- Amazon.co.jp ・本 (193ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532260897
作品紹介・あらすじ
古稀を迎えた猫好きの芸術家は考えた。「忙しいのは他人の時間に振り回されるから」「病気自慢が体を浄化する」「努力は運命の付録のようなもの」-老年が人生を仕上げる時期ならば、ひとつ人生を遊んでやろう、遅ればせながら隠居を実行しよう。自然に、創造的に生きたい老若男女必読。
感想・レビュー・書評
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芸術家で長寿な人は「実験を試み変化を続けた」人だけだと。芸術における変化は生命力で、変化が無くなれば作品にも力が無くなり、生命力も衰えると。変化を躊躇うのは、失敗や権威の失墜を怖れるから。素の自分にOKを出せるから変化できる。普通の仕事でも同様だろう。
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横尾忠則のエッセイ。あとがきでは自身で老境のものの見方と言い直されていた。
文章が上手どった。奇抜でなく、自然体な人で、彼自身が魅力的な人なのだと納得。ありふれたものに対するごくごく素朴な疑問も心地よい。
こんなに病気にかかるというのもすごいな。敏感なのだろうか。
アトピーは正直な身体の表れという慰めがある。横尾忠則の年齢はそれをすこし強化しているような。
東京Y字路についての話とその試みが衝撃的。あと自分よ読書は時間の無駄というのも衝撃的。
じぶんのものさしで生き、体のことばに従い、頭を空にする、というような姿勢が実感から発していて、啓発本読むより得るものあった。 -
芸術家の日常、猫の話を期待していたが、タマの話ではなくて、その点は当て外れだった。そのため-1してしまいました。
芸術家はその情熱(魂)が結果として長生きにつながるのだな。
老人とはいってもおじいさんではない、長く生きてきた「人」の、体と頭(心)についての考えに引き込まれました。
以上です。 -
猫背なので買いました。
けど、猫背に関することは、あまり書いていません。
”猫背すなわち老人”というページを読むと、
タイトルの意味がわかってきます。
病気自慢の内容がたくさんありますが、
創造=生命力という観点から
様々なお話が詰まっています。
芸術家でなくとも
デザイナーでなくとも
クリエイティブであるということは
どういうことかを
根本から教えてくれる本でした。 -
自分捜しより、自分の身体捜し
私とはこの身体です。からだえの声を聴く。
寝る瞬間を見届けてやろう。。
人は、なかなか単純にはなれないものだ。問題をあれこれいじくり回して複雑にしてしまうから、人間は悩みから開放されない。
18, Feb 2011 -
美術家横尾さんののエッセイを初めて読んだ。好きだな~。
~バルザック曰く、「芸術家にとって閑暇が労働であり、労働が 急速なのだ。」という。つまり芸術家は常に規則に従うことを拒絶し、自らが自らのための規則に生きることを本懐としているのである。世の中の潮流や流行は意に介さず、無頓着でいなければならない。社会や他人の支配に従うのではなく、その時の気分(そう、この気分が大事である)に従うのを第一にしなければならない。~
こんなん聞いたらさらに気分で行動しちゃいますよ~。