経営史

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (217ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532108601

作品紹介・あらすじ

組織、戦略の将来を考えるには、長期的視点=歴史的視点から日米欧の経営システムを顧みることが重要な意味を持つ。本書では、経営システムの変遷を、イギリスで興った産業革命、アメリカを舞台とする大企業の時代、そして日本をはじめとする各国による戦後の大競争時代という3つの時代区分でたどる。それぞれの時代に繁栄した企業が、どのような背景を持ち、いかにして時代に適応したのかを解き明かす。

感想・レビュー・書評

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  •  「パックス・ブリタニカ」「パックス・アメリカーナ」「パックス・ジャポニカ」。世界の戦略商品を抑えた国が英国、米国、日本と移り変わって行った歴史について概観されている。第一次産業革命は英国で、第二次産業革命は米国で起こる。第一次産業革命は中小企業、第二次産業革命は大企業が注目を浴びる。日本が世界の戦略商品を抑えた時代は、多品種中量生産に対応することがキーとなった時代。多品種中量生産は、顧客のニーズにあった生産を行うことが必要になった時代で、トヨタ自動車が例に挙げられている。
     「パックス・ジャポニカ」の時代以降には、国を超えた国際競争の時代に突入していき、日本企業の凋落が顕著にあわれてくる。この本ではその原因の一つを、日本企業が得意とする特許分野について見ている。日本企業は製品の製法に関する特許は得意だが、製品自身についての特許、発明は得意としない。特にソフトウェアの分野では製法はあまり問題にならず、製品自身の特許・権利が企業の競争の源泉になるという見方をしている。僕自身、ソフトウェアの専門家から見ると必ずしもこの見方には同意できない。この本が記された時代にはソフトウェアの品質が問題になることがあまり多くなかったのかも知れないが、ソフトウェアの製法は世界的に見てもまだまだ発展途上で未熟であり、ソフトウェアの製法に戦略的に取り組むことで(品質・価格の両面で)企業が競争力を発揮することはできる。ソフトウェアの製品自身の権利が有力であった時代もあったが、むしろ現在はソフトウェア品質と価格競争力に焦点が移っている。また、このような分野は日本企業が得意とする分野でもあり、現在は日本企業にとって大きなチャンスなのではないかとさえ思う。

  • 書いた人、授業はつまんないけど、本はけっこうおもしろかった笑

  • 「経路依存性(path-dependency)」将来を語るとき、過去からの連続性は無視できない。フランスのエリート養成機関の頂点に立つENA(国立行政学院)校長のことばにも「過去を知らずして、未来を先取りすることはできない」とある。彼は、歴史教育こそがフランスの哲学であるとまで断言している。
    この本によって歴史への興味が喚起された。歴史を学ぶことは、過去を学ぶことであり、将来を語る時に過去からの連続性を無視することはできない以上、歴史を学ばずには将来を予測することもできまい。
    本書では、戦略商品の変遷とともに、経済覇権国の変遷を見る。イギリスがなぜ破れ、アメリカに主導権が渡ったのか。さらにパックスジャポニカはなぜ訪れたのかを解き明かす。

  • 大学でとってる授業で教授にムリヤリ読まされた本。もちろんその教授が著者です。勉強にはなったけど正直あまりおもしろくなかった。最後は惰性で読んでしまったのが残念。イントロの歴史を学ぶ意義を書いた部分が一番おもしろかった。「過去を知らずして未来を知ることはできない」「愚か者は経験から学び、私は歴史に学ぶ(私はビスマルク)」とか名言ですよね。未来を知るには過去を知らないといけない。一見矛盾しているようだけどその通りだと思います。

  • 2006/07/02  組織、戦略の将来を考えるには、長期的視点=歴史的視点から日米欧の経営システムを顧みることが重要な意味を持つ。それぞれの時代に繁栄した企業が、どのような背景を持ち、いかにして時代に適応したのかを解き明かす。

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著者プロフィール

明治大学名誉教授

「2020年 『ケースブック アメリカ経営史〔新版〕』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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