立法趣旨で読み解く 組織再編税制・グループ法人税制

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制作 : 関根 稔  白井 一馬 
  • 中央経済社 (2017年1月21日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784502210310

立法趣旨で読み解く 組織再編税制・グループ法人税制の感想・レビュー・書評

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  • 関根弁護士、白井税理士などによる組織再編税制・グループ法人税制の趣旨解説書。あるべき論まで語られており多少難易度は高めだが、理解が深まった感がある。制度趣旨まで遡って勉強したい人にはお勧めだ。
    P52
    脱法される組織再編税制
    白井
    新会社を設立しておいて、旧会社では役員退職金を支払って欠損金を計上する。その後、新会社は旧会社を吸収合併し、青色欠損金を承継する。そして、新会社の役員には、旧会社の役員が就任する。そのような節税事例を聞きました。
    佐藤 そのような相談を受けたら困ります。要件には合致しているからOKと答えるか立法趣旨に反するからダメと答えるか。まさに、含み損、つまり青色欠損金を作り出し、それを承継する脱法事例です。
    関根 節税とは異なりますが、債務超過会社の吸収合併が認められるという意見があります。これも要件だけで組織再編税制を考えてしまうために登場する意見です。組織再編税制のキモは簿価承継を認めるか否かであって債務引受けを認めるか否かではない。債務引受けは、グループ法人税制が適用にならない限り、単なる債務引受けであって、寄附金と受贈益だと思います。
    しかし、組織再編税制の立法趣旨が理解されていないので、このあたりも適格組織再編成ならばOKと論じる人達が大部分です。
    白井 簿価純資産で債務超過でも、時価純資産で資産超過ならよいのでしょう。債務引受けにはなりません。さらに、グループ法人税制が適用になれば、寄附金が認められるのですから、時価債務超過で債務引受けになってしまってOK。そこに漏れて、適格要件を満たすが、時価債務超過の場合に、受贈益と寄附金課税が生じないのか。それが疑問なのですね。
    関根 組織再編成なら債務引受けが認められるとしたら、仮に、資産100万円、負債10億円の会社の吸収合併が認められることになりますが, これは経済上は単なる債務引受けです。ここまで認めるのが組織再編税制の趣旨なのかは大いに疑問です。
    佐藤
    国税庁のHP上の「子会社等を整理·再建する場合の損失負担等に係る質疑応答事例等」で、子会社等の支援について組織再編成の手法による場合にも、それが寄附金課税の対象となるかどうかは経済合理性で判断すると明示しています。
    P61
    5年超という要件
    なぜ支配関係が要求される期間は5年なのか。組織再編税制が創設された平成13年当時、青色欠損金の繰越期間が5年だったことがその理由だと考えている人達が多いと思うがそれは違う。理由は会計法だ。国の債権は5年を経過
    すれば援用を要せず時効消滅し、国の債務も5年を超えれば援用を要せず時効消滅すると会計法は定めている(会計法30, 31)、5年を超えた過去の債権債務関係を国は問うことができないのだ。そのため、その後の税制改正によって青色欠損金の繰越期問は7年、9年、10年と延長されたが、支配関係の継続が要求される期間は5年のままなのだ。
    つまり、合併から5年を遡った時点で支配関係があれば、その時点における青色欠損金あるいは含み損が発生したのは何時か、支配関係が成立する前か後か、それを国は問えない。例えば、6年前に買収した子会社を吸収合併する場
    合に、仮に子会社の青色欠損金が生じたのが7年前であれば、本来は外部から持ち込まれた青色欠損金として、取り込みは禁止されるはずだ。しかし取り込みは制限されない。会計法による5年の消滅時効の制限から、5年より昔のこ
    とは税法上はブラックボックスであり、子会社の損失がいつ発生したのかを問うことができない。税法上は、親子関係は大昔から成立していたことになり、青色欠損金は全て支配関係成立後に発生したことになるのだ。
    P225
    関根「清算結了」というのは会社法の概念です。要するに清算事務を終了したときが清算結了です(会社法507)。これに対して「残余財産の確定」とは会社法の概念ではなく、法人税法の概念でしょう。残余財産が確定しても株主に分配するまで清算事務が続き清算結了はしません。
    佐藤 残余財産確定の日について法人税法に定めはありません。換価処分が終了した日、未納税金以外の債務を全て弁済した日、清算事務終了によって決算報告を行った日などでしょう。常識での個別判断になるのだと思います。

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