あなたが裁く!「罪と罰」から「1Q84」まで: 名作で学ぶ裁判

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
3.48
  • (1)
  • (12)
  • (8)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 81
感想 : 16
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532167653

作品紹介・あらすじ

死刑台のエレベーター=ジュリアン、異邦人=ムルソー、模倣犯=ピース、悪人=清水祐一、1Q84=青豆・・・本当に裁判にかけたら、死刑か無罪か、懲役何年が相当か?前裁判官がリアルに指南。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 法廷モノ、文学のパロディ…だとしたら楽しめる!
    「罪と罰」「アメリカの悲劇」映画も「激突」そして「1Q84]まで。
    裁判にしたらコレコレこういう罪状でという構成。
    なかなか面白いのですが、文学をもっと語っていただきたかった。
    映画の方が多いのでは?先出の「激突」や「ウエストサイド」とかは分りますが、分らないものが多くて。世界の文学もイマイチ少ない、残念。

  • 文学に法律相談所みたいな痴話話感はナンセンスでしょとも思うけど、まあこれはこういうものとして、というかそもそもそういう本ですしね。面白い人には面白いと思います。

  • 面白かった。常識として知っておくべき知識かも。

  • 憲法すらロクに把握していない司法オンチなので、情状酌量とか、どういうときに罪が重くなるかor軽くなるか、みたいなことをライトに知るために読みました。

    読み物なので、完全に気楽に読めます。
    面白いです。
    名作に出てくるあらゆる殺人を取り上げて、この場合はどの程度の刑になるのかを解説しております。
    こういったものはしばしば「興ざめ」などという非難を浴びがちですが、それも痛快に読むことができる構成になっております。

  • 本当に裁判にかけたら、死刑か無罪か、懲役何年が相当か?裁判官を勤めた後、弁護士をしている著者がするどくいろいろな作品を裁いていきます!「ウエストサイド物語」や、東野圭吾「容疑者Xの献身」、村上春樹「1Q84」などまでいろいろあっておもしろいです。

  • 「現状の日本で」裁判が行われたとしたらどうなり得るのか,ということを手っ取り早く教えようとするもの。

    論理に飛躍があるところもあるが,類型的にそういう処理がなされることが多いから,紙幅との関係上,そこで記述をとどめたってところでしょう。

    とりあえず妻に貸してみたw
    読後の反応やいかに・・・。

  • 元裁判官の弁護士が、ミステリや文学作品(全24作品)に描かれた殺人事件とその犯人に下された判決を題材に、現在の日本の裁判であればどうなるかをかを論じた、気楽に読める"刑事裁判エンターテインメント"です。死刑の是非、量刑の基準、証拠や自白の評価、刑事裁判の仕組みなどが自然に頭に入る、よく工夫された本です。素人が裁判(とくに死刑)について考えるための考え方の提示に徹して自分の主張は抑えた執筆姿勢、ツボを押さえた作品紹介の巧みさなど、なかなかの仕上がりで好感が持てました。

    収録されている作品は、ウエスト・サイド物語、罪と罰、太陽がいっぱい、激突!、赤と黒、羊たちの沈黙、第三の男、悪人、灰とダイヤモンド、凱旋門、郵便配達は二度ベルを鳴らす、逃亡者、容疑者Xの献身、模倣犯、死刑台のエレベーター、異邦人、1Q84など。

    1人殺害では原則的に死刑にならない
    2人殺害では死刑になるかならないかはケースバイケース
    死刑になるのは3人以上殺した場合

    という成人の死刑基準は、個人的にはいかがなものかと思います。個人的には、人を殺せば命をもって償わさせるのが基本で、そこに情状酌量などのサジ加減をほどこすべきではないかと。

    ひとつだけ難を言えば、本の中で他の箇所を参照させる際の箇所指定は端的にページ数でやってほしかった。目的の箇所を見つけるのに難儀しました。

  • 殺人刑罰基準
     1人  無期懲役
     2人  無期または死刑
     3人  死刑

  • 東大卒の元裁判官で現在弁護士の書いた名作で学ぶ裁判。
    名作のさまざまなパターンの事件をニホンの刑法からみた罪の重さや裁判について描いている。
    『罪と罰』のラスコーリニコフの流刑は軽すぎるとか、『羊たちの沈黙』のレクター博士の責任能力のことなど面白く読んだ。

  • 順番に読んでいくと裁判の基本からスムースに分かるようなつくり。飛ばし読みして申し訳ない…

    原作のまとめ方も分かりやすい。

    「ふつうの殺人」の定義とか、説明も平易。

    「ワイルドシングス」はどうなるんだろ…。

全16件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1959年東京都生まれ。東京大学法学部卒。東京地裁、大阪地裁などの裁判官を務め、現在は弁護士として活動。裁判官時代には、官民交流で、最高裁から民間企業に派遣され、1年間、三井住友海上火災保険に出向勤務した。著書に『司法殺人』(講談社)、『死刑と正義』(講談社現代新書)、『司法権力の内幕』(ちくま新書)、『教養としての冤罪論』(岩波書店)ほかがある。

「2015年 『虚構の法治国家』 で使われていた紹介文から引用しています。」

森炎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×