人事部は見ている。

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532261221

感想・レビュー・書評

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  •  他の部門からは分かりづらい日系企業人事の業務内容。

     参考になる記述として、
    ・曖昧な職責の企業では「まわりからの評判」が人事評価となること
    ・偉くなるには忠誠心と、「偉くなる人と長く一緒にやれる」能力

     最後の2章は、元人事部として現在の人事制度が抱える問題点とこれからの姿を提示。
    ・終身雇用を前提とした正社員制度が限界を迎えている→転職、中途を考えるべき
    ・ジェネラリスト一辺倒ではだめ→人事の複線化

  • 大手企業で人事を担当していた著者による企業人事に関する本。私も人事担当を経験したが、本書は的確にその仕事について述べていると思う。ただ、特に新しく得た知識はほとんどなかった。印象的な記述を記す。
    「「家を建てると転勤の辞令が出る」と社員間で語り継がれているが、実際にそういう運用をしている会社は皆無であろう」p35
    「社員は周囲が見るよりも自分のことを高く評価している」p49
    「同僚がいちばん厳しい意見をする傾向が強い」p50
    「(タレントの島田紳助)「(ライバルの)誰かにちょっと負けてるなあと思ったときは、だいぶ負けている」」p51
    「2年間、楠木さんの横で採用面接の結果を見ていると、その学生と少し話しただけで楠木さんが採用するかどうかがわかってきます」p60
    「新入社員の頃の課長は偉かったなあ。こんなにこまごまとした調整はやっていなかったはずですよ」p179
    「(若い市職員が係長登用試験を受けないことについて)昇進しても賃金はそれほど変わらないのに、責任は重くなり、市会議員や住民との対応で気苦労が多い」p198

  • ・日系の大企業でサラリーマンをしている人
    ・出世したい人
    ・人事の仕事に興味がある人
    上記のどれかに当てはまる人は、読んで損はないと思う。実務的な側面から真面目に書かれていて、読了後はとても満足感があった。
    ”人事部員が見た出世の構造”はマストで読みたい。
    「大手企業の内部管理機構で活躍できる能力」を掲げ、「課長まで」と「部長以上」での出世メカニズムの違いを解き明かす。

    若い内に読むことができて、本当に幸運だと思う。

  • 人事は、サラリーマンの一番の関心事。人事の仕事も知っておきたい。

  • 人事部が何してるかを紹介している。
    どういう人が出世しているか といった現場の生の声は面白かったが、終盤の内容は月並みな感じがした。

  • 『で解決方法は?それはみんなで考えよう』
    現在の人事、というよりも会社で働く生活スタイルの矛盾や問題点が分かりやすくまとめられている一冊。

    あくまでも問題点を具体的なエピソードを挙げながら説明していくものなので、それに対しての解決方法は提示されていない。
    もちろん著者なりの解決案もあるのだろうが、それはこの本では書かれていない。

    この本を読むと団塊ジュニア世代(僕自身もそれに当たる)に矛盾のしあ寄せが来ているように思ってしまうが、実際には僕らよりも年齢が若い世代の方がその影響を大きく受けている。

    僕は上の世代に対して既得権益を下の世代に譲れ!という前に、自分ができる範囲で自分よりも若い人たちを助けていきたい。
    そう感じることができた一冊だった。

  • 人事部の機能・役割を、会社の規模を考慮した上でコンパクトに解説。
    著者は、人事という仕事に対して、真摯に誇りを持って臨んでいたことが伺われます。

    人事ネタということで、せっかくなので「評価」関係のトピックスを抜粋。

    ①人は自分のことを3割高く評価している

    ②役員を選ぶ基準は忠誠心
      ~究極の選択を迫られる社長(自分)を応援してくれるどうか

    ③出世はエラくなる人と仕事をできるかどうか
      (=エラくなる人がいる部署に行けるかどうか)

      ~但し、出世には2つの条件有。
        条件1:上司を「察する力」(立てる力、枠内に収まる力)
        条件2:他部門調整力(○○に説明したか?××はどう言っている?)

  • 人事がどう動いているか良くわかる良本。
    ただ、著者は大手企業の人事部出身なので、今度はもっと規模の小さい会社の人事担当の本も読んでみたい。

  • 人事部で行っている評価が、課長までのマス管理と部長以上の個別管理に別れていることをはじめて意識した。自分の立場を考えると、ヒキの強い上司との関係を築いていく必要性を感じた。二つ上の上司と良好な関係を持つことも重要。自分の会社でも終身雇用の形態が崩れつつある中で、人事制度が変わってきていることを自覚した。

  • 「人事部ってこういうとこですよ」
    そう教えてくれる本。
    それ以上でも以下でもない。

    たしかに人事部への偏見があるサラリーマンは多いかもしれない。
    その辺のニーズを上手く汲み取って、部数をのばしているよだ。
    人事部をよく知らない人や、若手人事部員のための教養本といったところだろうか。

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著者プロフィール

楠木 新(クスノキ アラタ)
楠木ライフ&キャリア研究所代表
1954年神戸市生まれ。1979年京都大学法学部卒業後、生命保険会社に入社。人事・労務関係を中心に経営企画、支社長等を経験。47歳のときにうつ状態になり休職と復職を繰り返したことを契機に、50歳から勤務と並行して「働く意味」をテーマに取材・執筆・講演に取り組む。2015年に定年退職した後も精力的に活動を続けている。2018年から4年間、神戸松蔭女子学院大学教授を務めた。現在、楠木ライフ&キャリア研究所代表。著書に、『人事部は見ている。』(日経プレミアシリーズ)、『定年後の居場所』(朝日新書)、『定年後』『定年準備』『転身力』(共に中公新書)など多数。

「2022年 『自分が喜ぶように、働けばいい。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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