空の拳

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (485ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532171155

作品紹介・あらすじ

たまたまジムにまぎれこんだ男が、練習して練習して練習しなければ強くなれない、金にもならず、命すら奪われかねない過酷な世界にのめり込む。人はおもしろい試合を見てしまうと、夢中に、暑苦しくならずにはいられない。そこは世のうつろいと無縁の時がとまった世界。まばゆい光の下で突き上げられた拳は、いったい何を掴むのか。たたみかけるようにパワフルに、ボクシングそのものを描ききった傑作長篇。

感想・レビュー・書評

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  • ボクシングなんて全く興味がない。テレビ中継だってほとんど見たことがない。角田さんの新作、ボクシングの話か・・・、気乗りしないけど角田さんだし一応押さえておこうかなとの思いで読み始めた。

    物語はボクシング雑誌に配属になった編集者、空也の目線で描かれる。
    不本意な配属先でやる気のない空也の態度にイライラ。ボクシング用語のわけわかんなさにまたもやイライラ。何だこの小説はと思いながらも我慢し読み続ける。

    しかし、しかーし!!
    中盤付近?いやもっと前か?
    空也の通うジムのスター選手タイガー立花の一戦一戦を読み進めるうちに、自分も空也と一緒にボクシングの魅力に徐々に徐々に取りつかびれているのがわかる。
    試合の描写も全くの素人から成長する空也とともにどんどんリアルに熱くなっていく。自分もリングサイドで観戦しているような錯覚に陥る。
    「いけー、タイガー!!休んでんじゃねー」って叫びたくなった。

    空也とタイガー立花のそれぞれの成長。それを取り巻く魅力的な人々。
    鹿野編集長、萬羽トレーナー、中神の母、それぞれのキャラがまたいいんだな。

    前半はあれほどうだうだ読んでたのに、後半はほぼ一気読み。
    読み終わる頃にはいっぱしのボクシング通になった気分。
    いや~、面白かった。興奮した。

    そういえば、角田さんボクシングやってるんだよな。だからか。
    満を持してってことだったのかな。
    角田光代の引き出しの多さに脱帽。文句なし☆5つです。

    • 円軌道の外さん

      こんにちは!
      いつもお気に入りポチやコメント
      ありがとうございます(^O^)

      角田さんの書く小説いいですよね。

      自分自身...

      こんにちは!
      いつもお気に入りポチやコメント
      ありがとうございます(^O^)

      角田さんの書く小説いいですよね。

      自分自身プロボクサーなので
      ボクシング雑誌で
      角田さんがジムに通ってる話を知って
      いつかボクシング小説を書いてくれるだろうと
      密かに期待してました(笑)。

      そしてここ最近
      ブクログで知り合った皆さんが
      この小説をオススメしてるのを読んで、
      「おっ、出てたんや〜!」って
      無性に気になってたんですよね(^_^;)


      ボクシングをいまだに野蛮なスポーツだと思ってる人もいるかもやけど、
      ボクサーはみんな、
      相手を倒すためではなくて、
      過去の自分に打ち克つために
      リングに上がります。

      すぐに諦めてしまう自分や
      いつも逃げてばかりだった自分。

      昨日の自分を越えるために
      ツラい練習に耐えて、
      同じ体重、同じハンディで
      自分が今まで倒してきた選手たちの
      思いを背負って戦う競技だと自分は思ってます。

      だからリングでは
      どんなことがあったって逃げないし、
      そう簡単に投げだしたりできない。

      人生そのものと
      スゴく似てるような気もします。

      言葉にするのは難しいけど、
      人生も結果よりも
      戦う姿勢や
      抗う姿勢こそが大事なんやって、
      自分は思うんですよね(^_^)

      角田さんがボクシングを通じて
      何を描きたかったのかを
      自分も知りたいので
      近々読んでみようと思います♪

      ああ〜
      けどドキドキするなぁ〜(笑)

      2013/05/08
    • vilureefさん
      円軌道の外さん、熱いコメントありがとうございます♪

      「人生も結果よりも戦う姿勢や抗う姿勢こそが大事なんや」
      うん、うん分かります。
      ...
      円軌道の外さん、熱いコメントありがとうございます♪

      「人生も結果よりも戦う姿勢や抗う姿勢こそが大事なんや」
      うん、うん分かります。
      この本を読むまでは理解しがたい感覚だったかもしれませんが、この本を読んだからには私もにわかボクシングファンです(笑)

      プロボクシングなんて所詮作られた娯楽だろうなんて思っていた私は愚かものでした。
      反省しきりです。

      足が震えて逃げだしたくても立ち向かう、そのまっすぐな姿勢こそがボクシングそのものなんだって今だったら分かります。

      これも角田さんがこの小説を書いてくれたからです。ありがたや~。

      プロボクサー目線で読んだらどんな感想を持つのか、円軌道の外さんのレビューがとても楽しみです!!
      お待ちしてますね(^_-)-☆
      2013/05/09
  • 文芸希望で出版社に入った空也が任されたのは「ザ・拳」というボクシング雑誌だった・・・。運動音痴で学生時代の体育の成績は万年1か2、ボクシングはおろかスポーツ全般に興味なしの空也。渋々ジムに入会するも渾身のパンチは「猫パンチ」、くさい・うるさい・息苦しい空間に心が折れそうになる空也だったが・・・

    花形ボクサーで悪役を気取るタイガー立花、童顔の坂本・中神コンビ・・・鉄槌ジムの面々と親しくなる毎に、立花の試合が持つ華に、ボクシングという訳も分からないスポーツにのめり込む人々の情熱に、、、気づけば空也も引き込まれていく。

    500頁弱、ずしりとした重みに角田さんのボクシングに向ける思い入れの強さを感じました。

  • もしボクシングがわかれば
    もっと読みやすかったのだろうと思う。
    前半はすこし苦労しながら読み進めた。
    「サラの柔らかな香車」(橋本長道)を読んだとき
    将棋がわかればもっとおもしろいのだろうと思ったことを思い出した。

    けれどものすごく共感したり
    確認させられる気持ちや感情の部分がやっぱりあって
    それらは心のなかにコトリと置かれるように静かに入ってきた。
    わたしが角田さんの小説を読む理由はそこにある。
    うまく言葉にできないような部分を
    きれいにまとめ、強い存在感をはなつ。
    それらに出会ったとき、
    丸めた紙をまっすぐに伸ばすようにすっきりとするのだ。

  • 私には一生縁がないと思っていたボクシングを描いた小説。
    角田さんの小説じゃなかったら読まなかったかもしれないけど、読めて良かった。
    もうすごい!とにかくすごい!

    主人公の空也はボクシング雑誌『ザ・拳』の新人編集者。
    いい記事を書くためにジム通いを始める。

    うまいなぁと思うのは、空也と選手の関係が記者と取材対象というだけではなく、同じジムに通う仲間でもあり、友人でもあるということ。
    他の記者には見せないだろう素の顔と、飾りのないまっすぐな気持ちに惹きつけられる。
    ボクシングのことは全く分からないのに、語られる気持ちは分かるような気がすることに驚いた。
    そして空也と一緒に願ってしまう。どうか彼が傷つきませんようにと。

    どうしてボクシングを始めたの?
    こわくないの?
    戦い続けるモチベーションは何?

    空也の問いに対するそれぞれの選手の答えは力強い。
    弱々しい言葉であっても聞く側の印象は全く弱くない。
    それが本心だからだと思う。飾ってないそのままの言葉だから。

    そして少しずつ身近に感じ始めた選手がリングで戦う姿を見る(見てないけど)息苦しさ…。
    もう見てられないよ!と何度思ったか。
    もう生きて勝ってくれたらなんでもいいです、笑顔で試合を終えてください、どうか、どうか‥と祈るような気持ち。
    これまたうまいなぁと思うのは、空也が試合をする側ではなく観る側だということ。
    痛いのか苦しいのか、想像するしかない。
    心ない野次が届いているのか、本当のところは分からない。
    痛いだろう、苦しいだろう、きっと辛いだろう、でも頑張って、負けないで、勝って笑ってくれと祈るしか出来ない。空也も私も。

    ジャブ、ストレート、アッパー、クリンチ、…知識不足でなんとなくで想像するしかなかったけど、そんなの問題じゃないくらい引き込まれる。
    読んでて痛いとか、血が嫌だとか、そんなこともどんどん考えられなくなっていく。
    ただただ知りたい。もっともっと知りたくなる。
    どこにたどり着くのか。
    何を見るのか。
    何が変わって何が変わらないのか。

    そして今は小説の終わりが彼らの物語の終わりじゃなかったことに安堵している。
    まだ先に道がのびていて、キラキラ輝く未来が待っているだろうことがとても嬉しい。

    • takanatsuさん
      vilureefさんへ
      私も角田さんのお話出来て嬉しいです♪
      vilureefさん、とっても詳しいんですね!
      特にお気に入りの角田さん...
      vilureefさんへ
      私も角田さんのお話出来て嬉しいです♪
      vilureefさん、とっても詳しいんですね!
      特にお気に入りの角田さんの本とか教えて頂いてもいいですか?
      私は今のところ『予定日はジミー・ペイジ』が1番好きです。
      もちろん他にも好きな作品たくさんあるんですけど…!
      「今度は裁判員裁判がテーマみたいですよ~(^_-)-☆」
      そうなんですかぁ、それは読みたい(>_<)!
      いろいろ教えて頂きありがとうございます♪
      2013/03/14
    • vilureefさん
      何度もすみません(^_^;)

      予定日はジミーペイジ、良いですよね。
      あったかくなるお話ですよね。

      私の中では「対岸の彼女」が角...
      何度もすみません(^_^;)

      予定日はジミーペイジ、良いですよね。
      あったかくなるお話ですよね。

      私の中では「対岸の彼女」が角田さんの最高峰です。自分の心情に一番近い作品でした。
      他には短編集の「ドラママチ」が好きです。
      ぐっとくるお話があるんです。
      もし未読でしたら是非。
      2013/03/15
    • takanatsuさん
      vilureefさん
      私の方こそ質問攻めしてすみません…(汗)
      ありがとうございます♪
      『ドラママチ』はハードカバーの装丁が大好きでずっと読...
      vilureefさん
      私の方こそ質問攻めしてすみません…(汗)
      ありがとうございます♪
      『ドラママチ』はハードカバーの装丁が大好きでずっと読みたいなと思いつつ、チャンスがなくて読んでいない作品なのでこれを機に読みたいと思います。
      ぐっとくるお話、とても楽しみです♪
      『対岸の彼女』、いいですよね。
      やっぱりグサグサくる言葉が多かったです。
      ちょっと凹んだり、憧れたり、最後にはそれまでとは少し違う視点で周りを見ることが出来るようになっていた気がします。
      すごい作品ですよね。
      …て、長々すみません…!
      お話出来てとっても楽しかったです!ありがとうございました♪
      2013/03/15
  •  ジャブ、ジャブ、左フックから右ボディ。ノーモーションから左ストレート!!

     ボクシングって、スポーツの中でも群を抜いて苛酷な種目だと思う。殴るし、殴られるし、けがするし、死ぬかもしれないし。
     減量しないといけないし、孤独だし。

     へなちょこのクーちゃんこと、那波田空也の視点を通して見る、ボクシングの世界。1ラウンド3分。延長も短縮もない。ハンデもない。1対1で、男と男が殴りあう。
     そこは、世のうつろいとは無縁の、時が止まった世界。汗と血がしぶきになってリング下の観客席に飛び散る中、涙と鼻水で顔をぐちゃぐちゃにしながら試合を見るクーちゃんに、自分を重ねずにはいられなかった。
     あと、胸の前で祈るように手を組み、タイガー立花がやられそうになると「だめえっ!!」と叫ぶクーちゃんにも、自分を重ねた。(笑)クーちゃん、かわいい・・・

     「本当はこわい。すげ-こわい」
    報道人に悪態をつくキャラを演じる立花の本音。
     「あー、早く終われ。帰りたいーって、いつも思いますよ」
    手本のように美しいボクシングをする坂本君の本音。
     「もう無理だと思うんだけど、ボクシングやめたら俺には何も残らないんで」
    六回戦で負け続け、坂本君に追い越されそうになっている中神君の本音。
     しみる・・・

     昼はアルバイト、夕方からジムに来て、3時間の練習その後10㌔のロード。それを毎日続ける。サボりたいと思うことはしょっちゅう。けれど、毎日続ける。
     それでも勝てるとは限らない。血を流し、まぶたを切って目を腫らし、それでも負けてしまう。
     たとえ勝っても、数日後には、またいつもの練習が待っている。更なる高みを目指すには、より厳しい練習をしないといけない。
     男たちは、あの一瞬の栄光を手に入れるために、練習して、練習して、練習する。なんという世界なのだ、ボクシングという世界は・・・

     だからこそ、あのまばゆい光の下で突き上げられた拳は、あんなにも燦然と煌くのか。あまたの男たちは、あのたった一瞬の栄光のために、血と汗を噴き出しながら進むのか・・・!?

    • 円軌道の外さん

      お久しぶりです!

      自分もボクサーで
      今ちょうどジムに向かってるところなので
      タイムリーなレビューに
      嬉しくなりました(笑...

      お久しぶりです!

      自分もボクサーで
      今ちょうどジムに向かってるところなので
      タイムリーなレビューに
      嬉しくなりました(笑)(^O^)


      角田さん自身も何年か前から
      ジムに通われて
      ボクシングの魅力にハマったみたいですよね。


      そういう自分は
      まだこの小説読めてないんで(汗)
      近々GETしたいと思います♪


      ではでは練習行ってきます!


      2013/02/20
    • HNGSKさん
      円軌道さん>>お久しぶりです。
      そうか、円軌道さんも、ボクサーだった!!やー、ぜひお話をうかがいたい!!
      しかも、ジムに向かっている最中に、...
      円軌道さん>>お久しぶりです。
      そうか、円軌道さんも、ボクサーだった!!やー、ぜひお話をうかがいたい!!
      しかも、ジムに向かっている最中に、コメントをしてくださるなんて、なんて、なんて、幸運な私。なんて、なんて、素敵な円軌道さん。
      練習して練習して練習して、練習しないと掴み取れないあの場所に、円軌道さんはいけるチケットを持っているんですね。いいなあー。かっこいいなあー。
      2013/02/21
  • 角田さん初のスポーツ小説、発売されたら絶対即買って読む!!と意気込んでたものの、その分厚さに気圧されてなかなか手にできなかった。時間と体力に余裕をもって臨まないと、間違いなくのめりこんで、心を持っていかれてしまいそうだったから。
    果たして、見事にその通り…読了後は脳みそがビリビリ痺れるほど熱中してしまっていた。私自身運動神経はなく、スポーツ小説もマンガもめったに読まないのだが、なぜかボクシングものだけは昔から好きで。「がんばれ元気」とか「はじめの一歩」とか。だからつい、それらボクシング名作もののノリで、ストレートな熱血根性感動路線を勝手に敷いて読んでしまった。
    そんな予想を軽く裏切る展開でした。何しろ、主役の空也が、ヘナチョコ。文芸セクションを志望し出版社に入るも、希望は叶わず畑違いのボクシング雑誌に異動となるが…酔っぱらうと女言葉になるし、頭でっかちだし、どうにも行動がイタい。そんな彼が少しずつ、そのボクシングの世界に魅せられていく。勉強の為ジムに入るが、相変わらずカッコ悪いし、アツくなると若干うざったくもあるのだが(笑)そんな彼の視点で見るからこそボクシングが何とも新鮮なのだ。こんなことでもなければ関わることもなかったであろう、ジムの仲間と深めていく親交。ちぐはぐなようで、少しずつ歩み寄る彼らが何だか微笑ましいのだ。
    そして、空也が注目する選手・タイガー立花の快進撃が、読んでいて気持ちいい。空也自身も記者としての面白さに目覚め始め、順風満帆な一方で、何だか小骨が喉に引っかかったような違和感を感じる。その違和感が形を現したとき…プロボクシングという世界のシビアさを目の当たりにしてぞわっとする。
    ある人物のダークな振る舞いを、怖いとは思うけど、全否定もできない。個人的には好ましくないが、そういう面も含めての勝ち負け、プロの世界なのだと。ぶれないために、惑わされないために、周囲の雑音や小細工なんかものともしない強さを手に入れること、そしてその強さで勝ちをもぎ取ること。そのためには地道に努力を重ねること。言葉にすると簡単だが、実際には気が遠くなるほどの過酷さだ。その過程で順調に結果を出していく者、伸び悩み挫折する者。それぞれに背負う物が見え隠れするたび、何とも言えない思いに駆られる。
    「男の世界」という印象の強かったボクシングものだが、角田さんの目を通すとまた違った輝きを放つ物語となる。ボクシングの試合を活字で追ったのは初めてだが、汗臭い泥臭い戦いが、かっこよく、清々しかった。
    そして、「正義」って一体なんだろうとも考えさせられた。「一見正義の顔をした何か」。そんな厄介なものに、現代の私たちも翻弄されてはいないだろうか。窮屈な時代だけど、正体不明の悪意に足元掬われないような、動じない自分でいられたらと思った。この作品を通じて、強く強く思った。
    「負けないために、その先にいけ。」
    相変わらず角田さんの言葉は、力強く、凛としていて、泣けてくる。
    ボクシングに揉まれることで、一皮むけた空也クンを見習って…
    ビビりつつも、自分の人生のリングでファイティングポーズ。

    • 円軌道の外さん

      御無沙汰してます!

      自分自身、ボクサーが本業やし、
      この本ずーっと
      気になってたんですよね(>_<)

      しかも大好きな角...

      御無沙汰してます!

      自分自身、ボクサーが本業やし、
      この本ずーっと
      気になってたんですよね(>_<)

      しかも大好きな角田さんが
      自らジムに通い
      知らず知らずのうちに
      ボクシングの魅力にとりつかれた
      思いの丈を込めて書いたボクシング小説やから、
      ボクシングに興味のない人にこそ
      読んで欲しいなぁ〜って
      密かに願ってます(笑)
      ↑自分はまだ読んでないクセに


      ちなみに自分も中学の時に
      「がんばれ元気」を読んで
      ボクサーになろうと
      決意したのでした(笑)♪

      2013/04/09
    • メイプルマフィンさん
      コメント嬉しいです♪ホント、ジムに通う角田さんだから描ける、躍動感溢れるボクシングの描写はすっごくリアルでした。スポーツの面白さのみならず、...
      コメント嬉しいです♪ホント、ジムに通う角田さんだから描ける、躍動感溢れるボクシングの描写はすっごくリアルでした。スポーツの面白さのみならず、沢山のことを考えさせられたなあ~、ボクシングって奥深いですね!!ボクサー目線で読んだ感想をそのうち聞かせてください♪
      2013/04/10
  • 良かったです〜。
    角田さんがスポーツ小説を書くなんてとても意外でした。
    それもボクシングです。
    これがとても面白くて、さすが角田さんと唸りました。
    ボクシング雑誌の編集部に配属された空也が取材しながらのめり込んでいくように、読んでいてどんどんハマりました。
    立花という選手をはじめひとりひとり効いてるキャラクターもいい。

    自分ではあまり見ることの無かったボクシング。
    パンチは見えず、何のパンチか?どこに当たったのかもわからないドシロウトの私でもこの小説はとても楽しめました。
    試合の臨場感が最高です。
    ボクシングだけが切り離されていないスポーツ小説。
    編集者として仕事をしていく空也の生活に嘘がない(?)気がするところがすごくいい。小説の中だけじゃない世界が描かれている気がします。
    立花も坂本も中神もいいなぁ…。萬羽も好きだ。
    生で試合を観てみたくなりました。怖いけど(^ ^):

    • じゅんさん
      私もちょうど読んだばかりだったんですよ。(*^_^*) tsuzraさんのレビューを読んで、うんうん、そうそう!と頷いておりました。やっぱり...
      私もちょうど読んだばかりだったんですよ。(*^_^*) tsuzraさんのレビューを読んで、うんうん、そうそう!と頷いておりました。やっぱりここは楽しいなぁ。
      角田さんとボクシングって全然結びつかないのにちゃんと角田さんの物語になっているところが面白いですね。そうなんですよ、空也の編集者としての生活がとてもリアルに感じられてそこがよかった。例の事件のあとの対応はちょっとまずかったんじゃないかと思うけど。
      私も後ほど感想を書きま~~す!(*^_^*)
      2012/11/27
    • ryoukentさん
      ああ、この本りょうけんも読んだのです。
      でもそして、角田光代さんて、たぶんこれ一冊しか読んでなくて。
      なのでほんとはどういう本がお得意18番...
      ああ、この本りょうけんも読んだのです。
      でもそして、角田光代さんて、たぶんこれ一冊しか読んでなくて。
      なのでほんとはどういう本がお得意18番なのか。
      わからんこってす。すまんこってす。すごすご。
      2012/12/11
    • tsuzraさん
      ryoukentさんこんばんは。
      いつもレビュー読んでいます。
      私も百田さんの「BOX!」読みました。
      同じボクシングでも全然違う切り口です...
      ryoukentさんこんばんは。
      いつもレビュー読んでいます。
      私も百田さんの「BOX!」読みました。
      同じボクシングでも全然違う切り口ですね。
      どちらも感動しました。
      角田光代さんはどの作品も全然違って面白いです。最近、多作なので十八番は進化中なのかもしれません(^ ^)
      2012/12/11
  • 面白い事は面白かったけど少し長いですね。
    女性が男性目線で書いたせいかな。

  • ボクシングというものにほとんど興味はなかったが
    角田さんなのでとりあえず、読んでみた。
    出だしはなかなか入り込めず、読んでても文字が上滑りする感じ
    だったけど、中盤からじわじわと面白くなって
    終盤にはすっかりボクシングに魅せられてしまった。
    「なんかわからへんけど、すっごく面白かった」とか
    「めちゃくちゃ怖い、怖いけどだからこそ強くなれるんです」
    みたいなところを読むと、今までボクサーについて
    考えてもみなかった内面が分かったようで
    今後テレビでボクシングを見るのが楽しみになった。

  • さすがにストーリーテラーの角田さん。(*^_^*) おとこ色満載のボクシングの世界を縦軸、文芸部門担当希望の夢破れたボクシング雑誌記者の話を横軸としてきっちりと見事な成長物語に!!



    そっか、ひところと違ってボクシングってそんなに“成り上がれる”スポーツではなくなってるんですね。
    ボクシングには全然詳しくないながら、昭和のファイティング原田、ガッツ石松、それになんといっても明日のジョーを知る世代には、ボクシングといえば、ハングリー、そして、ビッグマネーというイメージがあったのですが。

    角田さんの描く当今ボクシング事情は、なんでボクシングを始めたのか、今、なんでボクシングを続けているのか、また、その目標は?などが、うんうん、そうかもね、という種々の例を挙げて、楽しかったり、苦かったりのエピソードをじっくりと読ませてもらいました。

    そして、文系女子(*^_^*)としては、そんなボクサーたちよりもっと気になるのは、この物語の狂言回しである出版社勤務の空也くん。小さい時から本を読むのが好きで、リアルな友だちよりも本の世界に没頭、勉強に勉強を重ねて出版社に合格し、いつかは文芸部門でバリバリ働くぞぉ~~という夢を持っていたのに、何の因果かパッとしないボクシング雑誌に配属。左遷感を胸に、それでも文芸部門に行くためのステップとしてのみ頑張ろうと思っていた彼が、まぁ、お仕事小説の王道としていつの間にかボクシング界にのめりこみ・・・という展開で、角田さんらしい丁寧な取材を基に、ウェルメイドな読ませる物語になっていました。(*^_^*)

    ただ、ネタばれになるからはっきりは書けないんだけど、途中のトラブルへの巻き込まれ方はちょっと安易だったかな。私のような素人でも、それは危ないんじゃないの??ちゃんと裏を取ったら??とハラハラしてましたもの。

    ボクシングと出版社、どちらも、うんうんそうなのかもね、という角度からの面白い描かきたで楽しんで読むことができましたから、あんまり欲張って文句言うのも気がひけるんですけど。

    • tsuzraさん
      ボクシングの世界とボクシング雑誌の記者の話。
      じゅんさんのおっしゃる通り、どちらからも楽しめる描きかた、面白かったです。
      角田さんの小説は、...
      ボクシングの世界とボクシング雑誌の記者の話。
      じゅんさんのおっしゃる通り、どちらからも楽しめる描きかた、面白かったです。
      角田さんの小説は、さすが!といつも思います。
      2012/12/01
    • じゅんさん
      tsuzra様
      コメント、ありがとうございます!
      私もtsuzraさんのレビューを読ませてもらい、うんうん!と肯きまくりでした。(*^_...
      tsuzra様
      コメント、ありがとうございます!
      私もtsuzraさんのレビューを読ませてもらい、うんうん!と肯きまくりでした。(*^_^*)
      本の話は楽しいですね。戻ってこれてよかったです。
      2012/12/02
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著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

角田光代の作品

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