サム・ピッグおおそうどう (チムとサムの本)

  • 童心社
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  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784494011070

感想・レビュー・書評

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  • 創作物語。短編集。
    アナグマさんと一緒に4匹の子豚が住んでいます。末っ子のサムの冒険物語。
    サムのちょっと思いつかないような冒険集。
    「サムピッグのきゃんぷ」
    アナグマさんが4匹にテントをくれました。夜になると色々などうぶつがテントをみつけ‥
    「サムピッグのたまご」
    サムは教会できれいなたまごをみつけます。そのたまごからうまれたものは
    「サムピッグとこびと」
    おおきな家にいったサムはこびとをつかまえ家までつれてきます。
    「たからもの」
    にんげんが木のうろに何かを落としていきました。サムはその木にのぼってうろの中に落ちてしまいます。
    「サムピッグのべっど」
    サムがべっどをきれいにととのえています。アンがそのべっどにこしかけるとひめいがきこえて。
    「サムピッグとこだま」
    寒は農場の塀でこだまに会い、家に招待します。

  • チム・ラビットよりちょっと怠け者で、意志が強くて、トラブルメイカーだけどその素直な子供らしさが好きにならずにはいられないサム・ピッグ。そんなサムのお話が6つ入っています。新宮さんの訳は優しくてユーモアがあってやっぱり好き。「ゆうきが、からだじゅうにしみわたって」とか「よいぶたが見るようなゆめ」とか。
    ・サムピッグのキャンプ
    あなぐまのブロックさんがイラクサのテントを作ってくれました。4匹のこぶたは喜んでキャンプを始めますが、フクロウの鳴き声やキツネの息(3匹のこぶたみたい)などに驚いては何度も帰ってきてしまいます。4度目に来たのはなんと泥棒でした…繰り返しが楽しいお話。「どんなことにもせなかを見せないで、しょうめんからむかっていくこと。」ときっぱり言えるようになるこぶたたちに拍手。
    ・サム・ピッグのたまご
    春の日にサムが見つけた不思議なたまご。色々な鳥に頼んで温めてもらいますが、なかなかたまごはかえりません。そこでサムが世話をすると、生まれてきたのはなんと風見鶏でした…アトリーらしい不思議な物語。たまごって人を(ぶたも)ひきつける不思議な魅力があります。終わり方が切なくて意外に思いました。
    ・サム・ピッグとこびと
    スコットランド人が大昔想像した家につくこびと「ブラウニー」をサムが捕まえてきてしまうお話。勝ち気でいたずらっ子なサムの一面がよく表れています。戦いの最中、アナグマさんが何度も棍棒でぶたれ血を流す描写はちょっとびっくり。でも最後のセリフへの伏線になっているのかな?
    ・たからもの
    大きなうろのあるかしの木に登ってみたいサム。兄弟が目を離したすきにうろに落ちてしまします。しかもそのうろには泥棒が隠した宝物が隠してあり、今その泥棒が取りに戻ってきてしまったのです…サムの活躍に子どもたちは喜ぶことでしょう。終わり方が少しあっさり。
    ・サム・ピッグのベッド
    サムのベットがなんだかおかしい。兄弟たちが覗いてみるとそこには怪我をした小動物たちが。サムは優しく看病してあげていたのです。サムの優しく動物たちに好かれる一面がみられるお話。最後は大人のユーモア。
    ・サム・ピッグとこだま
    冒頭シーン「ぼくをすきになってくれる人なんか、ひとりもいないんだ」とブツブツいいながら散歩をするサムが可愛らしい。こんな調子でぶつぶつと高い塀に向かって独り言をいうサム。すると同じ言葉が返ってきます。この「こだま」とのやりとりが本当に面白い。子どもたちが喜びそう。そこから不思議なことに本当に「こだま」さんが表れ、サムはお家にご招待。ちょっとしたファンタジー要素がアトリーらしくて読んでいて違和感なく気持ちがいいです。語ってみたいお話。

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著者プロフィール

アリソン・アトリー 1884年、イギリスのダービシャー州の古い農場に生まれる。広い野原や森で小動物とともにすごした少女時代の体験をもとに、多くの物語やエッセーを書いた。日本語に翻訳された作品に『グレイ・ラビットのおはなし』『時の旅人』(以上岩波書店)、『チム・ラビットのおはなし』(童心社)、「おめでたこぶた」シリーズ、『むぎばたけ』『クリスマスのちいさなおくりもの』『ちゃいろいつつみがみのはなし』(以上福音館書店)など多数。1976年没。

「2020年 『はりねずみともぐらのふうせんりょこう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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