ていねいなのに伝わらない「話せばわかる」症候群 (日経ビジネス人文庫)

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  • 日本経済新聞出版社 (2013年1月9日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532196707

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ていねいなのに伝わらない「話せばわかる」症候群 (日経ビジネス人文庫)の感想・レビュー・書評

  • 先日読んだ、平田オリザ氏の著書「わかりあえないことから」と重なる部分も多かった。

    グローバル時代を生きる私たち日本人にとって、必要な「対話」とは何かを語っている。
    単にグローバル時代といっても、経済の問題や移民の問題、そして日本人同士でも異なる価値観を持っており、その中でどのように関わっていくかを考える本。

    面白かったのは、「話せばわかる」に隠された矛盾。この言葉は、内容がよければ伝え方は問題ではない、という意味が含められている。しかし、大学院レベルの話で考えれば、内容が良いとはオリジナリティがあると言うこと。つまり、今まで誰も考えが及ばなかったことである。誰も思いつかなかった事はむしろ、他の人には理解されにくいものなのではないだろうか。この事から、話せばわかるという考えに潜む矛盾がある。

    日本人は、察しの文化。なんでもかんでも、論理的に説明しようとする西洋的な考えには興ざめしてしまう部分も間違いなくある。しかし、その価値観のみにこだわって生きていくことはもはや難しい。

    人と人は完全にわかりあうことはできない、という前提があるからこそ、互いの共通点を探す努力が必要なのだろう。

  • 2008年の段階から、高等教育の今に繋がるような指摘をされている対談集。

  • ・「ここ、わたしたちみんなでこだわっていたけど意味がなかったね」「その時間をもっと練習にあてればよかった」「これ、じゃんけんで決めてもよかったね」「ここはもう少し話し合ったほうがよかったかな」
    ・歴史的にスタンダードをつくらないできてしまったという日本語の現実があるわけですから。
    ・これからの社会のキーフレーズは「『協調性から社交性へ』です」

  • 2025年問題もようやく話題に上がりだした気がするんですが、今後、日本の経済を現状で維持していこうと思うのならば、「移民政策」しかないわけです。
     少子化対策って言っても、出生率が上がったフランスですら移民をいっぱい受け入れているんだから、日本はもっともっと受け入れないと維持できないわけです。(縮小社会を受け入れるなら別にいいんですが)

     ってことで、そういうことを前提としたコミュニケーション能力って、英語を話せることではなくて、隣近所に住む日本人以外の移民の人々と、異文化の、異なる習慣を持っている人たちと、日本語だろうが身振り手振りだろうが、英語だろうが何でもいいので、コミュニケーションをとること。

    「月曜日は燃えるゴミの日で、早く出しすぎるとカラスにゴミが荒らされるから…」みたいな話をちゃんと話し、理解してもらえるようにしないといけないと。
     それは、英語を話すことができればいい、というわけではなく、相手が何を嫌がるのか知識として入れて、それを実践していくことだと。
     
     難しいけど、やっていかないといけないんですよねぇ…。

  • 何かの講演を聞いたことがあるオリザ氏の本ということで、ふと手に取って読んでみた。
    “「ほんとうの自分」 なんてどこにもない” というペルソナの話のくだり、そう、まさしく講演で聴いて衝撃をウケタところでもあるし、あぁ、それでいいんだ、とまたしても安心してしまった。
    確かに、都会の受験社会にもまれてそだってきた我々にとってみれば、ほんとうに救いのような言葉だったし、
    ・・・むしろ逆に、どれだけ我々が、そんな演じさせられてる感を思わなければいけない社会になっているのか。。。

    本全体の内容としては、それよりももっと色々書いてあった笑
    まぁ、なんというか、日本、このままじゃぁやばいよね、と。
    今までの、企業でずっと内部事情だけで働いてた人と、
    我々若者の考えるギャップ、それを的確に代弁してくれているようなコトもしばしば。。

    ただ、あとは今後の日本に、どれだけ、変わっていける覚悟があるか!
    ・・・そんなことを考えさせられるような内容でした。。

  • これからの世界は「多文化共生」であることは間違いない.
    ではその世界で、全く異なった文化や価値観を持った相手とどのようにコミュニケーションを取っていくかが大事になる.
    そのコミュニケーション方法とは、今までの日本文化で美徳とされてきた「協調」では無く、「社交性」であるとのこと.
    単一の価値観ではこれからの時代を生きていくことは難しいことが繰り返し述べられている.
    価値観の異なった相手とじっくりコミュニケーションを取っていくための「精神的体力」が要求される.それでも通じない相手が存在するということを自覚しておくことも大切である.
    片方は自分の土俵、もう片方は相手の土俵で戦い、全てを相手側の土俵に入れないことが、自主性を保ちながらコミュニケーションを取っていくことに大事なことである.

    表現やコミュニケーションのプロとして平田オリザの著書はいつも大変勉強になる.北川達夫の意見も平田オリザ同様かなり鋭いものが多かった.

    これからの「グローバル社会」「多様化した価値観のある社会」だけれども「同調圧力のあるムラ社会」、で生きていくためのコミュニケーションや自己表現を考えていく上で、大事な要素がたくさん詰まった本だと思います.

  • なるほど…と思わされた箇所が何カ所か。
    これは、ざっと読むにはもったいない本だな。でも今日、返さなきゃ(> <)

  • 多様化する価値観のなかでは従来からの日本の文化である協調性から分かり合えない前提で他者との共有も見つけていく社交性が重要になるとして、フインランドの教育と演劇教育から日本の教育を語る。

    中高年男性は上から目線で言論を封殺するとあった。気を付けているつもりだが結構やっているのだと思う。社内でもコミュニケーションの場を多様化させるなど様々な工夫を凝らしていきたい。対談形式でとても読みやすく多くの気付きが得られた好著です。

  • けっこう昔に読んだ『ニッポンには対話がない』の文庫版。
    改めて読みましたが、やはりいい本。引用がいっぱいです。
    ほんとうに、まったく考えたことのないようなことが書かれている本ってあまりないけど、本書にはそんな内容がいっぱいあります。
    平田オリザさんの唱えていた、「利益共同体」「地域共同体」「個の共同体」の重層的なとらえ方がとても興味深かった。
    ただ、章末にあるまとめが軽すぎて、お二人の対話の深みが損なわれてるような気がしてならない(笑)。
    何度も読んで自分のなかに吸収していきたい本です。

  • 劇作家・演出家の平田オリザ氏と、元外交官で教育・言語に関する研究家の北川達夫氏の対談集で、2008年に刊行された「ニッポンには対話がない」が、今年文庫化されたもの。
    随所に「目から鱗」のはなしが満載なのだが、一箇所だけ引用する。

    --------(引用)--------

    議論やディベートは相手を説得することが目的だから、妥協というのは、お互いに説得に失敗したということで否定的にとらえざるをえない。
    しかし、対話というのは、価値観を意図的に衝突させ、それによってお互いに変わっていく作業なのですから、ある意味で前向きに妥協点を探す作業ともいえるんですね。

    -------(ここまで)-------

    部下や上司、お客さまや取引先、嫁や子供と、いつも「対話」を大切にしてきたつもりであったが、それは本当に「対話」だったのだろうか?
    非常に自省させられたし、これからそういう「意識」は、忘れちゃいけないと思った。

  • これからはグローバル・コミュニケーションを身に付けることが必要である。加えて日本的な部分を伝えられるようになることが重要である。

  • 世間でもてはやされている「コミュニュケーション能力」。言葉だけがひとり歩きして、その実体を説明できる人がどれほどいるだろうか。本書では、コミュニュケーション力をアップさせる策を示しているわけではない。
    その力の根底にある、「日本の教育」というものが、現在どれだけ危機的状況に面しているかを気づかせてくれる。
    日本人ヤバイです。悪い意味で。

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