薄暮

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著者 : 篠田節子
  • 日本経済新聞出版社 (2009年7月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532170936

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薄暮の感想・レビュー・書評

  • 篠田節子の もつ 身体の中のうごめきが
    なんともいえず ざわざわ した心のざわめきが
    うっとうしくもあり 同時に 人間って こんな風なんだろうな
    と 妙に 説得力があり おどろきました。

    『さが』 といえば 『さが』 なんですが、
    一言でいえない 奥行きのあるものでした。

    主人公は 宮嶋智子。
    閉じられた画家を 献身的に支え
    実家を飛び出し・・・郷里を捨てて
    天才的な 画家を ささえた。
    純愛のように思えたが・・・
    天才でも オトコであり・・・
    そして 悩み 惑うのである。
    裏切られても・・・ただひたすらに 献身をする。
    そうすればするほど 逃げていく。

    タライの水を 引き寄せるには 引っ張ることではなく
    押すことだということが わからない 智子。
    どんどんと 自分を正当化させるための物語を紡ぐ。

    しだいに 智子の虚構の物語 が崩れ去っていく
    天才が 死んでしまったがゆえに
    過去が 自分のものにできる。

    そこまで 突き詰める 篠田節子の 筆力は
    なんともいえないほど 執拗だ。

    主人公の 智子の執拗さに比べれば
    篠田節子の執拗さが 勝っているという
    恐ろしい物語である。

    でも 地元というものは ありがたいものである。
    郷土愛 という屈折した 愛が さまざまな形で噴出する。
    厳しい季節を おくらざるを得ない 切々たる思い。

    それが おカネになると・・・人々は ばらばらになっていく。

    もう一人の主人公 乳母像のモデルは 
    じっと時間をやり過ごす。

  • 一人の画家を巡る話。

    ダラダラとした展開で、途中飽きてしまったけど、
    この人が書く絵の描写はやはりすごいと思った。


    (図書館)

  • 人気エッセイストの文章から地方に埋もれた1人の物故画家に光が当たる。美術畑から女性雑誌に配置換えされた編集者の目をとおして見たその妻、地域の人々、周辺に出没する美術商などを描く。

    自分の前で描かれなかった絵を「贋作」と言い切る妻の妄執が哀れ。
    自分の依って立つものにとらわれすぎた結果だろう。

    ミステリー的要素もあった

  • 亡くなってから、突如脚光を浴びたある地方画家とその作品。なんとか世に知ってもらいたいという純粋な気持ちあり、それだけでは済まない利害関係あり。ミステリー的な要素もあり引き込まれる展開。
    芸術の価値とは?誰がその価値を決めるのか?そんなことを考えさせられるので一冊。

  • 深い小説です。地方の人に支えられて生きた売れない画家の絵が、たまたま雑誌に紹介されたことによって、どんどんと高値のつく絵になっていくストリー。純粋にこの画家の絵をたくさんの人に知ってもらおうとする主人公と、亡き夫の絵を世に出したいと言いながら何かとダメ出しをする著作権を持った老妻、そして私利私欲が入る人たち。画家の絵を盛り立てようとすればするほど、ドロドロとした内情が見えてきます。若い頃、駆け落ちまでして一緒になった画家夫婦。献身的に画家を支えた妻。その献身的な支えが画家にとって重荷だったのは皮肉。

  • 神鳥にも連なる絵との出会いから画家の人生を描いた内容。一人の芸術家の生き様を浮き彫りにする過程で周囲の人間達のドラマも丹念に拾い上げてる。読んで思うのは芸術とは何か、に尽きる。これは仮想儀礼の読後に宗教とはと感じた疑問にも通じる。篠田節子はある既存の価値観に対して挑戦するのが好きなように思える。

  • 亡き地方画家とその妻をめぐり、画家を世に知らしめようとする出版社員、地域おこしを目指す人々、画商の思惑など、複雑に絡み合って、読み応え十分。さすが。

  • 地方に埋もれていた画家の家族と地域の人達の話。
    雑誌編集者が、雑誌に掲載した画家の絵の話題が出てくる随筆への反応で、画集の作成を企画する。

    画家の配偶者が、画家を支え、地域の人と対立する。
    地域の人の持っていた作品が、偽物だと断じる。

    暗躍する画商と、お寺の話がきなくさい。
    予想通り、画商の画策が表面化する。

    個々の展開は想定外だ。
    全体的には想定内だ。

    推理小説としては中途半端かもしれない。
    家族小説としては幸せな終わりを迎える。

    篠田節子の小説家と常識人としての均衡の取り方は面目躍如かもしれない。

    作家の家族に対する尊敬の示し方の技法を習得することができた。
    複雑度がちょうどよい加減で、苦労が報われるという話として美談だ。

    裏に現れる暗躍が、全体を破壊していないというのが出色。

  • 県立図書館より。
    まだ読み始めてない。


    初めの数ページを無理して読んでみた。
    どうにも話に入り込めない。
    平たく言ふと、面白くない。

    で、挫折。
    もう読まない。

  • 静かに淡々と長い小説。
    エキセントリックなまでの妻の愛情。
    いや、愛情と言うか、自分が絡んでいる(尽くしている)部分しか愛せてない気もした。
    篠田さん作品でなければ、ただ長いだけで退屈になったかもしれない作品。

  • 閉ざされた画家、宮嶋哲郎とその妻、智子。

    画家の残した絵を通して、宮嶋哲郎と智子の人生をたどっていくストーリーです。
    智子にとって人生というものは、哀しいものだったのか。それとも満足のいく作品をつくりあげたものだったのか。

  • 日経新聞に連載されていた新聞小説。
    手に取ったきっかけは著者のインタビュー記事を読んで。

    日経新聞の読者を対象とした結末だなと実感。

    二人の妻の対照的な行動にどちらも納得する。二人とも、専業主婦で(設定が昔なので珍しくはないが)夫に尽くしての果てが描かれている。

  • 結局なにを前面に押し出したかったのかわからなかった。幻の郷土画家とそれを取り巻く人々、ゴッホのそれのように故人の絵がその本人の支配を超えて、一人歩きするプロセスは興味深かったが。最終的にはその全ては新興宗教の布教をたくらむ宗派の仕掛けた企てだった、との結末は少々宗教を扱う篠田節もここにきて食傷気味になってしまった。

  • 作家と画家という違いはあるけれど、作品から個人の生き様を追いかけていく構成は、「第4の神話」を思い起こす。読み応えはあるのだけど、主人公に共感しにくい点も「第4の神話」と同じ。とはいえ、簡潔な文章とミステリー的な仕掛けに、ぐいぐい読まされた。

  • 篠田さんだけに、期待していたのであえて二つにしているんですが、普通の作家さんなら四つでもいい感じです。前半が少し長く感じました。主人公が病気であるということの必要性があまり感じられなかった。

  • 最初から最後まで、重かったな…。奥さんがコワかった。
    何読んでもわりと篠田節子はハズレがないと思う。


  • 東北の山里で無名のまま亡くなった天才画家。無名画家の世間デビューは村おこしにもなると観光課の女性職員は懸命になる。

    人気エッセイストのエッセイから、突然の人気がわき、元美術雑誌編集者の奔走で画集が出版されるが、その後は地元関係者や不審な画商などのさまざまな思惑による騒動が起きる。

    糟糠の妻は、自分が関与した絵以外、贋作であると主張する。その裏には夫婦愛とか絆などという美名ではなく、どろどろ・混沌とした情念が存在した。

    メディアにに取り上げられることで一躍価格が高騰し、善意の支援組織には亀裂が生じる。妻の著作権は真実よりも力がある。著作権法って法律の不可思議さを反目教師として知ることになった。

    命をかけて夫の名誉を守る妻の無意識にある自己保全と顕示欲がすさまじい。

    久しぶりに堪能した小説。

  • 狂気な愛情を持ち続ける、画家の妻。
    わたしならどうする!?

  • 篠田節子さんの作品はどれもテーマが興味深くておもしろい。

    薄暮も画家がらみの話で、人々の描写がものすごくよかった。

  • 人の心の機微を欠かせたらうまい。
    この人の作品は大体期待を裏切らない。

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薄暮の作品紹介

亡き画家は、夫である以前に彼女にとっての神なのかもしれない。田園を美しく輝かせる一瞬の光が、雪国に厳しい冬の訪れを告げる-。封印されていた一枚の絵が脚光を浴びた時、「閉じられた天才画家」は妻の元を離れ、郷土の人々の欲望と疑心がうごめき始める。著者の新境地を示す傑作長編。

薄暮はこんな本です

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