ヘミングウェイの流儀

  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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本棚登録 : 140
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532167349

作品紹介・あらすじ

ヘミングウェイの小説にはさまざまな"モノ"が描かれている。一方、米ボストンのJFKライブラリーには、ヘミングウェイのさまざまな身の回り品が収蔵され、買い物の領収書や注文書なども保管されている。それらの"モノ"を照合させ、また見比べながら、ヘミングウェイという20世紀に生きたひとりの作家の実像を明らかにする。

感想・レビュー・書評

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  • ノーベル賞作家・ヘミングウェイのライフスタイルを紹介した本。
    ヘミングウェイは中学生の頃に読んだ「老人と海」が大変印象に残っている。中学生の読書感想文の定番で、この小説に出ている老人の姿と、ヘミングウェイの姿が被って見えたものでした。彼のライフスタイルは、自然をこよなく愛し、身の周りのものには無頓着なマッチョなイメージだったが、実はモノへの拘りが強い都会的な人物でもあったようだ。この本では数多くの遺品と、それに纏わるエピソードを彼の人生と照らし合わせて紹介している。
    服や身の周りの小物についての記述が大半を占めるが、本好きの自分としては彼の本棚が気になった。
    彼の蔵書は約9000冊あり、特に評価している作家はマーク・トゥエイン。「ハックルベリー・フィンの冒険」はアメリカ近代文学の原点で、最高傑作と見なしている。アメリカの口語文で書かれた最初の作品で、この小説の近代性を評価していた。書物への言及はほとんど無く、表向きは無関心を装っていたヘミングウェイだが、実は大変な読書家であったようだ。
    とにかく、趣味の道具や旅行グッズなどの領収書、請求書、船の売買契約書、小切手や知人の手紙など細かな書類も遺品として残されている。(愛好していたのは、アバクロンビー&フィッチ)
    外見に似合わず、実はかなり几帳面な性格だったようです。本文にある多くの写真を参考にヘミングウェイの流儀に従って、自分のライフスタイルを見直してみるのも良いかもしれない。

  • w

  • まだ読んでいないんだけど、この本はすごく興味がある。
    今、最も読みたい本だ。

    実はヘミングウェイの本はまだ読んだことがない。
    だけど、今朝、急にヘミングウェイが読みたくなった。
    彼の生き方に非常に興味がある。
    行動しながら書いた作家というところにも興味がある。
    冒険や旅行、キューバ、釣り、猫。。。。

    ヘミングウェイが物に拘らなかったというのは私も嘘だと思う。
    作家というものは、自分の言葉に細部まで気を配る人種だと思う。物にもそれ相応の拘りがあったに違いない。

    持ち物も文体と同じように、シンプルで野性的で尚かつ洗練されていたに違いない。

    それにしても表紙の写真が素敵すぎるじゃないか!



    2013/8/8 読後

    ヘミングウエイは実用的で長く愛用できるものを選ぶ

    身につけているのは、いずれも高級品ではないが流行廃りに左右されない着心地の良さそうなものばかり。
    実用的でベーシックなものを長く愛用するというのは、ヘミングウェイが生涯貫いた服飾にかんしての流儀であった。

    キューバのグアヤベラシャツ
    ジャックパーセルのスニーカー
    モレスキンの手帳
    パーカーの万年筆
    ルイ・ヴィトンのトランク
    マリンボーダーのシャツ
    エスパドリーユ
    ロレックス(バブルバック)
    ブルックス・ブラザーズ etc...

    「人生ではほんのいくつかのものに愛着をもつだけでいい』

  • ヘミングウェイに関する評論関係を見かけると、学生時代を思い出してついつい棚に手が伸びる。ちょっと迷って結局購入。写真やヘミングウェイにまつわるエピソード満載で楽しく読めました。

  • 自分は服やモノにそれほど執着しないほうですが、ヘミングウェイみたいにこだわりまくっている人ってなぜかすごく魅力的に見えますよね…!

  • 一見身だしなみに無頓着そうな文豪には、意外なモノへの偏愛が。

    帽子上手にヨコシマ服好き、あのアバクロもブルックスブラザーズも着こなすお洒落な若かりしヘミングウェイ。色々なお酒がつめられたフラスコ、戦争で自分を傷つけた弾丸の破片はお守りに?「真の小説は自らの体験から生まれる」と語ったヘミングウェイの“新しい一面”をどうぞ。

  • ヘミングウェイのファッションの話が中心だった。

  • 2010/9/28大学図書館で借りる

  • 1899年生まれのヘミングウェイは、やはり只者ではありません。この時代から、先端をいっていたのでしょう。よく考えてみたら、氏の作品は「老人と海」しか多分読んでいないことに気付きました。

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著者プロフィール

一九四三年静岡県富士市生まれ。ニューヨーク州立大学大学院博士課程修了。東京女子大学名誉教授。専門は現代アメリカ文学。主な著書は『現代アメリカ文学 青春の軌跡』(研究社)。『ヘミングウェイと猫と女たち』(新潮社)、『ヘミングウェイの言葉』(新潮社)、『「キリマンジャロの雪」を夢見て』(柏艪社)、『スペイン紀行 ヘミングウェイとともに内戦の跡を辿る』(柏艪社)、『ヘミングウェイのパリ・ガイド』(小学館)、『ヘミングウェイ 人と文学』(東京女子大学)、『ヘミングウェイの流儀』(共著、日本経済新聞出版社)、『お洒落名人 ヘミングウェイの流儀』(共著、新潮社)、『ヘミングウェイとパウンドのヴェネツィア』(共著、彩流社)など。『ヘミングウェイ大辞典』(監修、勉誠出版)、訳書にレイモンド・フェダマン『嫌ならやめとけ』(水声社)、レイモンド・フェダマン『ワシントン広場で微笑んで ある愛の物語』(本の友社)。日本ヘミングウェイ協会顧問。日本におけるヘミングウェイ研究の第一人者である。

「2022年 『新訳 老人と海』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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