アメリカ合衆国の異端児たち

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532260507

作品紹介・あらすじ

国民に最も嫌われた大統領ニクスンから、CIAとFBIを翻弄した二人の逆スパイ、「仮想現実」を自ら生きたウォーホル、歴史上の英雄に自身をなぞらえたパットンとマッカーサー、共同体への回帰を夢想し爆弾魔となったユナボマーまで、超大国アメリカを揺るがした11人をアメリカ文化研究の第一人者が描く現代版「対比列伝」。

感想・レビュー・書評

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  • 図書館本。
    題材はすごくビンゴなんだけど、違う人に書いてもらいたかった。
    あと、こういう本を読みたいと思う人に英単語アレルギーはないと思うから、ちょいちょい出てくる英語の文章はカタカナ表記のみは
    かえってわかりにくい。英語併記するか、いっそ横書きの文章のが読みやすいと思う。

  • ウォールの画面構成だとその物量から連想されるのはたとえばアウシュビッツ。ナチスがやってのけた殺戮の規模があまり大きくシュールなので、今日の脱工業化社会、高度管理社会が私たちに物の表面しか見せないことと同じになってしまう。こうしてナチズムはポストモダンと通底している。

    兵士の多くも厳しすぎるパットンが嫌いだったが、彼の下で戦うことは好んだ。パットンの言葉に防衛という言葉はなく、迷いが出れば攻撃せよ、が枯れの金科玉条だった。彼はナチスの手ごわさも深く認識していた。暴れ馬がひとたび、ビビればナチスの反撃の営利さにしてやられることを熟知していた。

    マッカーサーは解任後母国で熱狂艇に歓迎された。彼にみなぎる威厳がどこかギリシャローマ的古色を帯びていたためでもあった。神々しく見せるのはマッカーサーの固着したスタイルであり、昭和天皇が人間宣言してしまった空白を、彼がアメリカ製現人神として埋めるのに最適だった。

  • [ 内容 ]
    国民に最も嫌われた大統領ニクスンから、CIAとFBIを翻弄した二人の逆スパイ、「仮想現実」を自ら生きたウォーホル、歴史上の英雄に自身をなぞらえたパットンとマッカーサー、共同体への回帰を夢想し爆弾魔となったユナボマーまで、超大国アメリカを揺るがした11人をアメリカ文化研究の第一人者が描く現代版「対比列伝」。

    [ 目次 ]
    第1章 「表面」を生きた虚偽芸術家 Culture-アンディ・ウォーホル
    第2章 軍事的怪物か、希代の英雄か Military-ジョージ・S.パットンとダグラス・マッカーサー
    第3章 国民に最も嫌われた大統領 Politics-リチャード・ニクスン
    第4章 正統派財閥の異端児、異端派財閥の正統児 Business-リチャード・メロン・スケイフとH・L・ハント一族
    第5章 祖国を売ったスパイたち Diplomacy-アルドリッジ・エイムズとロバート・ハンセン
    第6章 「飛び級の秀才」はなぜ小包爆弾を送りつけたのか Society-グレーゴル・ザムザとユナボマー
    第7章 神の実在も世論調査で突き止められる? Media-ジョージ・H.ギャラップと「クリスタル・フォールズの水晶占い師」

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著者プロフィール

1936年愛媛県生まれ。明治大学名誉教授。日本翻訳家協会評議員、日本ポップカルチャー学会顧問、日本ペンクラブ会員(元理事、元国際委員長)。著書に、『ワスプ(WASP)――アメリカン・エリートはどうつくられるか』(中公新書)、『ブッシュ家とケネディ家』(朝日選書)、『なぜアメリカ大統領は戦争をしたがるのか?』(アスキー新書)、『誰がオバマを大統領に選んだのか』(NTT出版)、『オバマ・ショック』(町山智浩との共著、集英社新書)、『アメリカ合衆国の異端児たち』『大英帝国の異端児たち』(共に日経プレミアシリーズ)、『ジョージ・ソロス伝』(李白社、発売元ビジネス社)、『大統領選からアメリカを知るための57章』『ニューヨークからアメリカを知るための76章』『カリフォルニアからアメリカを知るための54章』『オバマ 「黒人大統領」を救世主と仰いだアメリカ』『アメリカを動かすスコッチ=アイリッシュ――21人の大統領と「茶会派」を生みだした民族集団』(いずれも明石書店)ほか。訳書に、『ヴィジュアル・ヒストリー アメリカ――植民地時代から覇権国家の未来まで』(アレン・ワインスタインほか著、東洋書林)、『白人の歴史』(ネル・アーヴィン・ペインター著、東洋書林)『リンカーン――うつ病を糧に偉大さを鍛え上げた大統領』(ジョシュア・ウルフ・シェンク著、明石書店)ほか。

「2015年 『映画で読み解く現代アメリカ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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