めるために
    ・論点思考には、「与えられた課題に疑問を持つ」ことが大切。そのためには、視野、視座、視点の三要素で見る
    ・視野:普段みていない方向に目を向ける
    ・視座:二つ上以上のポジションに就いているつもりで
    ・視点:切り口を変えてみる
    - 逆から考える
    川上から->川下から、逆張りで。
    - 業界最下位ならどうするかを考える
    - 現場目線で考える
    - 両極端に振って考える

    ・メンバーの力量に応じて、論点のレベルを使い分ける
    - 大論点を示して、これについて考えようって言っても、部下は何をしていいかわからず動けない
    ○ そこで、中論点と小論点に分解する
    ○ 優秀なコンサルタントは、中論点を与えられて、小論点に分解する能力がある人
    ○ ジュニアコンサルタントは、小論点まで与えてあげないとダメな人。

  • 20200125
    BCG内田氏の仮説思考に続く、論点発見方法論の著作。マッキンゼーの斎藤氏も同意見であるが、仮説を立てる方法と問題を立てる方法は密接不可分の両輪である。
    内田氏のより面白い考え方は非常に現実に根差して方法論を説いていることである。例えば、斎藤氏は問題発見方法として、4P(Purpose,Position,Period,Perspective)といったフレームワーク、仮説思考法として、①MECE、②ロジックツリー、③仮説思考、④ゼロベース思考を説いている。一方で内田氏が強く主張する点はあくまでも上記を使いつつ、累積経験による論点仮説が重要だと言う。フレームワークに縛られすぎず、仮説・論点を立てる実践を先ずはしてみることと説いている。
    実際に全てのロジックツリーが埋まる現実はないために、仮説であるが虫食いのまま進めてみる方法は実践できそうである。点から面、深さを出せるように日々考えるように生きる。

    //MEMO//
    課題解決の思考法である『仮説思考』に引き続き、問題発見能力を説く第二弾。
    内田氏の書き振りはどんな人が読んでも読みやすく、多数の事例が記載されていて読みやすい。
    問題発見として、斎藤氏の4Pで考える癖を学んだが、それを敷衍させるものか?または別の概念になるのか?いずれにせよ自分の血肉および習慣にしなくてはいけない。

    回答の筋の良し悪し
    ①解決できる問題かどうか
    ②実行可能性は高いか
    ③効果はどれくらいか

    論点の検証方法
    ①プロービング=探針
    仮説を持って質問を投げかける
    ②相手の真意を探る
    ③引き出しを参照する

    論点ありきで構造を立てる。より現実的

    視点・視野・視座

  • 『仮説思考』は自分はハマらなかったが、こちらは良書だと思った。

    企業等の組織での仕事では、情報も関係者も増えがちで、何をどう切り取って理解すれば良いか迷いやすくなる。また、情報を処理する時間も減少傾向にあって焦りやすくなる。
    それにあたって、どういう単位や流れで思考を進めて整理すると良いか、アドバイスが的確に言語化されているのがこの本。基礎的な内容ではあるがリアリティもある。具体例も多くて頭を働かせるきっかけにも使える。

    以前よりも迷うことが多くなったと思う人におすすめ。思考のコントロールを取り戻せる。

    pp.222–224
    メンバーの力量に応じて、論点のレベルを使い分ける
    人材育成のためには仮説より論点を与える

  • 仮説思考に続く内田さんのコンサル本。自分は本書にも登場する問いが立てられない人の典型で、どちらかというとオーダーを着実に実行するタイプで実行力はあるが、変革が起こせないタイプ。ゆえに問いの立て方を勉強したくて読んだ。
    すっと読んでしまうと、書かれていることはまさにその通りなのだが、ところどころにTips的なものはあると思う。
    例えば、クライアントの言っていることはまず疑ってみる。営業力が弱くて売れないと言っているが本当かとか、業界・市場全体が沈んでいるので売れないとか。それでもその市場で売上を伸ばしている企業はあったりする訳でではその企業との違いは何かとかを深ぼっていく。
    また、ロジックツリーの使い方も極めて実践的で、教科書的には縦横完璧にツリーを作りたくなるのだけれど、内田さんはロジックツリーを作ることの意義をそこに見ていなくて、ロジカルに整理することで、気づきを得ることを重視している。だから虫食いでもいいと言っているわけだ。
    他にも、2つ上のレイヤーの視座から物事を考える、アナロジーで考える、鳥の目・虫の目で考えるなど数々の気づきを得ることができる。
    実践に向けては日々それは本当に問うべきことなのか、本当の問題は何かという視線を持ち続けることが必要で、それを通じて鍛えていくしかないのだろう。
    時間を置いてまた読みたい。

  • 45 依頼主の高次の課題を自分の任務の目的として翻訳したものが大論点
    101 実際に解いてみたら答えがなかったという場合は、どこでそれにつまずいたかを覚えておく。次の似たようなケースの時に気づける。
    129論点とアプローチのワクワク感。これで相手がやる気になってくれるか、実行されやすいか、成功しやすいかかわる。
    144 上位概念を考える。そうすることで言われた方法よりも有効な他の解決策を見つけることがある。
    214 マインド 情報を集めることに無理しない

  • 解ける問題に取り組む、ここがとても重要と感じた。ともすると会社では網羅的に問題に取り組み、すぐに解けない問題、今のリソースでは解けない問題に直面する。結局解けないものに時間をかけても無駄なので、論点を明確にして見極めたいと思う。

  • 途中でやめた。
    あまり求めてた内容と違った。
    ごく当たり前の思考が書いてある。

  • とても読みやすく、するする読めた。
    それは恐らく、自分がここ3〜4年で試行錯誤しながら体得したことの復習にあたるものだったからだと思う。

    東大新卒でコンサル会社に就職するような、スマートにキャリアを積んでいきたいと思う子が読みたがりそうな本だな、という印象。

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著者プロフィール

早稲田大学名誉教授。東京大学工学部卒業後、日本航空入社。在職中に慶應義塾大学大学院経営管理研究科修了(MBA)。その後、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)入社。同社のパートナー、シニア・ヴァイス・プレジデントを経て、2000 年から2004年までBCG日本代表を務める。
この間ハイテク、情報通信サービス、自動車業界を中心にマーケティング戦略、新規事業戦略、グローバル戦略の策定、実行支援を数多く経験。2006年度には「世界の有力コンサルタント、トップ25人」に選出。
2006年、早稲田大学教授に就任。早稲田大学ビジネススクールでは競争戦略やリーダーシップを教えるかたわら、エグゼクティブプログラムに力を入れる。早稲田会議創設。早稲田大学ビジネススクールと日本経済新聞のコラボレーション企画『MBAエッセンシャルズ』創設。
著書に『仮説思考』『論点思考』『右脳思考』『イノベーションの競争戦略』(以上、東洋経済新報社)、『異業種競争戦略』『ゲームチェンジャーの競争戦略』『リーダーの戦い方』(日本経済新聞出版)、『意思決定入門』(日経BP)など多数。

「2023年 『アウトプット思考』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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