金融の本領

著者 :
  • 中央経済社
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784502698101

作品紹介・あらすじ

自叙伝インタビュー・わが投資家人生41年を語ろう。語りおろし収録・地アタマ論&これからの日本論。

感想・レビュー・書評

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  • 先を考える力ってすごく大切に思います。もちろんその予測がドンピシャってことは少なくとも、地頭で考えること。今は調べればすぐわかったり、教えてもらえたりもするのかもしれないけど、この本に書かれているように、自分の考えを源に行動におこしていきたいものです(^-^)/

  • 長期投資家澤上氏の著書。長期投資以外に自叙伝インタビューと価値ある人生についての含蓄はなかなか良い。
    最近の株価上昇とともに、著書が乱造気味なのが気になるところだが、言っていることがブレないのがいい。その分、それぞれの著書の内容が似ているのだが。

    【なるほどな点】
    ・モノづくりこそ真っ当な仕事だ
    ・語学はめちゃくちゃ集中してテキストを丸暗記。聞いて聞いて聴きまくって全部覚える。
    ・「今日は体調が悪いから」とか、そういう言い訳は一切しない。
    ・人は偉くなったり年を取ってくると、だんだん勉強しなくなる。
    ・「とにかく自分がやりたいことをやる」「それでそこそこ食べていける」「その仕事を通じて世の中にポジティブな影響をあたえることができる」の三位一体。
    ・長期投資は応援団だ。
    ・新興企業は「将来の展望が読みにくい」、まだ会社のDNAが判明しない。
    ・「まじめに地道に本業に取り組んでいる会社」「普通の人の生活に不可欠なもの・サービスを提供している会社」「人類や社会に本質的な富を生み出している会社」などでフルイをかける。
    ・企業も人も、本業に徹している職人的な人が信用できる。
    ・すべての尺度が「他人と比べてどうか」では、無駄な不安が生じるだけ。

  • 沢上氏の考えがうかがい知ることができて良かった

  • 金融に関する名著。
    澤上氏の視点からの投資感、金融論が非常におもしろく勉強になる。世界の歴史の話も日本目線ではない枠組みで紹介されていておもしろい。
    <メモ>
    ・アメリカ経済の盛衰。
    ・景気浮揚策としての過剰流動性と年金マネーによってマネーが巨大化した。この二つでマネーが暴れだす土壌が醸成されていた。
    ・米系はカネが接点だから金融商品の開発がすごい。一方大陸系は長い付き合いを見据えているから、価値感を共有できないお客は追い出してしまう。とことんお客さんを選ぶ。
    ・投資会社、昔は節度があり、素晴らしい頭脳集団だった。世の中の行く先を世界レベルで読み込みしながら、「これは面白い」と思ったものに、海のものとも山のものともしれない段階からドーンとお金を放り込む。70年代半ばくらいから年金運用中心に機関化現象が本格化し、眼前の巨額資金をいかに取り込むかのビジネスに変質していった。
    ・かつては市場マネーの72%が持ち合いなど日本企業村の住人だったから、純投資家は28%のみ。持ち合いをやめ出したため、株は暴落し、バブルが崩壊した。今は持ち合いは8%、残りの92%は純投資家に近いため、構造的な売りは出てこない。
    ・人生の三位一体「とにかく自分がやりたいことをやる」「それでそこそこ食べていける」「その仕事を通じて世の中にポジティブな影響を与えることができる」
    ・こんな社会に住みたいな、こんな世の中を残したいと願う将来方向で頑張っている企業を熱く、人間的に応援していこうとする。いつの時代でも将来を築いていくのは事業化の夢と情熱。そうして事業化、企業を応援するのが長期投資。
    ・本質を見る。サービスやブームはいつまで続くのか。人間の本質にとって大事なものなのか。どういう状況になったら飽きるのか。もっと違うものが出てくるのでは。という視点からものごとを考える。
    ・生活者基準で考える。車は世界では必須のものである。車通勤、通学ショッピング。買い替えも必ず発生する。
    ・社長になったつもりで考える。優秀なアナリストは将来のポイント、ネックを考え、予想する。どうなったら好転するのか。あらゆる業種で見通せるようになることが地頭のよさ。様々な情報を発掘し、どんどんわからなくなることが仕事。どんどん上のレベルでわからなくなる。社長になったつもりで仮説をたてる。
    ・コンサルタントは出現したばかりの経済事象を瞬時に体系化・理論化することが仕事。
    ・投資とは将来の納得に対して、現在の不納得で行動すること。将来の価値向上を読みこむこと。価値あるものが売られて安くなっているときに買っておいて、みなが買い群がってきたところを売る。すごいと言われたら終わり。馬鹿なことをやっていると思われるくらいがちょうどいい。
    ・人々が喜ぶことをしたものが力を得る。楽市楽座がまさにそう。
    ・今人々にかけているものは自信。やればできるという実感。豊かさはあたら得られたものではなく、自分でつかみ取るもの。自信=明るさ。
    ・融通の時代。コミュニティの中で様々なものを融通することが生まれる方向にいくはず。コミュニケーションが生まれると融通が生まれるはず。
    ・いなかにいくと価値感がかわる。お金はいらない。コミュニケーションが必要で、様々なバーターからなりたつ。得意なものを融通し合う。新しい生き方が生まれる。
    ・ヨーロッパのエリート教育。エリートは社会的な使命があるからめちゃくちゃ厳しく育てられる。
    ・為替はゼロサムだから何かが上がれば何かが下がる。
    円高でやるべきこと、円安でやるべきことを見極めておくこと。円の変動に備え、インフレに強い企業の株を買っておくこともできること。

  • 著者の若い頃の貧困、世界放浪、世界のトップの働き方や生き方を見てきた経験を活かしての、投資の在り方、これからの日本の在り方が描かれていて参考になった。

  • 本屋で偶然に手に取った本です。

    長期投資、という言葉に惹かれ、その考え方や経済を見つめる視点を知ろうと思い購入しました。

    副題は「長期投資の精神と、価値ある人生について」とあります。

    後半の価値ある人生について、本書でも語られているところですが、これは非常に役に立つと感じました。

    時代を隔てて共通する考え方です。

    デフレだバブルだ、情報に左右されないことが如何に大事かがわかります。

    印象に残った言葉もたくさんあります。

    これらは忘れずにおきたいと心から思いました。

  • 1.2章は超面白い

  • 金融の話だけでなく、思考の広げ方など参考になるなあと思った。
    もう一度読んで考えをまとめよう。

  • この本は、すべての日本の成人、もしくは間もなく社会人となる人が読むべきだ。銀行や、マスコミのせいで、金融イコールカネカネカネだけではないことを、未来への勇気を与えてくれる。

  • 1章が澤上さんの半生、2章が澤上さんが実践してきた思考法について、3章がこれからの日本について。
    個人がどうやって生きてきたかは誰にでも当てはまるわけではないので、2章がこの本の中心だと思う。この思考法も投資以外にもつかえるとの事だが、やはり投資に使うのが一番いいかと思った。
    3章はインフレ前提での話の展開だが、本当にインフレなるのか?
    それと澤上さんは増税賛成でした。

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著者プロフィール

さわかみホールディングス代表取締役、さわかみ投信創業者。1971 年から 74 年までスイス・キャピタル・インターナショナルにてアナリスト兼ファンドアドバイザー。その後 79 年から 96 年までピクテ・ジャパン代表を務める。96年にさわかみ投資顧問(現さわかみ投信)を設立。販売会社を介さない直販にこだわり、長期投資の志を共にできる顧客を対象に、長期保有型の本格派投信「さわかみファンド」を99年に設定した。同社の投信はこの 1 本のみで、純資産は約 3300 億円、顧客数は 11 万 7000 人を超え、日本における長期投資のパイオニアとして熱い支持を集めている。『10年先を読む長期投資』(朝日新書)『金融の本領』(中央経済社)、『本物の株価上昇の波が来たぞ!』(日経BP社)『2020年に大差がつく長期投資』(産経新聞出版)『大暴落!その時、どう資産を守り、育てるか』『インフレ不可避の世界』『暴落相場とインフレ 本番はこれからだ』(いずれも明日香出版社)など著書多数。

「2023年 『本物の長期投資でいこう!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

澤上篤人の作品

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