ソフト・パワー: 21世紀国際政治を制する見えざる力

  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532164751

作品紹介・あらすじ

世界地図を塗り替える新しい「国力」の概念とは?軍事力、経済力だけが国家のパワーではない-。国際政治の新たな枠組みを提示する注目の概念を、提唱者自身が詳述。

感想・レビュー・書評

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  • 卒論やっているアピール。

  • 「アメリカへの警告」から生まれたこのキーワードをタイトルにしてるから、その一般論を期待したんだけど。著者もその辺頑張ろうとしているのも伝わって来るけど。ともすれば、「アメリカン・ソフトパワー」に振れるんだよねーw。どうしてこう、どいつもこいつも「アメリカ・ファースト」なんだ、あの国は。

  • イラク戦争後の世界中の反米感情、特にイスラム圏におけるそれを踏まえ、戦争・軍備というハードパワーだけでは外交・軍事を取り結べないとの見地から書かれた書。著者の言うソフトパワーとは対外的な「国としての魅力」と同値。その意義は、20世紀後半からハードパワーのみの外交・軍事がコスト増を招来し、さらには思うような結果をもたらしていない(特に、ソフトパワーを軽視し過ぎたイラク戦争とその後に対する批判的視座)に由来する。◆ソフトパワーは外交、文化的な影響力、国家間の連帯力の強弱、国家広報、貿易により図ることができる。
    ◆そもそも、ハードパワーのコスト増の要因は、①大衆民主主義の(自国内・自国民への)平和・安全志向。戦死者・戦傷者の極端な忌避。②戦後対応の想定の必要性の増大傾向、すなわち、所謂、核戦争等の最終戦争論の非現実性に帰着。結果、大陸間弾道弾などの戦略核の有効性の急低落⇒通常兵器の必要性の増大=金が要る。◆具体的なソフトパワー構築の方法として、交換留学生、WinWinの貿易、ODA、威嚇の排除、を挙げる。
    ◆SP重視の如何は広報外交予算の多寡で測ることができるが、英米独仏日でみれば、現実には何れの国も国防予算≫広報外交予算である。その中で、広報も軍事も巨額なのが米。一方、広報予算の比率が割に高い英。日本は広報予算の比率がこれらの西欧諸国に比べ低い。◆著者のみる日本のSPについて。アニメ・ゲーム(ポケモンが例示列挙)、歴史的遺産等良いものも多。しかし、WWⅡの精算が独に比べ顕著に劣後し、結果的にSPの全体的な力を弱体化させている、とのこと。

  • 仕事で「ソフトパワー」という言葉を使っていたところ、それは違うのではないかと指摘を受けたので、そもそもソフトパワーを言い出した本を読もうと思って買った。が、序盤のソフトパワーの解説で大体納得してしまったので、後半は読んでいない。国と国との関係におけるソフトパワーについて論じているので、一概に地方自治体のソフトパワーに適用することはできないものの、「ソフト・パワーとは何なのか。それは、強制や報酬ではなく、魅力によって望む結果を得る能力である。」「ソフト・パワーとは自国が望む結果を他国も望むようにする力であり、他国を無理やり従わせるのではなく、味方につける力である。」というあたりは「国」と「自治体」に置き換えればそれなりに意味が通じる話だと考えている。

  • アニメ制作拠点を作ってソフトパワーなんていうふうにどんどん奇形になってる気がする。ソフトパワーの概念が出されたときは新鮮だったのだろう。

  • 海外のことは本の少しだけ書いてあるが、ほとんどはUSAのことばかりであるので、ソフトパワーについての一般的な考えを獲得することは困難であろう。

  • 【たくみ】
    まだ読んでませ〜ん!積読!

  • 名著と言われているが、文化とか人の交流が大切だという当たり前のことが書かれているだけ。高級な本だと考え、気張らず楽に読めばいい。
    ソフト・パワーは、市民の生活にも応用できる。人間的に魅力のある人がやはり強いだろう。

    著者は、たびたび日本について言及しているが、その洞察が甘いのではないかと思う。

  •  2004年に出版された本なので2013年現在状況は大きく変化していることを念頭に置いて読まなければならない。軍事力、経済力のような強制力をもつ力をハード・パワーと呼ぶのに対し、魅力やイメージで目的を達成しやすくする力をソフト・パワーと呼ぶ。ソフト・パワーには主に三つの源泉があって第一が文化、第二が政治的な価値観、第三が外交政策である。文化は政府がコントロールできない。政治的な価値観は民主主義や国際協調に対する考え方。第三の外交政策は政府が関与できる源泉だ。ソフト・パワーがなぜ重要かというと21世紀に入り世界は三次元構造になっているからだ。最上層は軍事力、経済力の層だが、最下層は多国籍関係で軍事力、経済力では解決が困難な問題がある。中東の反米感情などはソフト・パワーが解決の重要なカギになる。
     アメリカ中心で話が進むため身近な問題としては捉えづらい。ソフト・パワーは無視できないとは思うが具体的な解決策に乏しい。筆者はアメリカ政府はもっと世界の国々と相互理解を深めるなければならないとして文化交流、教育交流にもっと力を入れるように提言しているがどれほどの効果があるのか分からない。ソフト・パワーは目に見えず、測ることもできないため抽象的な話になりがち。アメリカ至上主義的な面にある。
     9.11でアメリカの世界認識は激変したのだと改めて認識した。自分は9.11以前の情勢はよく覚えてないしそもそもあまり知らないので一度調べてなければ。最後に、第五章で日米安保条約が保たれている要因は日本人がアメリカに好感をもっていてソフト・パワーが働いているから、という主張がなされているが大いに疑問。

  • 日本の事例にも言及があって、読み進めやすかったですが、良く分かったかと言うと、そうでもありませんでした。

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