なぜ会社は変われないのか: 危機突破の風土改革ドラマ
- 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版 (2003年11月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (468ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532192044
作品紹介・あらすじ
残業を重ねて社員は必死に働くのに、会社は赤字。社内には不信感が渦巻き、口ばかりの評論家が氾濫。リストラで人も給料も減らされ、上からは改革の掛け声ばかり。こんな会社を本当に蘇らせた驚くべき手法を迫真のドラマで描いたベスト&ロングセラー。待望の文庫化。
感想・レビュー・書評
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この本を読むのは、2回目。
1回目は学生の頃に読んで、全然ピンとこなかった。
が、自分も社会人経験をそれなりに積み、
改めて読み直してみることで、
ようやくこの本の凄さに気づき始めた。
ちょっと古い本ですが、今で言う組織開発やティールにも通ずる本で、
読めば読むほど味わい深い本。
やっぱり基本は、社員同士の対話(本の中では「気楽にまじめな話をする場」と記載)が大事なのかなと感じたり、
組織って生き物に例えられることがありますが、まさにその通りだなと感じたりしながら、
今本を読んでいました。
もう少し全体感の分かるまとめのようなページがあっても良かったと思いますが、
それでも企業の組織風土を変えていくことに興味のある人にとっては必須の一冊なような気がします。
【個人的メモ】
・気楽にまじめな話をする場(オフサイトミーティング)をつくる
・衆知を集めて一人で決める(p.320-321)
・「みんなが納得する」事項と「一人で決める」事項を分ける:目標やルールはみんあで決める(p.325)
・衆知を集める議論、一人の責任に基づく意思決定を可能にする組織風土作りのためには、①衆知を集めて一人で決めるのルールの徹底②日頃から相談し合える関係を作る③統一的な価値判断の基準を組織全体で共有する(p.325-326、p.360-361)
・「一人で決める」ことで失敗も増えるが、それも教育機会と割り切る(p.326-327)
・オフサイトミーティングの要素:気楽に、まじめに、人の話に耳を傾け、根幹を成す問題提起がある、毛色の変わったメンバーの参加(p.366)
【個人的所感】
・会議・報告会・対話の3つを使い分けるのが良いのかもしれない:会議…何かの議案について議論し、意思決定する場、報告会…何かについて、参加者に共有がなされる場、対話…ゴールを定めず、何かについて話し合う場(お互いの相互理解の時間を含める)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
日本企業の多くで、程度に差はあれ、ありそうな事象をテーマにしてる本。
個人個人は本気で頑張っているけど、組織としてはなかなか機能していない会社がモデル。
こういった組織を変えるには、言い出しっぺが損をする、何も変わらない、という傍観者(仕事は全力でしているものの自分の与えられた裁量の範囲でのみしてる人も含む)の2割を信頼関係で結び、耕す必要がある。
実際、本書はこの耕す部分に大半を割いているほど根本であり、重要なテーマ。
組織としてのゴールは、統一的な判断基準を持ち、個人個人が自分で考え意思決定することが大事って書かれてる。
その中での大きなテーマの一つは、「衆知を集めて一人で決める。」これは独裁的な意味でなく、個々が自律的に行動しながら全体としては秩序を持っているというイメージ。そして個人目線で言うと、本気で失敗するいう成長の機会にもつながりますよ、ということが書かれている。
自分としても「自律的に行動する」というのはもうしばらくテーマになりそうだなと。 -
まじめな雑談を気楽に行える風土、土壌が大切!
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この本を読んで双方向のコミュニケーションが大事だと思った。規律と緩み。個々の社員は自律的に動きながら、組織は大きな1つの方向に向かうようにする。そのためにはビジョンを示して個々の社員が生き生きと働くことが大事。言うは易しだが、実際に実現するのは難しい。こっちを締めるとあっちが綻ぶというようにバランスを保つことが難しく経営はアートの世界だと思う。動的平衡の感覚が必要でセンスなんだと思う。
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”ハードカバーで読んだけど、再読したくて購入
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T:五感塾までに → 道中の電車で260ページ(6割)まで
P:北村さんの改革を追体験する
O:
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・オフサイトミーティングの準備
一つひとつの場で何を目標とし、どういうふうにその先をつくりあげていくのかをイメージしてみるのです。勘違いが起きやすいのは、裏方がこういう準備をしっかりやることと、参加する人たちには本当に気楽に参加してもらうこととを両立させるところです。(p.5)
#五感塾もそうだ!
・あきらめるというのは、ある面で楽な部分があって「私は何もしないよ」と宣言しているようなものです。うちの職場では課長以下、管理職全般にそういうところが見受けられて、このままではいつまでたっても変わりようがありません。そうやって失点を出さないことで自分の身は守れるかもしれないけれど、それで会社が死んだのでは元も子もありません。だから、ちゃんと話し合いたいと思うのですが、まともに話す相手がなくて私は職場で孤独です。(生産/二十代男性) (p.42)
#この違和感!
・先の社長対話の失敗で、坂巻は改革という管理・運営とは性質の違う活動を実践できるセクションが存在しないことに気づき、その必要性を感じ始めていた。(p.59)
・『やらせの活動では風土は変わらない』というインタビュー原稿
インタビューに応えている無邪気な笑顔の人物は、大手機械メーカー、等々力精機の部長で名前は三村芳郎、肩書きは「風土改革世話人」と記されている。(p.68)
・二度と同じ失敗を繰り返すまいと固く心に決め、人事部で自ら手を挙げて「誰かのためにやるのではない、自分のためにやる改革」に踏み切ったのだと三村は語った。
それは推進組織をもたずに“やりたい者がやる”という人の気持ちを大切にした異色の改革活動だった。(p.71)
#お?、「私がやる!」プロジェクトだ。
★氷山の下の部分を「不安定にしていくこと」が活性化であり、風土・体質の改革である。
つまり、お互いに牽制し合って「余計なことは言わないほうがいい」と安定している状態を、「お互いに言うべきことは言いながら協力する」という不安定な状態にしていくことが風土・体質改革の中身なのだ。(p.90)
★人間というのは、本当にやりたいと思ったら言われなくても自分から進んでやる、それが自然な状態だと思います。(p.104)
・信頼関係ができるような条件を整える (p.107)
たとえば、通常の会議や打ち合わせの場とは別に、そこに関わる人たちが気楽に前向きに話し合えるような『場』をつくるというのも方法の一つだと私たちは思っているんです。” -
動かなくなった組織ってこんなもんだよなあ、何か自分の会社でも似たところたるなあ、と思って読んだ過去から、まじめな雑談が大事と思って自分もやってきた。
自分の立場も変わって、10年ぶりくらいの間隔で久しぶりに読んだが、今読んでも面白い。 -
ドラマ仕立てで組織の変革が見えて面白い。
最初が一番面白くて、徐々に読むのにだれてしまったが…
組織を変えるというヒントは色々詰め込まれている。
もう一歩「知恵」のレベルに昇華されていると面白そう。
自分自身でまとめ直してみてもよいかもしれない。 -
一人の社員が立ち上がって、社風を変えようとするストーリー。読み物として面白かったし、各章の最後にあるまとめを見返すことで、再度学習も出来そうな感じ。
ちょっとストーリーが平凡すぎる気もする。 -
企業再生の物語。そのアプローチは、仕組みを変えるのではなく、相互理解、信頼をベースにした社員の関係を変えるもの。大学院の講義で北居先生が行い、魔法のように感じたことを思い出す。
物語の後半に、新技術が見つかり成果を上げる。他の書評には「ご都合主義」とあるが、これは偶然ではなく必然だと分かる。意識改革がなければ新技術は気にも止められない。 -
工場で働く身として、共感するところが多々あり、ぜひとも何度も読んで参考にしたい。
まじめな雑談、場を作ること、風土・体質改善の大切さ、衆知を集めて1人で決める、責任者の明確化等。
言い出しっぺが損をしない、そういう土壌作りが大切だ。