気候文明史: 世界を変えた8万年の攻防

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532167318

作品紹介・あらすじ

地球温暖化は人類の長い歴史の一こまに過ぎない。8万年にわたる寒冷化と温暖化の気候変化と人類は格闘してきたのだ。人類誕生、古代から中世、近世、21世紀まで、気候変化が世界の歴史をどう変えたのかを克明に解説。

感想・レビュー・書評

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  • 岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
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    テーマ13 気候変動に具体的な対策を

    地球温暖化は人類の長い歴史の一こまに過ぎない。8万年にわたる寒冷化と温暖化の気候変化と人類は格闘してきたのである。氷河期、人類誕生から21世紀まで気候変化が人類の歴史をどう変えたのかを解明する文明史。(出版社HPより)

  • 流し読み。特に日本に関係する部分を。

    今も生きるどこかの狩猟民族が、農耕の必要性をなんら感じていない、むしろめんどくさくてやる意味がわからん、みたいな話がおもしろい。

    フランス革命がなぜあのタイミングでおきたか?それはそこまでに続く冷害と飢饉の中で人々がほんとうに飢えていたから、とか。

    気候が歴史に関係する、という観点はおもしろい。人が歴史を作るけれど、その人の感情は気候が作っている。

  • 請求記号 451.8/Ta 86

  • 数年前から関東周辺への台風の被害が多いなと思い手に取った一冊。 
    気候の変動が人類の文明にいかに影響を及ぼしたのかを様々な事例とデータを元に詳しく解説をしています。 
    過去には、現在よりも気温が高い時期もあり、今騒がれている温暖化問題も地球の歴史から見たら、単に繰り返されているサイクルのひとつなんじゃないかとふと思う。 
    気候変動を起こす要因は、
    ・地球表面の海陸の変化:大陸の移動、造山運動、深層海流 
    ・地球の軌道パラメータの変化:公転軌道(離心率)、地軸の傾斜、歳差運動 
    ・太陽活動(太陽放射)の変化 
    ・火山活動 
    ・大気中の温室効果ガスの変化 があげられる。 
    著者の話では、二酸化炭素の濃度は、過去60万年のサイクルを遙かに超えているそう。やはり、急激な気象の変化が起こるかもしれないリスクは避けられそうもない。 
    今後の気候変動に対する人類の適応力に期待したい。 
    好奇心を刺激する一冊でした。  

  • 論旨が一方的で名著とは言えまいが情報量は多い。アイソトープ分析などで「古気象学」というような一分野が開拓され今後歴史学に応用が期待される。フランス革命が異常な寒冷の結果は有名。たとえば鎌倉幕府の成立も西日本の気象異変に対し温暖化した東日本の優位という具合に説く。大湿地帯だった関東平野を開墾した農業技術や、自前の軍事力不足の朝廷の政治的怠慢は枝葉か?すると鎌倉仏教の元祖のうち唯一東国出身である日蓮の出現も気象の結果か?不凍港がほぼ無いロシアは北方領土を返還するはずはない。温暖化人口増加で大虐殺と食糧危機は?

  • 以前から気になってはいたが、やはり面白かった。
    気候だけの要因では無いにしても、地球の環境が文明に与える影響は想像以上に大きい事には驚いた。ジャレド?ダイアモンドの『銃?鉄?病原菌』、『文明崩壊』で語られていた文明の発展?衰退における気候の影響をより詳細に解説している内容だったと思う。
    確認はしていないが、人類の文明史を研究しようとする場合、参考資料があまり多く無いのだと思う。自然に一方を読んでおくと相互関係で楽しめる内容だった。
    [more]
    著者が日本人だから章ごとに当時の日本の気候について解説されている事は楽しめた。
    気候によって変化する農業生産力が日本の統治者の交代等に影響を与えていたかもしれないという部分は地球の自然環境の凄さを感じさせてくれたな。

  • 出アフリカの頃の話をもっと知りたい。
    現生人類は一度、2000~10000人程度まで減少した。7万年前の人たちは、どうやって服を着ることを思いついたんだろう。

  • 気候と歴史の出来事とのこじつけにはやや違和感が感じられる箇所がいくつかあったものの、多岐な分野の代表的な研究成果に目を通されていて、とてもいい内容になっていると思います
    巻末の参考文献や引用元も、一般向けに日本人が書いたものにしては珍しく多く、あまたの書きなぐりのゴミ本に比べるととても好感が持てます

  • 「もし気候の変化が歴史時代に発生したとすれば、必ずや人類に影響を与えたに相違ない。・・・歴史的事件と気候の変化との間における密接な関係は想像以上に重大なのであって、往昔の幾多の大民族の興亡は、その気候的条件の良否に正比例しているようである。」(エルズワース・ハンチントン『気候と文明』)氏の研究そのものは、差別主義的であったり、唯物論的であったりと、今日日批判されることの方が多い。しかし、その気候と人類史の関係を照らす予言は、放射性炭素による年代測定、海底堆積物、各地氷床による古気候分析の飛躍的進歩相まって、いよいよ多くの議論と、考察を育むに至っている。現世人類の出アフリカから、およそ8万年、実はそれ以前(12万年前)にも出エジプトした人類のあったが、こちらはやがてすぐに滅びたという。では、いったい何故、現世人類は地球上に今日の生活圏を広げることができたのか。また、その生活圏にあって、民族の大移動や、帝国、大国、文明の栄枯盛衰は気候の変化といかにしてあったのか。最新の調査、研究結果が浮かび上がらせる、気候変動と歴史振動の興味深い同調。さても、こうしてみれば、今日声高に叫ばれる地球温暖化も、人類の長い歴史の一コマに過ぎない。むしろ、自分たちは「気候の安定した歴史上極めてまれな住みやすい時代にいることがわかる」。ただし、「過去において気候は緩やかに変化したことなどない。地球の気候は、つねにある状態から別のところに一気に変わってきた」、そのこともまた事実である。おそらく地球温暖化による気候変動は今後ますます加速するだろう。はたして、それが自分たちの生活、社会、精神をどのように変えていくのか、その対応対策も含めて大いに考えさせられる一冊。巻末解説も丁寧で、是非とも多くの人に読んでもらいたい。

  • 腰を据えて読みたい めくった限りどこ読んでも面白い

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著者プロフィール

気象予報士、日本気象予報士会東京支部長
1959年神奈川県生まれ。81年横浜国立大学経済学部卒。

「2021年 『気候で読み解く人物列伝 日本史編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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