鬼のつば: 今昔物語より (童心社紙芝居傑作選)

著者 :
  • 童心社
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  • Amazon.co.jp ・本 (28ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784494072644

感想・レビュー・書評

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  • 昨日中学生向けに演じた紙芝居。
    他図書館からお借りしたものなので、返却前になんとしてもレビューを載せるべく、たまには奮闘してみることに(笑)。
    それはそれは面白いので、一同固唾を呑んで真剣に場面に集中しているのが伝わってきた。
    前篇・後編合わせて約20分。力いっぱいやると、少々息切れ&めまいがしてくる(笑)。
    体力を温存して、ぜひチャレンジしてみてね。
    中学生から大人向け、かな。

    今昔物語の中の巻36にあるお話で、鬼につばをかけられてしまったある男の不思議な運命を描いたもの。
    この「鬼のつば」には霊力があったため、男の意識はそのままだが、姿かたちは周囲のものから見えなくなってしまう。
    この間の苦悩と、霊力が消えて元に戻れるまでの約ひと月の出来事を描いてある。
    そりゃまぁ、怒涛のひと月なのだが、絵もそこはかとない不思議さをよくあらわしていて、よくある子供じみた色合いも輪郭線も一切ない。

    何故「鬼」に出会ってしまったのか。
    紙芝居の中には書かれていないが、平安京建設時に造られたという「一条戻り橋」を夜中に渡ったからなのだ。
    京都の人なら知らない人もいないだろうが、こちらは関東モノなので、地図と写真と橋にまつわる伝承なども説明してみた。
    今昔物語の魅力と、東大寺(たぶん)の倉庫に300年近くも眠っていて、江戸中期にやっと見出されたこと。
    芥川龍之介が、素材を今昔物語から借りて新しい解釈を加えて作品を発表したことで、脚光を浴びるようになったこと、なども手短に。

    ところで、この紙芝居を選んだ理由は、どんなお話が好きかと問うと「日本の昔のお話」という答えが毎度返ってくるため。
    ちょうど節分もあったので、「鬼」つながりで選択したというわけ。
    想像以上に反応が良くて、こちらも大満足なのでした。
    さ~、返却しに行こうっと!

    • vilureefさん
      こんにちは。

      いやー、可愛い♪
      自分では精一杯尖ってるつもりの中学生が「さよなら・・・またね」なんて。
      キューンとします。
      それ...
      こんにちは。

      いやー、可愛い♪
      自分では精一杯尖ってるつもりの中学生が「さよなら・・・またね」なんて。
      キューンとします。
      それにホロリとしてしまうnejidonさんもこれまた素敵ですね。
      2015/02/20
    • nejidonさん
      vilureefさん 、こんばんは♪
      コメントありがとうございます!
      たまにしかレビューを載せられなくてすみません。
      それなのに、きっ...
      vilureefさん 、こんばんは♪
      コメントありがとうございます!
      たまにしかレビューを載せられなくてすみません。
      それなのに、きっちり発見してくださって(笑)感謝申し上げまする。

      ねー、可愛いですよね。
      中学生くらいになると「わぁ!紙芝居だ!」とは寄ってきませんもの。
      「そんなもの興味ないよ」という態度を取りたくもなるでしょう。
      それもひとつの成長です。
      聞こえるか聞こえないかの声で言った「さよなら・・・またね」は、
      今後の宝物にします。
      私も、「また会おうね」って、小さな小さな声で言ったんですよ。
      そしたら、これまた小さく小さくこっくりと頷いてくれました。
      やっぱり可愛いです!!
      2015/02/21
  • 4年生の読み聞かせに持っていきました。
    所用時間:前後編に分かれて合計10分程度

    ★★★
    夜道で鬼の行列に出逢ったおさむらい、命は助かったものの鬼にかけられた唾のせいで姿が見えなくなってしまった。
    家に帰っても町をさまよっても姿も声も気づいてもらえない。
    しかしある日牛を連れた不思議な童子が現れる「元に戻りたかったら手伝ってよ」二人はある屋敷に入り込むとそこには熱病に苦しむ娘さんが…
    ★★★

    紙芝居は、読むほうはやりやすいのですが、子供たちの反応が見えないのが難点。馴染みがあまりない世界の為子供たちの反応は良くもなく聞いてないわけでもなく…という感じでした。

    一応最後に「昔は明かりもなく夜はまっくら、医療も進化していなかったから病気や災害は鬼や悪霊の仕業だって思われていたんだね」と説明してみました。

    • 淳水堂さん
      夜も明るくなって悪霊たちは外に居場所がなくなり
      心に入ってきたんでしょうかねえ。
      心の悪霊は昔からいたでしょうけど。
      夜も明るくなって悪霊たちは外に居場所がなくなり
      心に入ってきたんでしょうかねえ。
      心の悪霊は昔からいたでしょうけど。
      2016/06/06
    • nejidonさん
      淳水堂さん、お久しぶりです。
      リニューアル後の本棚に全くついていけなくて、しばらくお休みしていました。
      でもやはり不便なので(記録も兼ね...
      淳水堂さん、お久しぶりです。
      リニューアル後の本棚に全くついていけなくて、しばらくお休みしていました。
      でもやはり不便なので(記録も兼ねてますから)ぼちぼちレビューを載せています。
      またよろしくお願いします。

      この紙芝居は中学生相手に演じたのですが、非常に反応が良かったですよ。
      最初に「一条戻り橋」の話をしたからだと思います。
      中学年では少し難易度が高かったかもしれませんね。
      話はすごく面白いので、高学年に再チャレンジをおすすめします(笑)。
      2016/06/08
    • 淳水堂さん
      nejidonさん

      ありがとうございます!
      nejidonさん のレビュー読んでから読み聞かせすればよかった~、一条戻橋か~~と思...
      nejidonさん

      ありがとうございます!
      nejidonさん のレビュー読んでから読み聞かせすればよかった~、一条戻橋か~~と思いましたよ。
      娘が4年生になったので、いままでよりちょっと難しくても行けるかな?と思ってるんですが、面白いものを読んでも低学年の頃より反応が低くなっているので試行錯誤中。
      まあ別のクラスでは「騒がしい」「他のドリルをやったり他の本を読んでる」ということもあるようなので、聞いててくれるだけいいのかなあ。

      リニューアル後は一覧性がなくって、どのボタン押せばいいのか感覚的に分からないですよね。
      以前別のサイトで本のレビューを載せていたのですが閉じてしまったため全部おじゃんになってしまったので、
      できればブクログでもここに書いたのをバックアップ取っておきたいんだけど…やり方わからない…。
      nejidonさん なにかやってますか?
      2016/06/08
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著者プロフィール

諸橋精光(モロハシ セイコウ)
1954年新潟県生まれ。創形美術学校造形科、大正大学仏教学部仏教学科卒業。大学卒業後、仏教説話を中心とした施本、超大型紙芝居の制作を始める。1993年紙芝居『なめとこ山のくま』(童心社)で高橋五山賞を受賞、2001年正力松太郎賞奨励賞受賞。2002年「えにかいたねこ」でボローニャ国際絵本原画展入選。他の作品に、絵本『はしれ!チビ電』(童心社)、紙芝居『モチモチの木』『ごんぎつね』『くもの糸』(以上鈴木出版)などがある。真言宗豊山派千蔵院住職。

「2019年 『月夜とめがね』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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