- Amazon.co.jp ・本 (339ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532170875
作品紹介・あらすじ
「本作り」を目指して会社を辞めた書店アルバイト(『私の人生は56億7000万年』)。地元大阪の実家で暮らす電機設備会社社員(『ハワイへ行きたい』)。友人の夢に乗りアジアに旅立つファッションビル営業職(『絵葉書』)。小三の男の子が家に遊びに来る老舗企業の一般事務職(『ひばな。はなび。』)。妻子あるエグゼクティブと関係を続ける財閥系企業秘書(『雪の夜のビターココア』)。主婦を夢見る中途採用の同族経営会社社長秘書(『クーデター、やってみないか?』)。猫とふたり暮らしのデパート園芸売り場店員(『パキラのコップ』)。IT企業サポートセンター勤務の派遣社員(『憧憬☆カトマンズ』)。29歳独身女性8人の"等身大"の物語。
感想・レビュー・書評
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どストレートなタイトルに圧倒されてふらふらと手に取った1冊。
去年の誕生日、祝ってくれた先輩から「ニヤニヤ過ごす1年」という言葉をもらった。
その言葉通りニヤニヤ過ごしてきたし、あと数ヶ月ニヤニヤ過ごすつもりだけど、ずっとニヤニヤしてるわけにはいかないかも?
というか、どうすれば年相応なのか誰か教えてください。
祈るような気持ちで読んだけれど、ちょっとだけ突き放された気分。
悩んでもがいて落ち込んで、折れそうになりながら踏ん張ってる女性に「甘えるんじゃない」と言われたような。
はい。すみません…。
いろいろ悩みもあるけど、全然成長出来てないけど、自分のペースでしか進めない。
もう開き直って死ぬまでニヤニヤしてやろうと思う。
突き放してくれたこの本に感謝。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
推し作家のナオコーラさんが頭に並ぶアンソロジー。
29歳というタイトルがあるように、29歳の主人公たちを描いた作品集。
読了から時間が経ってしまい記憶が薄れているけれど、後半は不倫の話ばかりで世の29歳女性はそんなに不倫しとるんか?となった。
恋も仕事も頑張るぞ★ あーん、助けて友達~!みたいなのも多かった記憶。
社会人しながら、みんなそんなに友達との時間割けてるのか?
この何年かは、年2回くらいしか会えていないので、とても羨ましい…。
1番好きだったのは,中村紀さんの絵葉書。不思議で幻想的な世界と、海外で働き始める、とかギリ20代だからチャレンジングしやすそうで良かった。
肩の力を抜けて読めて楽しめたのは、宮木あや子さんの憧憬☆カトマンズ。
他の作品も読もうと思えるのでアンソロジーは楽しい。
(逆に苦手な作家さんも混ざっていたりするけど…。前半面白くて好きになりかけたので、性描写が稚拙すぎてダメだったのがあってしんどかった…。)
P. 47 私の人生は56億7000万年 山崎ナオコーラ
本が好き。「好きだー。好きだー」と思いながら見つめると、文字というものに対して、永遠に残って欲しい、という願いが生まれる。しかし、そうはいかない。本は死ぬ。本を触った人も、本を読んだ人も、いつかはいなくなる。なくならないものはない。無限の存在にはなれないし、エタニティなるものは作れない。でも生き続けるし、作り続ける。 -
一人くらい結婚しててよと思った(笑)みんな仕事頑張ってて、ちょっと羨ましくなった。この本で初めて読んだ作家さんもいたので、他の本も読んでみたいと思えた。
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後半に不倫話が連チャンするけど、責任取るとかそういうのがなかったので軽かったな。どれも読みやすかった。
短編なので仕方ないが「ここで終わるんかーい」とすかん食らった話も何本か。
ちゃんと読んだことのある作家はいないんだけど、こんな女性作家たちがひねくれた女たちの物語を支えているのか、と知ることができてよかった。作家それぞれの個性が見えづらかったかな。
独身女が読者対象なのはわかるんだけど、既婚者の29歳の話があってもよかったのでは。ひとつくらい読んでみたかったかも。
野中柊「ひばな。はなび。」が個人的に好き。
宮木あや子には笑った。軽妙。 -
なんでこんな不倫率高い話ばっかなんだ。笑
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2015.8.23 読了
8人の作家さんの短編集です。
ちょいちょい 知ってる作家さんがいて、
興味もったので。
以前一度読んで、
1冊ものなら 読まないだろうな、という印象を
持ってしまったような作家さんもあり、
読んでみたら 意外と面白く
逆に また 他の 借りてみようかな、と
思いました!
この本は、全員が 29歳、
いろいろギリギリの女の子が
主役の話ばかりです。
それぞれ この頃って こんなだったかなぁとか
これくらいの年頃は こんな感じの話が
多くなりがちかなぁとか 思いながら
読めました。
やっぱり 宮木あや子さんは 面白い! -
29歳ってやっぱり何か節目
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本が好きで「出版の学校」に通いながら書店でアルバイトをする
「私の人生は56億7000万年」/山崎ナオコーラ
周りで結婚・妊娠が相次ぐ中事務をしながら遠恋中の彼氏を思う
「ハワイへ行きたい」/柴崎友香
タイでカフェをやろうと友達に誘われ雲南で出会ったカフェを思い浮かべる
「絵葉書」/中上紀
ボストンへの転勤が理由で別れた元彼が帰ってくる
「ひばな。はなび。」/野中柊
不倫の関係に納得していながらもジムで知り合った男とも逢瀬を重ねる
「雪の夜のビターココア」/宇佐美游
結婚相手を探して入った会社で専務から頼みがあると食事に誘われる
「クーデター、やってみないか?」/栗田有起
デパートの花屋でパキラを買った男性と恋仲になる
「パキラのコップ」/柳美里
PCメーカーのサポートセンターに派遣で務め、不倫をしつつ新配属の男とも仲良くなる
「憧憬☆カトマンズ」/宮木あや子
「日経ウーマン」に連載された29歳の女性の生活を綴った短編集。
ブックデザイン:名久井直子 カバーイラスト:片山エリ
働く未婚の29歳がこれからの自分について漠然とした不安と期待を持ちながら
日々を過ごしていく小説集です。
不倫の多いこと。いい男はみんな結婚しているからって
そんなことは理由にならないですよね。
理性でわかっていても好きになればしょうがないのかもしれませんが。
物語の中だから普通に受け止められるけれど
もし身の回りのことだったらと思うとやっぱり否定的になります。
そして「日経ウーマン」読者はこれを読んで共感するのだろうか。
面白かったのは専務から社長のリコールを持ちかけられる
「クーデター、やってみないか?」と
待遇が悪くなるからと正社員になるのを断り続けている
「憧憬☆カトマンズ」。
「クーデター、やってみないか?」は
腰掛で入った主人公がいきなり熱心になるわけでもなく
結婚相手探しの延長というスタンスを崩さないところに現実味がもてる。
ただそういう人材をクーデターの仲間に引き入れた専務の目が
果たして正しいのかどうかは疑問です。
「憧憬☆カトマンズ」は『野良女』のあけすけ感を抑えた感じ。
就職氷河期世代というのもあって執着が少なく、
こういう風に自分の立場を客観的に見られたら人生観変わりそう。