天下家康伝 上

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532171346

作品紹介・あらすじ

信玄・謙信のような軍略の才も、信長の突破力も、秀吉の人間的魅力も持ち合わせていない戦国大名が、なぜ天下人という高き嶺の頂に辿りつけたのか。没後400年の年に、渾身の筆で世に問うた遺作!

感想・レビュー・書評

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  • 「天下 家康伝(上)」火坂雅志著、日本経済新聞出版社、2015.04.24
    366p ¥1,728 C0093 (2023.10.03読了)(2023.09.22借入)(2015.06.20/4刷)
    『覇王の家』司馬遼太郎著、『家康』安部龍太郎著、『どうする家康』古沢良太作・木俣冬著、と家康を主人公にした小説を読んで、火坂雅志さんのこの本を読んだのですが、材料はきっとほぼ同じなのでしょうが料理の手順や方法、味付け、配膳の仕方などがそれぞれ違って、楽しく読ませてもらってます。
    この本は、一向一揆から始まって、築山殿の謀反のところで終わってます。続きは下巻で。

    【目次】
    序章
    第一章 一揆
    第二章 女と男
    第三章 新たな戦い
    第四章 進むべき道
    第五章 京へ
    第六章 戦いの日々
    第七章 三方ヶ原
    第八章 生と死 (信玄の死)
    第九章 藤の花 (長篠の戦い)
    第十章 相克 (築山殿謀反)

    ●比叡山焼討ちの理由(209頁)
    比叡山の僧侶たちは祠堂銭(寺に寄進された金)を使って金貸し業を営み、財力をたくわえるようになっていた。
    寺から借りる金の利子は、土倉とよばれる民間金融業者よりはるかに低利である。ために、諸大名の中にも延暦寺から金を借りて軍資金をまかなう者が少なくなかった。ことに、浅井氏、朝倉氏は、延暦寺から多大な融資を受けている。
    信長が比叡山延暦寺に最初の狙いを定めたのは、浅井、朝倉方の、メーンバンク潰しという意味合いもあった。
    ●三方ヶ原で敗戦した家康(266頁)
    決戦に勝利した武田勢は、逃げる徳川の兵たちを追って、山県昌景隊、馬場信春隊が、浜松城の間近までせまっていた。
    しかし、城門が閉ざされると、彼らはそれ以上、城に肉薄することなく夜の闇の向こうへ引き揚げていった。
    (篝火をともし、城門を開けたままにしていた、という説が多いのですが)

    ☆関連図書(既読)
    「徳川家康の決断」本多隆成著、中公新書、2022.10.25
    「どうする家康(一)」古沢良太作・木俣冬著、NHK出版、2022.12.10
    「どうする家康(二)」古沢良太作・木俣冬著、NHK出版、2023.03.20
    「どうする家康(三)」古沢良太作・木俣冬著、NHK出版、2023.07.25
    「覇王の家 前編」司馬遼太郎著、新潮社、1973.10.25
    「覇王の家 後編」司馬遼太郎著、新潮社、1973.10.25
    「司馬遼太郎『覇王の家』」安部龍太郎著、NHK出版、2023.08.01
    「家康(一)自立篇」安部龍太郎著、幻冬舎、2016.12.20
    「家康(二)不惑篇」安部龍太郎著、幻冬舎、2018.10.25
    「浅井長政の決断」笹沢左保著、角川文庫、1990.10.10
    「天地人 上」火坂雅志著、NHK出版、2006.09.25
    「天地人 下」火坂雅志著、NHK出版、2006.09.25
    「「天地人」を歩く」火坂雅志著、祥伝社、2008.09.15
    「直江兼続の義と愛」火坂雅志著、NHK出版、2008.11.15
    「真田三代(上)」火坂雅志著、文春文庫、2014.11.10
    「真田三代(下)」火坂雅志著、文春文庫、2014.11.10
    (アマゾンより)
    戦国乱世を平定した武将、徳川家康没後400年の年に、渾身の筆で世に問うた遺作!
    信玄・謙信のような軍略の才も、信長の突破力も、秀吉の人間的魅力も持ち合わせていない戦国大名が、なぜ天下人という高き嶺の頂に辿りつけたのか――。

  • 読みやすい!面白い!
    戦国大名同士の同盟、離反、その背景が分かりやすい。築山と家康の関係性はテレビのものとは違ってそれがまた一興。

  • 火坂雅志版徳川家康。桶狭間の戦いの後、三河の地で一向一揆に対峙していた青年武将の時代から物語は始まる。
    徳川家康を中心に、細やかに配下の武将たちを描いており、読み応えあり、素晴らしい出来栄えと言える。
    上巻は、築山殿と信康の武田内通事件勃発まで。

  • 読了。レビューは最終巻で。

  • 家康の生涯を描く大作。上巻は、長男と奥方の死までを描いている。真偽は分からないが、若年の家康の熱い一面を描いている。また、家康その人を中心に描いているせいか、種々の出来事は場合によってはさらっと流している印象。

    話が面白く一気に読み進めることが出来る作品。

  • 徳川家康を描く歴史小説。

    上巻は三河一向一揆から長篠の戦後まででした。
    自分の好みではない点は歴史上ではないオリジナル登場人物の一向宗女間者の奈々の絡みですが、下巻でも登場するのでしょうか。
    家康が一人の女に長年思いを寄せるなんて想像できませんでしたが、本多正信と関係があるなんて落ちだったら面白いと思います。
    というのも、序章が晩年近くの家康と本多正純の会話だったので。
    とはいえ、家康と正信の関係を中心に描くのかと思っていたら、いろいろな視点やエピソードを盛り込んでいて、家康小説の入門書的な感じもしました。
    残念なのは三方ヶ原敗戦時に描かせた肖像画のエピソードなかったことです。
    武田との駆け引きは面白かったですが、信玄には何度も裏をかかれて引っかかる形にしたのは、家康の小物っぷりを描くのにはよいとしても、今後の天下人への大変身にうまくつなげられるのでしょうか。
    築山殿との関係、信康との関係は大変うまく描けていて、下巻に向けて盛り上げていただけました。

  • なかなかよく描かれることもない家康ですが火坂目線で描かれた家康が新鮮です。

  • 家康が主人公の話はやはり地味になるのだなと思う。有名な信玄にコテンパンにやられて脱糞して逃げ出したという話は流石に主人公だけあった省略されている。

  • 安定の火坂節。今まであまりスポットの当たらなかった、若かりし日の悩める家康像が面白い。まぁ、でも確かに華はないw

  • 茶屋四郎次郎と徳川家康が昵懇とは、知らなかった。家康については、ある程度知っている。ただ、家康が主人公の物語を読んだ事がない。読みながら長篠など場所を確認した。若い家康は、領地安堵に追われていたのが分かる。

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著者プロフィール

作家

「2017年 『左近(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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