ファミレス

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
3.66
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本棚登録 : 1125
感想 : 171
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  • Amazon.co.jp ・本 (386ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532171223

作品紹介・あらすじ

妻と別居中の雑誌編集長・一博と、息子がいる妻と再婚した惣菜屋の康文は幼なじみ。料理を通して友人となった中学教師の陽平は子ども2人が家を巣立ち"新婚"に。3・11から1年後のGWを控え、ともに50歳前後で、まさに人生の折り返し地点を迎えたオヤジ3人組を待っていた運命とは?夫婦、親子、友人…人と人とのつながりを、メシをつくって食べることを通して、コメディータッチで描き出した最新長篇。

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった。それぞれの家族の物語どれもいい家族だった。料理がテーマとなっている話。ただ、文章が読みにくかった。

  • かけがえのない存在------家族・友達

    つい少し前までは絵に描いたような幸せな家族だったはずなのに。
    想像だにしていなかった突然の離婚問題。
    交通事故によって発覚したクラスの子供の親の不倫問題。
    さまざまな出来事に会い、それに向き合うアラフィフティーンの男三人組とその家族の物語。
    夫婦とは?
    家族とは?
    友達とは?
    人生とは?
    そして、生きるとは?
    平凡な営みの中で、ふとした事で人生の曲がり角に出会う人々。
    ファミレスの本当の意味とは?

    現代社会に渦巻く多くの問題を、優しいタッチで、でも真正面から訴えかける重松清渾身の一作。
    震災の問題をさりげなく作品で取り上げているのも彼ならではの計らい。

    軽い筆致で何気なさそうなストーリーだが、内包されるテーマは深い。
    作品内の所々で語られる珠玉の言葉の数々。
    至る所に名文が散りばめられている。
    それらの言葉に出会えるだけでもこの小説を読む価値があると私は思う。

    (追記)料理の描写がたくさん出てくるのだが、それがまた美味しそう。
    匂いさえも読者のもとに届きそうで作ってみたくなります。
    重松さんって、こんなに料理に詳しかったかなあ。

    おすすめです。

  • 「ファミレス」上下巻、読了。

    またこれもコメディドラマを見てるような気持ちになって、読みながら笑いが漏れてしまう。

    全ての家族が愛おしく感じる。そしてとても共感する。

    「正しいけれど、優しさは無い」
    厳しく正論をぶつける正子さんにハッキリという陽平がカッコイイ。

    美代子の気持ちも本当によくわかる。

    (という、私はきっと同世代なんだな、きっと)

    なんだかんだで家族と友達ってとても大事。
    そして、食事がそれらを繋げる。

  • 料理仲間のアラフィフ3人組おじさんが家族や友情、食事や料理を通じ、これまでとこれからを考えるコミカルだけれどハートフルな長編小説。

    本の厚さからすると分厚いけれど
    コミカルだからか読み終えてみるとそこまでの重厚感があるわけではなかった。
    久々に重松作品読んだけれど、中高年男性の視点だなということを改めて強く感じた。
    ハートフルなんだけれど、学校教育的というか教科書的というか優等生的な作品。

    作中で出産があるのだけれど
    産後ホルモンバランス崩れることが数ヶ月続くのにそんなことにならんやろとも思うし
    エリカ先生の扱いなんて、中高年男性から見た女性像の範疇をこえない。

    全体を通して優しい小説。
    心おだやかに読める作品。

  • 男友達3人が直面した、夫婦の、家族の問題。
    それぞれが選ぶ結末とは。
    誰もが悩みながら進む展開ながら、暗さはない。
    コメディタッチでテンポもよく、楽しい。
    みんな根はいい人で、あたたかみを感じられる。
    非常識で身勝手な、エリカ先生母娘だけが難点。

  • 〔妻と別居中の雑誌編集長・一博と、息子がいる妻と再婚した惣菜屋の康文は幼なじみ。料理を通して友人となった中学教師の陽平は子ども2人が家を巣立ち“新婚”に。3・11から1年後のGWを控え、ともに50歳前後で、まさに人生の折り返し地点を迎えたオヤジ3人組を待っていた運命とは?夫婦、親子、友人…人と人とのつながりを、メシをつくって食べることを通して、コメディータッチで描き出した最新長篇。「BOOK」データベースより〕

    あまりにもリアルな小説で一気読みできた。
    周囲で起こってるさまざまな出来事、子育てを終える時期でもある人生の折り返し地点には、こうして振り返り考えさせられる。
    そんな、時期に巡り会えた本に感謝だった。

    いつも重松さんの本からは、生きる為のエキスを頂ける。
    今回も随所にふんふんと頷ける言葉がいっぱいだった。
    また、お料理ができる方なんだなと思わせて下さるレシピもいっぱいで、
    また、もう一度読んでみたいなと思った。

    「料理ってのはな、誰かの「ために」つくるときが一番旨くなるんだよ」

    家族のために仕方なく作るんじゃなく愛情の調味料が必要なんだなと思わせてくれる一冊。

  • 仲良しっていうのは、ケンカをしたあとちゃんと仲直りができる関係っていうこと。

    一癖二癖ありながらも愛すべきキャラクターたちに
    たくさん笑わせてもらいながら、

    家族とは?夫婦とは?自分に置き換えながら考えながら、

    重松さんらしい優しい空間に引きづり込まれます。


    自分の核ってなんだろう??

    ハムカツとレバカツハフハフ言いながら食べたいな。

    お腹が減りながら、心は満たされました。

  • 食事というテーマを軸に家族・夫婦の在り方を問う物語。3人のおじさんの、特にメインのおじさんの古い価値観にイライラしてしまうが、世の中には実際にこういう人がたくさんいるのだろうと受け止めざるを得なかった。対して、19歳のシンママの言葉に思わずグッときたので概要を書き留めておく。
    「夫婦は『人生』のパートナーであり、『生活』のパートナーではない」「『生活』にはお金がなければならないが、お金がなくても幸せな『人生』はたくさんある」。
    物語中に出てくる多様な家族(夫婦)模様にヤキモキしながらも自分の家族は、自分の未来の家族は、、と考えるとなんとも言えない。

  • アラフィフの3人が料理とともに描かれる
    家族の在り方
    離婚からの再婚
    離婚の危機
    男子生徒の母の不倫

    ファミリーレス から ファミリーレストラン へと
    形を作っていく構成がとてもよかった。


    3人の仲良しな様はあたたかく
    コメディタッチで描かれていて
    時折くすりと笑えたり
    男性の虚勢の張り方がすごく滑稽で
    苦笑せざるを得ないシーンもあったりと
    感情豊かに読めた。

    両親が離婚するかしないかの瀬戸際なので
    この一冊を送りつけようと思います。


    やっぱり喧嘩はしなきゃだめですよね。

  • ファミリー レス

    家族の形と「食」をテーマにした長編

    子供たちが巣立ち、夫婦2人暮らしになったとたん
    妻が離婚届を隠し持っていることを知った陽平

    妻が実家に行ったまま帰ってこなくなった一博

    子連れの若い女性と再婚した康文

    3人の男たちの友情とアタフタがじんわり来る(笑)

    男たちのふがいなさにイライラし
    女たちのたくましさにイライラし(笑)
    それでもちょっとほっこりする、そんなお話し

    ちょいちょい出てくる「ちょっとした料理」がすごーーーく美味しそう♪

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著者プロフィール

重松清
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木三十五賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『流星ワゴン』『疾走』『その日のまえに』『カシオペアの丘で』『とんび』『ステップ』『きみ去りしのち』『峠うどん物語』など多数。

「2023年 『カモナマイハウス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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