サ-ビス産業生産性向上入門: 実例でよくわかる!

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  • 日刊工業新聞社
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784526064586

感想・レビュー・書評

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  • とても良い本。
    製造業の生産性は、産出物を分子に、投入した資源量を分母に計算される。
    産出物は、製品であり、それを生産するのに投入した労働者数(時間)や資本量が資源量となる。
    このため、製造業では生産性が明確で、投入する資源の量を削除するための改善活動が活発に行われている。
    サービス産業の産出物はサービス自身であり、この産出物の価値は顧客毎に決まる。そして、もし資源投入量を削減すると、産出物であるサービスの内容も変化してしまう。
    これまでサービス産業の生産性を継続的に向上させるには、プロセスを改善することによる効率化で、資源投入量(いわゆる分母)を削減することに議論が集中してきたが、注目されて来なかった分子の価値を増加させる、
    または両方を同時に達成して行くことが重要なのである。
    つまり生産性向上には、資源投入の削減だけでは不十分で、付加価値の向上や新しいビジネスも同時に生まれる「サービス・イノベーション」の土壌の形成が重要となる。 
    しかし、もしサービス生産性の向上を通じて、顧客満足が向上すれば、顧客数が増加し、提供しなければならないサービスの規模は大きくなる。
    また、多くの従業員や組織が連携と協力することになり、サービスの提供方法も複雑になる。
    この時、経験や勘だけに頼って従業員がサービスを提供し続けたら、サービスの品質レベルを現場で維持することができず、結果としてサービス生産性は低下する。
    これを回避するために、客観的で再現性ある化学的・工学的アプローチであるサービス工学を導入し、サービス・イノベーションに取り組む必要があるのである。

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著者プロフィール

東海大学文学部教授
1985年信州大学経済学部卒業、1987年慶應義塾大学法学研究科政治学専攻修士課程修了、1991年同後期博士課程単位取得退学。1991-93年外務省専門調査員(在ジャカルタ日本大使館)、1994年静岡英和女学院短期大学国際教養学科専任講師、1995年同助教授、2001年東海大学文学部アジア文明学科助教授、(2007年より准教授)、2010年より現職。専門はインドネシア都市研究、国際コミュニケーション論。
業績:『叢書21COE-CCC多文化世界における市民意識の動態14 ニュースの国際流通と市民意識』(共著、慶應義塾大学出版会、2005年)、『開発途上国の政治的リーダーたち――祖国の建設と再建に挑んだ14人』(共著、ミネルヴァ書房、2005年)、『都市下層の生活構造と移動ネットワーク』(共著、明石書店、2007年)、『変わるパリ、変わらないパリ』(共著、勉誠出版、2009年)、「ジャカルタ・コタ、華人街の情景――パンチョラン通りの調査から」『東海大学文学部紀要』第93輯(2010年9月)ほか。

「2013年 『消費するインドネシア』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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