はしれ ディーゼルきかんしゃデーデ (絵本・こどものひろば)

  • 童心社
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本棚登録 : 304
感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・本 (40ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784494025619

作品紹介・あらすじ

3.11の直後、東北に石油や灯油を届けるために、ディーゼル機関車が活躍したのをご存知ですか? 全国から集められたディーゼル機関車たちが、新潟から福島の郡山へと走ったのです。最初に出発したのが、デーデです。途中、雪でスリップし、立ち往生してしまいます。なんとか郡山に着いたときには、予定の時刻を、3時間過ぎていました。それでも、みんな待っていてくれ、とても喜んでくれました。
実話が元になった絵本です

感想・レビュー・書評

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  • 2011年の東日本大震災の時に活躍したディーゼル機関車の話。線路が無事でも電気がないと電車って動かないんだ、という当然のことに改めて気付かされた。
    あの大震災を知らない我が家の子供達(7歳、3歳)にとっては物珍しいお話に映ったみたいで、ちょうど1/17に近い日程で図書館から借りて読んでいたために阪神大震災の話にも飛び火し、親子で地震の備えについて話す良いきっかけとなった絵本です。

  • はしれディーゼルきかんしゃデーデ
    2歳11か月
    子どもがどこに魅力を感じたのか、この長い文章をどこまで読み取ることができているのかわかりませんがお気に入りに。
    大人が読んでも、そんなことがあったんだと考えさせられる絵本。

  • あの日、私は職場のテレビで、真っ黒な水が燃えながら草原に広がってゆくのを見た。
    帰宅すると、大きなタンカーがゆらゆら揺れて、その下から何度も黒い水があふれ出ている映像を見た。まるで浴槽からお湯があふれ出て、そのフチで玩具の船がざぶんざぶん揺られているようだった。
    そうこうしているうちに、映像には雪が映り始めた。
    津波から逃れても、避難所は寒い。電気もない。燃料だってない。余震に怯えながら、たくさんの人々が不安な夜を過ごした。

    私は西日本に住んでいて、遠くの空を思って心が苦しかった。あの時の思いが、この本を読んでよみがえった。
    最後の「てをあわせているひともいます」の一文で、毎回胸が熱くなる。当時の被災地にとって、どれだけ待ち焦がれた燃料だろう。


    電車好きの3歳児が、保育園でたまたま借りてきた絵本で、こんなに心揺さぶられるとは。
    この絵本を通して、震災や津波の話をしてみた。まだ難しくて分からないだろう。今はそれでいい。もう少し大きくなって、理解できるようになった頃、デーデを通して興味を持ってくれたらそれでいい。
    君たちはあの震災を知らない。私たちも戦争を知らない。
    けれど、「それを知るきっかけ」があるとないとでは大きく違う、ということは年を重ねて知った。君たちの「きっかけ」になればいい。



    絵本にリアリティを求めるのはナンセンス⁽⁽◝( ˙ ꒳ ˙ )◜⁾⁾
    オバケが天ぷらになったり、虹色の魚が泳いでたり、ネズミがカステラ焼いたり、青虫がごちそう食べて腹痛起こしたりなんてリアルにないからね。

  • まあ、鉄道好きの方からするといろいろと
    言いたいことがあるのでしょうが
    鉄道素人の私としては中途半端ではなく
    中庸を得ていると言いたいです。

    様々な読み方もあってしかるべきですが
    鉄道の知識を手に入れる科学絵本というよりも
    情緒的な訴求力を持った絵本という向きが
    あるのではないでしょうか。
    震災や復興支援など、こんな出来事があったんだ
    子どもがそれを認識して
    何かを感じることがあればうれしいです。
    詳細な具体的な事実が
    描かれていなかったとしても
    事実らしきものがいくらか取り上げてあれば
    説得力のある話だ、効果的な工夫だ
    そのように感じます。

    大人ではなく幼児から薦められた絵本です。

  • こういうことがあったと知らしめるには有難い本。

    ではあるが、
    中途半端に機関車を擬人化したり、浅い知識で書かれていて、どこに力点があるのか分からない。ものすごく物足りない。
    プラレールで遊ぶような男の子であれば小学校低学年でももっと車輌に関する情報が欲しいと思うだろうし、反対に列車に興味の無い子には感動物語としても消化不良であろう。
    「(二)重連で牽引」したとかそれでもダメだったから「プッシュプル」したとか、「燃料〇〇リットル(実際の数字)」運んだ、各地から集められた機関車の型式も巻末の地図に書き込むなど、もっと現実にあった話であることが分かる表現がされていれば、より現実味を感じられる迫力のある物語になったのに...と、もったいない気がする。
    鉄道写真家の協力を仰ぐことなどは考えなかったのだろうか。
    期待して読んだのでとても残念。

  • 数年住んでいた田舎の地でも、このディーゼル車が走っていたので、懐かしく手に取りましたが、思いがけず震災関連の絵本でした。
    いつまでも胸に感動が残ります。
    被災地の方々に改めて思いを馳せました。
    原発はいらない。強く思います。
    都会の便利さが、地方の苦しみの上に成り立っていいはずがない。その狡さは、いつか必ず大きなしっぺ返しとなります。
    ディーゼル車を生き生きと描写する横長サイズの絵本で、臨場感もありました。

  • 次世代へ過去に起こった出来事を伝えるための絵本。その他にも危機管理ってなんだろう、どういうことなのだろうということをな気づいたり、考えたりすることにもなる作品。
    そして、徐々に姿を消しているディーゼル機関車とそれをささえる人々の存在にも思いを馳せる本。
    絵本だけれど、ちょっと前まで子どもだった人、随分前にに子どもだった人にもおすすめ。
    機関車の絵と風景画が温かく、現実味もあって借りて読むのではなく、買い求めて保存すべし…な絵本だな、と購入しました。
    未来の大人への贈り物にもできるかな。

  • Youtubeで言及されていた絵本。東日本大地震時にJR貨物が困難をものともせずに輸送機関としての使命を果たす努力をしたことは認識していたが、石油輸送でこんなに厳しい状況を乗り越えたとは知らなかった。ただし、Youtubeの方がもっと詳しく説明されていた。

  • あとがきまで是非読んでほしい一冊◎

  • 震災のときに活躍したディーゼル車の話。それ自体も「よく思いついて実行したな!」とすごい話ですが冒頭で、このディーゼル車が当時もうとても古いものだったと知って、そこで涙した。

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著者プロフィール

東京都生まれ。お茶の水女子大学卒業。幼児教育のテレビ番組の制作を経て、絵本の創作をはじめる。『子どもと楽しむ行事とあそびのえほん』(のら書店)で産経児童出版文化賞受賞。作品に『ざぼんじいさんのかきのき』(岩崎書店)、『はしれ ディーゼルきかんしゃデーデ』(童心社)など多数ある。

「2023年 『ぶるぶる ぞくぞく でも おもしろい! こわ~い昔話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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