ゲーム理論入門

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532108298

作品紹介・あらすじ

他の人々がどのような行動をとるかを常に考慮に入れながら、自分がどのような意思決定をするべきかをゲーム理論は明らかにします。人の関係から、企業、国家の関係までゲーム理論の応用範囲は広い。経済学、経営学はもちろん、政治学、社会学、生物学を学ぶ人にも欠かせない知識です。本書では、ゲーム理論のおもしろさを伝えるため、具体的な数値に基づいて解説しました。理解を深めるため、練習問題と詳しい解説を掲載しました。

感想・レビュー・書評

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  • 新書で値段も安いものの内容はかなり本格的。

    それゆえ、一昔前は学部の講義の教科書として採用されているのをよく見かけた。

    最近では川越先生や松井先生、渡辺先生、鎌田先生などが執筆されたより易しめの入門書も出ているため、この本の内容が難しいと感じる場合には上記の先生方の本を読んでから本書を読み直すと良いかも。

    内容としては若干古くなりつつあり、最近では入門書でもよく扱われているマッチングやオークションなどの話は扱われていない。

  • 著者:武藤 滋夫[むとう・しげお] (1950-) オペレーションズ・リサーチ。

    【目次】
    まえがき(2000年12月 武藤滋夫) [003-005]
    目次 [006-010]


    I ゲーム理論を学ぼう 011
    1 ゲーム理論とゲーム的状況 013
    2 協力ゲームと非協力ゲーム 014
    3 ゲーム的状況の表現 015
    4 ゲーム理論が与えてきたもの 016
    5 本書を読まれるにあたって 021


    Ⅱ 非協力ゲームI:行動決定が同時に行われる場合 023
    1 事例による把握 025
    2 戦略形ゲーム 028
    3 戦略の支配 032
    4 囚人のジレンマ 035
    5 最適反応戦略とナッシュ均衡 037
    6 戦略の支配とナッシュ均衡 043
    7 混合戦略 045
    8 ナッシュ均衡の求め方 048
    9 ナッシュ均衡の応用例:クールノーの複占市場 053
    10 マックスミニ戦略 057
    11 2人定和ゲームとミニマックス定理 060
    12 多人数戦略形ゲーム 064
    13 利得と期待効用 066
    練習問題 068


    III 非協力ゲームII:行動決定が時間をおいて行われる場合 069
    1 事例による把握 071
    2 展開形ゲーム 074
    3戦略形ゲーム表現 078
    4 ナッシュ均衡 081
    5 部分ゲーム完全均衡 084
    6 チェーンストア・パラドックス 095
    7 繰り返しゲーム 100
    8 部分ゲーム完全均衡の応用例:シュタッケルベルクの複占市場 111
    練習問題 114


    V 情報不完備なゲーム 
    1 事例による把握:行動決定が同時に行われる場合 120
    2 ベイジアンゲームの戦略形ゲーム表現 121
    3 ベイジアン均衡 123
    4 事例による把握:行動決定が時間をおいて行われる場合 125
    5 ベイジアンゲームの展開形ゲーム表現 126
    6 完全ベイジアン均衡 127
    7 情報不完備なゲームの応用例:中古車市場とレモン  131
    練習問題 135


    V 2人協力ゲーム:交渉ゲーム 137
    1 協力ゲーム理論と非協力ゲーム理論 139
    2 事例による把握と相関戦略 141
    3 実現可能集合と交渉の基準点 142
    4 交渉ゲーム 145
    5 ナッシュ交渉解と公理系 146
    6 ナッシュ交渉解に対する非協力ゲームからのアプローチ 154
    7 譲渡可能効用とサイドペイメント 155
    練習問題 157


    VI 多人数協力ゲーム:特性関数形ゲーム 159
    1 事例による把握 162
    2 特性関数形ゲーム 164
    3 優加法性と全員提携の形成 168
    4 配分 170
    5 コア 173
    6 仁 180
    7 シャープレイ値 187
    8 特性関数形ゲームにおけるその他の解 
    練習問題 


    VII 進化と学習のゲーム理論 195
    1 進化と学習のゲーム理論を学ぶ前に 198
    練習問題
    2 進化論的ゲーム理論 200
    3 進化的安定戰略 203
    4 混合戦略型の行動様式まで考えた進化的安定戦略 205
    5 進化ゲームの動学的モデル 209
    6 適応型学習に基づくゲーム理論 I:現在の状態の観察 213
    7 適応型学習に基づくゲーム理論 IⅡ:過去の経験の記憶 219
    練習問題 228


    〈文献ガイド〉ゲーム理論をより深く学ぶために [229-234]
    略解 [235-238]
    事項索引 [239-241]
    人名索引 [242]


    [事例]
    ◎事例2-1 価格引き下げ競争……025
    ◎事例2-2 規格の統一争い……026
    ◎事例2-3 視聴率競争……027
    ◎事例2-4 クールノーの複占市場……053
    ◎事例2-5 男女のジレンマ……066
    ◎事例3-1 価格引き下げ競争における先導者と追従者……071
    ◎事例3-2 (事例2-2 の改変)
    ◎事例3-3 (事例2-3 の改変)
    ◎事例3-4 参入と参入阻止……072
    ◎事例3-5 多期間にわたる価格引き下げ競争……072
    ◎事例3-6 部分ゲームの説明……087
    ◎事例3-7 シュタッケルベルクの複占市場…111
    ◎事例4-1 価格引き下げのもたらす影響の不確実性...…120
    ◎事例4-2 B社(参入企業)の不確実性……126
    ◎事例5-1 規格統一におけるA社とB社の協力……141
    ◎事例5-2 利得行列の変更………155
    ◎事例6-1 投票による決定………162
    ◎事例6-2 家の売買………162
    ◎事例6-3 費用の分担………163
    ◎事例7-1 タカーハトゲーム I .....…200
    ◎事例7-2 タカーハトゲーム II ………205
    ◎事例7-3 2種類のワープロソフト………213
    ◎事例7-4 ドアの出入り………219


    [COFFEE BREAK]
    フォン・ノイマンは著書に「ゾウ」を入れた!………018
    囚人のジレンマのもともとのストーリーは?………038
    フォン・ノイマンはナッシュ均衡がキライ?………052
    強かったのはお返し戦略!………109
    有名大学卒業は採用時の判断材料になるか?………134
    「無関係な結果からの独立性」の公理は妥当?………152
    ユダヤ教の教典にあったゲーム理論!………186
    エスカレーターはどちらに並ぶ? そして、ドアは押さえる? 押さえない?………227


    【抜粋】
    ・コラム(052頁)

    ――――――――――――
      COFFEE BREAK フォン・ノイマンはナッシュ均衡がキライ?
     いまでこそ,「ゲーム理論といえばナッシュ均衡」といわれるほど,ナッシュ均衡は,社会科学そして理工学の諸分野において必要不可欠な概念となっています。しかし,フォン・ノイマンはこの概念をそれほど好んではいなかったようです。
     ワイントラウブ(E. R. Weintraub)がまとめた Towards a History of Game Theory に所収のシュービック(M. Shubik)の論文 "Game Theory at Princeton, 1949-1955: A Personal Reminiscence"に,次のような記述があります。
     「私(シュービック)が,ニューヨークからプリンストンに向かう列車の中で,『ナッシュの非協力均衡の理論は,経済学への応用において大きな価値のあるものではないでしょうか』と聞いたとき,彼(フォン・ノイマン)は,『私は,ナッシュ均衡をそれほど好ましいとは思わない,協力ゲームの方が社会現象を扱うえでより意義深いものだと思う』と答えた」 
     ただ,同じ論文の中でシュービックは、タッカーから「フォン・ノイマンが協力ゲームの解であるシャープレイ値に対してもナッシュ均衡に対するのと同じ反応を示した」と聞いたという話も載せており,フォン・ノイマンは,「社会現象を扱う際の『解』というものは『集合』として与えられるべきであり「一点で与えられる解は十分なものではない」と考えていたのではないか,とも述べています。 
     確かに,フォン・ノイマンがモルゲンシュテルンとともに考えた「解」は,集合として与えられるものですし,システム全体を考えたうえでの安定性を目指したものでした。それに比べると,「ナッシュ均衡」は1つの結果が安定であるかどうかを与えているにすぎないとフォン・ノイマンは思ったのかもしれません。シャープレイ値およびフォン・ノイマンとモルゲンシュテルンの解については,1章の7節と8節を参照してください。
    ――――――――――――

  • 大学での講義で個人的な副読本として利用しました。非常にコンパクトなサイズですが中身は(オークション、マーケットデザインは触れられていませんが)基礎的なゲームをほぼ全て網羅しており、ゲーム理論の全体像が手軽に理解でき大変役に立ちました。
    実際に均衡を求める計算問題がいくつか出てきますが、手を動かしてみるとさらに理解が深まります。
    ただ無味乾燥な内容ですので、ゲーム理論の具体的なイメージや応用について知りたい方には梶井先生の「戦略的思考の技術」や松井先生の「高校生からのゲーム理論」をオススメします。

  • 入門とは言い難い難解な内容...。私のオツムが弱いだけか...。

  • 読んでみたが、ゲーム理論の必要性を感じることができなかった。簡単なのか難しいのかよくわからなかった。
    何回も読んで理解できるまで頑張って見ようか。

  • ゲーム理論の様々な話題をコンパクトにまとめた本。この手の本にありがちな、広範な話題をコンパクトにまとめたために文字が多いという状況に陥った感もあるが、丁寧に読めば理解できるように書かれていて good (ゲーム理論自体が、常識的な考えから出発しているせいもあるかも)。
    ここまで理論化が進んでいるなら、交渉ごとなどはもっとスムーズに進んでも良いと思うのだが、そうはならないのは、ゲーム理論が普及していないからか? それとも人間がそれほど合理的ではないからか?

  • ☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BA50168332

  • ナッシュ均衡からわからなくなった
    一般相対性理論より難しい

  • ゲーム理論の全体がコンパクトに書かれた良書。文庫本サイズだが、各所に数式があり、きちんとして構成の本である。

    初学者が独力で取り組むのは難しいが、不可能ではない。

  • 【推薦文】
    この本は、自分が意思決定を行う際の合理的な判断力を養うきっかけを作ってくれます。何かを決断するのが苦手な人には頼れる一冊になると思います。
    (推薦者:経営システム工学科 B4)

    【配架場所】
    大岡山: B1F-一般図書 331.19/M
    すずかけ台: 3F-一般図書 331.19/M

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著者プロフィール

武藤滋夫(東京工業大学教授)

「2014年 『ゲーム理論と経済行動』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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