佐藤可士和の超整理術

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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感想 : 589
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532165949

作品紹介・あらすじ

仕事も頭もスカッと爽快。空間・情報・思考のもやもやを一刀両断!気鋭のアートディレクター、秘技初公開。

感想・レビュー・書評

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  • 良書 何かに引っかかっていて前に進めない方、是非ご一読をお勧めします。
    非常にロジカルでわかりやすい内容です。

    整理術とは、仕事を取り巻く環境を快適にして、仕事の整理を劇的にアップしていく方法であることが冒頭に示されます。

    結論は、「問題解決のための手がかりは必ず、対象のなかにある。優れた視点で対象を整理すれば、解決に向けての方向が明確になる。答えは目の前にある」です。

    また、広告の本質とは、商品の本質をきっちり捉えて効果的に表現してこそ、心に残る。大切なのは自己表現ではなく、どう人々に伝えるかといっています。

    ■仕事の整理の方法
    ① 状況把握 対象(クライアント)を問診して、現状に関する情報を得る
    ② 視点導入 情報にある視点を持ち込んで並べ替え、問題の本質を突き止める
    ③ 課題設定 問題解決のために、クリアすべき課題を設定する

    ■ 問題の本質は2つ
    ① 取り除くべきネガティブな点であるため、課題をクリアすることで問題解決される
    ② 誇るべき点があるのに埋もれている場合は、誇るべき点を磨いてアピールする

    ■ 具体的な整理術は3段階
    ① 空間の整理術 プライオリティをつける
    ② 情報の整理術 視点の導入が不可欠
    ③ 思考の整理術 視点を導入するためには、まず思考の情報化を

    ■ 空間の整理術
    ① カバン
    ② デスク
    ③ 名刺
    ④ ファイル
    ⑤ メール

    ■ 情報の整理術
    ① 視点を導入して問題の本質に迫る
    ② ビジョン、あるべき姿が見えてくる
    ③ 引いてみてみる、いろいろな角度から見てみる、思い込みを捨てる
    ④ 見方をかえれば、マイナスもプラスに

    ■ 思考の整理術
    ① 思考は頭の中にしかない抽象概念であるため、思考の整理は情報の整理より難易度が高い
    ② 考えを言語化して表現することから
    ③ 無意識の意識化、フロイトの「自由連想法」、機能を突き詰めてみる

    本の構成は次のとおりです。

    まえがき

    1章 問題解決のための”超”整理術
    2章 すべては整理から始まる
    3章 レベル1「空間」の整理術 
    4章 レベル2「情報」の整理術
    5章 レベル3「思考」の整理術
    6章 整理術は、新しいアイデアの扉を開く

    あとがき

  • 読めば仕事がしたくなる本。超整理術と言いながら、実はプランディング、マーケティングの本。隠居の私にはもうそれを活かす活躍の場は少なく、すこし淋しい限り。


    具体的な整理術として三つ、1・空間の整理、2・情報の整理、3・思考の整理があります。まあ、このブログを書き続けて5563日、なんと15年もコツコツと書き続けてきました。それをするのに、この三つの整理術は上手に使っているような気がします。


    この整理術、もう少し詳しく書いておきます。


    1・空間の整理術
    ・定期的にアップデートする→モノを増やさないため
    ・モノの定位置を決め、使用後はすぐに戻す→作業環境をすっきりさせるため
    ・フレームを決めてフォーマットを統一する→わかりやすく分類するため


    2・情報の整理術
    ・視点を引いて客観視してみる
    ・自分の思い込みをまず捨てる
    ・視点を転換し、多面的に見てみる


    3・思考の整理術
    ・自分や相手の考えを言語化してみる
    ・仮説を立てて、恐れず相手にぶっつけてみる
    ・他人事を自分事にして考える


    何ごとにおいて、整理整頓は大事ですな。

  •  ついつい「整理術」という単語に引き寄せられて本を手に取ってしまう。佐藤可士和という第一線で活躍されている人が提唱する「整理術」に興味があり読んだ。
     この本のテーマは「より良い良い仕事をするためには?」だと思う。このテーマに対して、空間、情報、思考それぞれの整理の仕方を提示して実践する事で問題を解決しようとしている。
     著者は世界的に著名なアートディレクターで代表作は、ユニクロや国立新美術館のサイン計画、今治タオルのブランディングなど。日本人なら必ず佐藤さんの生み出したものを見た事があるはず。

     この本は自他ともに認める整理好きの著者がケーススタディを元に、自身が築き上げてきた整理術を説明している。

     私は学生時代、コンセプトを書く事がものすごく苦手でいつも泣きそうになりながら文章を捻り出し、結局酷評をもらっていた。よくよく振り返ってみると今までは空間の整理や情報の整理はなんとなくできていたが、思考については整理しようとも考えたがなかった。自分の考えている事をイマイチ理解していないのに、他人に理解してもらえるはずがないし、問題の本質を理解できていない可能性も十分ある。
     デザインや企画をするような仕事はしていないが、超整理術は今の仕事でも活かせる。上司や協力会社の人に自分の意見や提案をする時にまずは思考を整理してから問題解決をしようと思った。
     佐藤さんがキャリアの中で築き上げてきた超整理術はよくある空間の整理だけでなく、より質が良く、効率の良い仕事をするために生み出されたもの。優れた視点で対象を整理すれば、解決に向けての方向が明確になる(p.218)商品の本質をきっちり捉えて効果的に表現してこそ心に残るものを作る事ができる(p.33)

  • デザイナーの仕事に整理術は直結している。いい仕事に整理術は欠かせない。整理を徹底する事で判断力は研ぎ澄まされる。
    今をときめくデザイナー佐藤氏の頭の中を覗ける本。以前はいろいろ持ち歩いていたが、今は手ぶらになったという下りは何度も読み返してしまった。
    考え方を取り入れたら、自分も確かにほぼ手ぶらになってしまった。驚き。。。

  • ぐちゃぐちゃな机や部屋などの「空間」も
    あふれかえった「情報」も
    曖昧であやふやな自己の「思考」も
    大切なのは、整理すること。

    ゼロの状態から何かを生み出すのではなく、
    目の前の対象から本質を抽出して、
    必要なもの、伝えたいことを残していく
    引き算の整理術。

    部屋の整理だけではなく、
    日常の様々なことに応用が利きそうな考え方。

  • 本書を読んで驚いたのは、空間の整理法と情報・思考の整理法が同一線上にあるということだ。普段から身の回りの空間をきちんと整理し、それを身体で覚えることが、情報・思考の整理にもつながるということ。これは非常に大きな示唆だ。

  • ユニクロなどのデザインで有名な佐藤可士和さんの本。

    整理のプロセスとしては、情報が見えない状態を見えるようにし情報を並び替える。その次にプライオリティーをつけ因果関係を明確にして本質を見つける。そして最後に本質に対して課題を設定する。このような順番が重要である。

  • 空間の整理術、情報の整理術、思考の整理術

  • 以前から気になっていた整理術の単行本を入手して読みました。
      「佐藤可士和の超整理術」佐藤可士和(著)、日本経済新聞出版社
     整理術で述べられている、身近なカバンの中身の整理に興味を持ったからです。

     著者は手ぶらで歩けるところまで整理しています。
    私は、そこまでできなくても毎日・毎回使わないものは出してしまいました。
    増えるばかりの店のポイントカードは必要最小限に絞りました。時々必要かどうか確認します。
    カバンの中身は減らせないか頻繁に確認するようにしています。
    このように習慣化すると、余計なものを入れないようになるようです。
    それから、最も気にかけるのは財布のスリム化です。
    頻繁に使用するキャッシュカード、クレジットカードとお金だけを入れるようにしています。

     本書では、「空間」「情報」「思考」の整理術について示し、徹底したスリム化によりアイデアが導き出される過程が述べられています。
     整理術の実践者のため、文書・構成もシンプルで読みやすいです。

     つい何でも”ごちゃごちゃ”してしまう・させてしまう私には、とても参考になりました。
    【目次】
    まえがき
    1章 問題解決のための“超”整理術 
     いい仕事に、整理術は欠かせない
     アートディレクター=ドクター
     大切なのは、相手の思いを整理すること
     本質を捉えなければ、いい結果は生み出せない
     整理術は、仕事も生活も劇的に変える!
    2章 すべては整理から始まる
     問題の本質が見えないまま、対処していないか
     プロセスに沿って、整理術を確実に身につける
     空間から思考まで、目指すは3レベルのクリア
    3章 レベル1「空間」の整理術 ――プライオリティをつける
     空間の整理の目的は、快適な仕事環境を作ること
     まずは、身近なカバンの中身の整理から
     “捨てる”勇気が、価値観を研ぎ澄ます
     デスク周りの最適環境を作る
     バーチャル空間も、シンプル・イズ・ベスト  他
    4章 レベル2「情報」の整理術 ――独自の視点を導入する
     問題の本質に迫るため、情報に視点を持ち込む
     視点導入の最終目標は、ビジョンを導き出すこと
     自分なりの視点を見つけるには
     視点の転換で導き出した、明治学院大学のビジョン
     暗号解読のように組み立てた、国立新美術館のシンボル  他
    5章 レベル3「思考」の整理術 ――思考を情報化する
     思考を情報化すれば、コミュニケーションの精度が上がる
     自己の無意識を意識化した、ドコモの携帯電話
     自分との接点を見出した、地域産業のブランディング
     本質を研ぎ澄ました、ユニクロの“あるべき姿”
     無意識に深く踏み込んだ、ファーストリテイリングのCI  他
    6章 整理術は、新しいアイデアの扉を開く
     最大のポイントは、視点を見つけること
     目的を持てば、テクニックも生きてくる
     答えは必ず、目の前にある!
    あとがき
    ※本レビューはブログより。読了日はブログの更新日とした。
    https://way-to-wealth.at.webry.info/201112/article_1.html

    ※2011.12.11売却済み

  • 仕事の整理術、ノウハウ本。
    本の内容は判りやすいが、実践できるかどうかはその人次第かも。

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著者プロフィール

■佐藤 可士和(サトウ カシワ)
クリエイティブディレクター。博報堂を経て「SAMURAI」設立。
主な仕事に国立新美術館のシンボルマークデザイン、ユニクロ、楽天グループのブランドクリエイティブディレクション、「カップヌードルミュージアム」「ふじようちえん」のトータルプロデュースなど。
近年は武田グローバル本社、日清食品関西新工場など大規模な空間デザインプロジェクトにも多く従事。
文化庁文化交流使(2016年度)、慶應義塾大学特別招聘教授(2012-2020年)毎日デザイン賞ほか多数受賞。
2021 年春に国立新美術館で「佐藤可士和展」を開催予定。

「2021年 『佐藤可士和の対話ノート』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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