憧憬☆カトマンズ

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
3.94
  • (83)
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  • (1)
本棚登録 : 622
感想 : 155
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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532171070

作品紹介・あらすじ

ハケンと正社員、外見と内面、偶然と運命…?仕事に、恋に、世直しに、ゆれるワーキングガール必読。痛快、爽快、ウルトラハッピーストーリー。

感想・レビュー・書評

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  • アンソロジー「29歳」に収録されていた憧憬☆カトマンズ。
    ゆるくふざけた文体で小気味よく展開される物語がお気に入り…だったのだけど…

    長くなると、自分との「合わなさ」が露見したかな。
    恋愛の話(不倫の話)が多かったアンソロジーのなかで、喪女のふたりがふたりだけの世界を楽しんでる感じが良かったのだけど、脳膜☆サラマンダー、豪雪☆オシャマンベ…と展開していくたびに、あれ、意外とこの二人モテるんかいな…とか変な尺度で裏切られたり。

    あとがきには、「ウルトラハッピーエンドな話」を書きたかったと綴られていたけれど、「ウルトラハッピー感」をラストに感じるには助走が短すぎるし、30前後の女性読者をターゲットとしている割には、文脈を読む必要がないほどには文章が小中学生向けな気もするし、だけどダイレクトな下ネタが時々ぶっこまれるしで、誰に向けたものか、正直曖昧な気がしてしまった。

    あとは、10年以上前の出版ということで、当時は流行っていたのか?(どの層に?)というような、今となっては分からない言葉も結構出てきていて、物語を読むリズムが崩れたりして、うーんとなった。

    冒険してみたけど、エンタメ感が強く、純文学好きな私の好みではなかったようです…!

  • ★3.5

    外資系ITサポートセンターで働く29歳の派遣OL・後藤
    おバカ大学として有名なユーラシア大学からの親友・中尾
    中尾は派遣で働く内に、人当たりの良さで派遣会社の社員となる。
    二人は、飲み屋で本音トークを繰り広げる日々。
    自分探しなんてまっぴら、腹立つことや悔しいこともいっぱあるけど、
    私は、私できちんと生きてる!


    二人は就職氷河期をおバカ大学では就活しても無理だと
    新卒派遣社員となる。
    向上心はないけど、仕事に手は抜かず目一杯頑張る二人は
    社員へと誘われる。
    後藤は何度誘われても、自分の信念を曲げずに派遣のまま
    自分の信念をしっかり持ってて曲げない姿が凄いなぁ。

    二人の本音トークが本当に面白い!
    爆笑ガールズトーク
    本を読みながら声を出して笑ってしまう。

    女性なら誰でも色んな思いを抱えてる。
    辛い事・腹立つ事・きつい事・嫌な事・悔しい事・泣きたい事
    そんな事には、事欠かない。
    悩みは尽きないけれど、ウルトラハッピーに生きていきたい!
    この本を読むと、元気になれる。
    元気が出たーーーーーヾ(*´∀`*)ノ

    「あとがきという名のいいわけ」に書かれてる
    ウルトラハッピーエンドなお話
    確かに、リアリティには欠けるかもしれないけど
    とっても、元気を貰えた~(〃^ー^〃)

  • 暗い現実なんて吹き飛ばす、「ウルトラハッピーエンドな話」
    確かにこんなの、現実的にはアリエナイッティ!なんですが、小気味よく楽しく読ませてもらいました。
    主人公は29歳という、女性にとっては転換期となりやすい年齢。焦るよりは楽しく、恋に、仕事にひたむきな女性は、まさに日経ウーマンに連載されただけあって読者の心を掴むものでした。

    言葉遣いが結構チャラチャラしていて楽に読むことができるんですが、真面目に仕事に取り組む彼女たちは傍から見ていてカッコよくて。
    「採用段階でしょっぱなから低学歴なあたしら切り捨てておいて、社員が誰もやりたがらない仕事だけ低学歴の派遣に押し付けて、そんな派遣に会社に対する責任持てって、辞められたら困るって、ナニサマだよあんたら。勝手にこの子が育ったとでも思ってんのかよ、あたしがここまで使えるように育てたんだよ、派遣のあたしがね。」
    と、啖呵を切る場面なんて、痺れます。

    中高生の青春とは違った、大人の青春といったキラキラ感もまたすごくよかったです。
    確かにリアルな小説もいいけれど、せめて娯楽である小説くらい、キラキラした幸せ満載なものを見せてほしい。
    そういった意味で、手軽に気楽に楽しめる、1冊でした。

    あとがきでは、リアリティとかくそくらえ!なそこのあなた。ぜひとも既刊の「セレモニー黒真珠」および「野良女」と併せてこの本を3倍楽しんでください。と書かれていて、もともと気になっていたそちらの本を読むのがますます楽しみです。

  • 後藤ちゃんと中尾ちゃんのような、明るくサッパリてて、
    でも友達思いなすっ飛んだ、いい関係が素晴らしく羨ましい。
    こっちまで元気になっちゃう。
    パティちゃんのキャラクターも最高。
    ドラマにしたら面白いね。

  • 読んでハッピー、気分爽快。
    人生山あり谷あり、楽ありゃ苦もあるさ。

    カトマンズはアジアの山岳国ネパールの首都ですが、全く関係ありません。
    バカでお気楽、でも好きなものには貪欲で仕事も割り切って全力で取り組むアラサー女子、後藤ちゃんと中尾ちゃんの熱い友情と甘酸っぱい恋の物語。

    年下の彼氏かわいいなー。
    若い頃は大して興味なかったけど、もはや胸がときめく対象はほとんど年下だもんね。

    もっと彼らの友情と恋の話を読みたい気もするけど、何気にパティと力士・南国のパイナップル餡たい焼きラブストーリーもとても好きでした。
    ウルトラハッピーエンド万歳!

  • 先輩Iさんから拝借。
    私と違うジャンルの本を読むので、お借りするたび新鮮。

    で、今回の本。
    同年代の主人公たちが出てくるのですが力強すぎて…
    なんかごめんなさいって気分になりました。。。

    自分の立場を弁えている後藤ちゃんと、
    さらに上を目指そうと歩き出した中尾ちゃんと。
    バカだと自称してるふたり。
    そんなふたり(たち)の物語を読んで、分かったこと。

    社会に出て、本当に大切なことは、
    生きる力、生きていこうとする力。
    ふたり(たち)は、それが強いのだと思う。

    ああ、自分は足りてない。
    恥ずかしい。

    だから、私にはこの本、眩しすぎるのだ。

  • あはは・・(*^_^*)これはいい!中尾ちゃんと後藤ちゃんは29歳の独身女性。偏差値がとんでもなく低い大学出身ながら、仕事がデキちゃう彼女たち。派遣で高給を取り、恋だっていい感じ! 自分の持ち分を踏まえながら、楽しく生きようよ!と日々を送る中尾ちゃんと後藤ちゃん。
    いいなぁ、彼女たち、とても好きです。

    後藤ちゃんは、パソコンのメーカーのサポートセンターに勤務。
    基本的にかかってくる電話は苦情なのだけど、それにイチイチへこまない彼女の強さがいいんですよ。基本バカだと自称しつつも「右から左へ受け流す」能力に長けていて、そのサバサバ感には、読んでて元気が出るんですよ!(*^_^*)

    そして、学生時代からの友だち、中尾ちゃんは派遣会社の営業勤務。人を見るのが仕事なんだけど、やはり、自分のことを頭が悪いと思っているからこそ、の世間様(*^_^*)への対応がとても面白い。

    彼女たちはよく一緒に呑み、遊び、恋の話もする。
    学生時代はとことん遊んだ、という思いがあるから、自分の目の前の現実にないものねだりをしないで生きているところがさっぱりしていていいなぁ、ともね。

    中尾ちゃんの後輩社員の村内くん、お洋服が好きでアパレル業界にいたんだけど転職してきた彼なんだけど、その彼の着こなしの描写がとても楽しい。それに、「ゲイにしか見えない」ってよく意味がわからないけど(*^_^*) たぶん、とても綺麗な男の子、ということなんだろうね。
    そんな村内くんと中尾ちゃんが一緒に組んで仕事をして、それから・・・と、たっぷり楽しませてもらった。

    その他、後藤ちゃんの後輩の女の子、パティは実家がタイ焼き屋さんで、そこの常連さんであるサイパン出身の力士、南国と親しくなって・・。(*^_^*)
    ふわふわしているように見えて、「自分探しとか興味ありませんし、自分磨くならまず目の前の仕事の技を磨けと思っている26歳です」とさらっと思ってたりするところも好感度大でした。


    宮内さんって、こんな楽しいお話も書くんですね。
    あとがきで、友だちから「日常の中で何気ない幸せを見つけてしみじみハッピー」みたいな話じゃ満足できない、「ウルトラハッピーエンドな話」を読みたいんだ、と言われたことがこの小説を書くきっかけのように書かれてましたけど、うん、ホントに、己を知って普通に(*^_^*)努力してたらハッピーな日々が!という話で、嬉しかったです。「日経ウーマン」に連載されたそうだけど、これで元気出して働いてた女の人たち、いっぱいいたんじゃないかな。

  • 「あとがきという名のいいわけ」の中の言葉を借りれば、「現実味がないくらいハッピーな話」。ウルトラハッピーエンドなだけあって、読後はとっても明るい気分になりました。
    後藤ちゃん、中尾ちゃんのお話も良かったけど、私はパティのお話が一番ぶっ飛んでいて好きだなー。現実にはまず有り得ない展開&結末だけど、そこがいい(笑)。

  • 超バカ大学出身のスーパー派遣と周りの人々によるアリエナイ&ハッピーエンドな話。
    有り得ないからこそ読んだ後にスカッとする娯楽な本。

  • 文句なしに面白かった!
    けど、宮木先生の書く本は暗い話の方が好きなので、★4つ。
    面白さ的には★5つ!

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著者プロフィール

1976年神奈川県生まれ。2006年『花宵道中』で女による女のためのR-18文学賞の大賞と読者賞をW受賞しデビュー。『白蝶花』『雨の塔』『セレモニー黒真珠』『野良女』『校閲ガール』シリーズ等著書多数。

「2023年 『百合小説コレクション wiz』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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