戦略の本質: 戦史に学ぶ逆転のリーダーシップ

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (375ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532165291

作品紹介・あらすじ

戦後60年の戦略不在に終止符を打つ!大逆転を生み出すDNAを戦史から解明。

感想・レビュー・書評

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  • 1.購読動機
    戦略。ちまたにあふれる言葉。
    定義の理解をしたかったため。

    2.結論
    戦略とはどの領域でたたかうか?
    そう、戦いかたではなく、勝てる領域を選択することがポイントである。
    勝てるか?は未知数。
    したがって、要素は自社が詳しい領域であること。

    3.2.が具体的に理解できる戦事。
    毛沢東、そしてスターリングラードの戦い。
    どちらも、地の利を生かしている。
    特に後者は最後の砦での戦い、市街戦だ。

    当時の読了後の興奮は、20年以上前の世界史の授業に加えたいエッセンスである。

  • 以前に読んだ戦略の本質とどこが違うのであろう? 内容に関しては、全く同じとして読んだ書籍にする。

  • 第2章 毛沢東の反「包囲討伐」戦―矛盾のマネジメント
    第3章 バトル・オブ・ブリテン―守りの戦いを勝ち抜いたリーダーシップ
    第6章 第四次中東戦争―サダトの限定戦争戦略

    が特に面白かった。劣勢を跳ね返した戦いは、彼我の戦力差をきちんと分析している。戦の相手、目標が明確である。劣勢の戦力できちんと勝てる方法を考えている。

    特にサダトは英雄だったナセルの副大統領だった。イスラエルとの全面対決を主張して英雄となったナセルはイスラエルに勝てなかった。ナセルが急死して誰も期待していなかったサダトがイスラエルを打ち負かすことになる。スエズ運河を渡った地点に限定優勢圏を作り、アメリカとの取引とする。戦略は明確にしても、方法は現場に任せる。その為の権限のある部署を完全に掌握する。

    現実から、しなければならない事とできる事を考えて実行する事が戦略なのだろうと思う。後から考えれば、こうすれば成功するんだな、、と最善のように見える道。それを敷ける事は簡単では無いはずなのだ。だが、逆に優勢で勝てると思っていて負けた軍は、目標が明確に定まっていない。ただ、圧勝するなどという不明瞭なゴールを掲げていて、足を掬われている。

  • ◆戦略とは、「何かを分析することではない。本質を洞察し、それを実践すること。認識と実践を組織的に綜合すること」である。

    ◆戦略を左右し、逆転を生み出す鍵はリーダーの信念や資質にある。日本のリーダーには、徹底的にリアリズムが欠落していると同時に、理想主義も貧困である。優れた戦略的リーダーは、これらを同時に達成している。リーダーには、理想主義的リアリズムが求められる。

    ◆戦略論は、人間世界を研究対象とする社会科学の一分野である。自然科学との重要な差は、対象としての人間が意図や価値を持ち、その実現にむかって思索し、予測し、行動し、修正し、環境の影響を受けつつ、環境を変えていく、能動的・反省的な存在である、というところにある。人間の世界を対象にしているということだ。


    ◆人間は、主体的にコンテクストや状況を察知し、その意味を言語化し、ダイナミックなコンテクストの中で持てる知識や技能を行使していく。人間の世界は、客観的事実ではなく、その都度コンテクストに依存する「解釈」によって成り立っている。一方、自然科学は、事象を特定のコンテクストから独立させて捉え、普遍妥当の原理原則を追及する。人間と人間世界の洞察なしに戦略の本質をさぐることはできない所以だ。

    ◆賢慮型のリーダーは、環境や現場を直感する。生きたコンテクストを分析的に対象化するというより、その中に身をおき、細部の語りかけを察知する(認知科学でいうアフォーダンス)。同時に、自らの哲学、歴史観、審美眼を綜合したビジョンにもとづいて、直感を大きな潮流(全局)と関係づけ、現実の本質を洞察する。

    ◆綜合されるべきものは、科学的知識としての理論的なknow why、実践的なスキルとしてのknow how、そして実現すべき価値(達成すべき目的)としてのknow whatである。これが戦略、リーダシップの本質を考える根底にある。

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  • 東2法経図・6F開架:391/N95//K

  • 戦史好きには、たまらない本と思う。有名な近代戦に一端に触れることができ、好奇心を満足させることができた。特にエジプトにおけるサダトの働きはには感心した。こういうのが政治というのだろう。日本の政治家からは想像できない話しであると思った。
    本としては、入れ込み過ぎの研究書になっていて読みにくい感じが拭えないのは、ご愛嬌か。

  • 太平洋戦争(日本vsアメリカ、ソ連vsドイツ、イギリスvsドイツ)、、ベトナム戦争、中東戦争、毛沢東vs蒋介石等の戦略の分析。小が大になぜ勝ったか、もしくはなぜ勝てなかったか(勝てなかったのは日本だけ)の論理展開はなかなかのもの。歴史書としてもどうぞ。

  • 失敗の本質はおもしろかったけど、こっちは二匹目のドジョウを狙いに行って失敗。

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著者プロフィール

野中郁次郎
一九三五(昭和一〇)年、東京に生まれる。早稲田大学政治経済学部卒業。富士電機製造株式会社勤務ののち、カリフォルニア大学経営大学院(バークレー校)にてPh.D.取得。南山大学経営学部教授、防衛大学校社会科学教室教授、北陸先端科学技術大学院大学教授、一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授などを歴任。一橋大学名誉教授。著書に『組織と市場』、『失敗の本質』(共著)『知識創造の経営』『アメリカ海兵隊』『戦略論の名著』(編著)などがある。

「2023年 『知的機動力の本質』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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