人口減が地方を強くする

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (217ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532263027

作品紹介・あらすじ

「人口の東京一極集中による地方の消滅」という発想に支配される地方活性化策。それは、若者を補助金頼みの地方定着へと誘い、人口バランスに大きなゆがみを生じさせる。たとえ人口が減っても、地方は豊かな暮らしの場となれるはず。人口減を受け入れることで見えてくる、地方再生の新たな道を示す。

感想・レビュー・書評

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    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/685128

  • ふむ

  • 人口減少社会、限界集落など自治体消滅論が喧伝される中、自治体は、若い人を引き寄せるため、あの手この手の補助金施策を打ち出し、ゼロサムゲームならぬマイナスサムゲームに鎬を削っている。しかしながら、一時的な人集めは収入が安定しない移住者世帯を生み出すだけであり、そんな人たちは補助金が打ち切られれば地域外に流出していくだけ。少ないパイの奪い合いは愚の骨頂。大事なのは日本のどこに住んでいようが生きていけるだけの環境をつくりあげること。人口減少社会という現実をしっかり受け止め、目先に囚われることなく百年の大計をもって、どうこれに向き合っていくのかを真剣に考えていく必要がある。

  • 藤波匠『人口減が地方を強くする』読了。

    ①人口の東京一極集中は誤りで、たしかに増えてはいるがそれ以上に人口移動が生じているのは、地方中核都市が地方都市の、地方都市が郡部の人口を吸い上げている。
    ②「地方消滅」と言われている自治体は、移住者に補助金を給付する移住促進政策が進められているが、そんなのは「金の切れ目が縁の切れ目」になるからやめるべき。
    ③人が地方にとどまれるような雇用を生み出すこと(僕の言葉では「内発的発展」)を最重要課題として取り組め。

    というような内容の本。
    そもそも①だけ読んでても楽しかったです。

  • 日本総研に籍を置く著者が政府の日本創生に物申す。『地方消滅』とは対極のタイトルだが、ICT技術(介助ロボットや自動運転車両など)により高齢化が進展した地方でも住み続けられるという論旨には素直に頷けない。人口減で地方が強くなるには、都市計画、個人資産の流動や収用など大胆な法改正による制限が必要だ。結果としてコンパクトシティができるようになれば理想。地方が消滅するのではなく、地方自治体という枠だけが消滅するという主張はそのとおり!

  • ・仕事がないところに、人は定着できない。

    ・地方創生は、地域住民自らが身を切る覚悟で取り組むべきものであり 
     住民自らが変わることであるといえる。

    ・Iターンよりも、まずはUターン。
     まずは、Uターンをターゲットとして、若い世代の取り込みを検討すべき。

    ・行政が考えるべきは、移住先や空き家の紹介よりも、仕事と人のマッチング。

    ・自治体同士で、若い世代を奪い合うのではなく、
     より魅力的な仕事を増やすことに注力すべき。

    ・地域の課題を解決する「なんでも屋」を育成。

    ・資源の多目的、異分野利用で、フル活用。使い倒す。「範囲の経済」を目指す。
     同一製品を多く作り、コストを圧縮する「規模の経済」と対になる概念。

    ・人口を集めることに固執せず、持続的な雇用を創出すること。
    ・地域で収益を上げ、持続的な経営を図ろうとする企業を増やすこと。
    ・企業誘致よりも、地元企業を逃がさないことが大事。

    ・クラウドファンディングなどで、不特定多数の人から評価を得た事業は、
     一定の事業性や持続可能性が担保されたと考え、銀行が融資する。

    ・若い世代には、彼らの生活だけではなく、その子供の世代を養育し、
     高い教育を与えるだけの所得が必要。

    ・中山間地域は、「豊かな田舎」になることを目指すべき。

    ・人口減少が進む日本において考えるべきは2つ。
     1)若い世代の所得を引き上げること
     2)人が減っても暮らし続けることができる環境を作ること

  • (日経新聞電子版のコメント)
    『地方消滅』を意識するあまり、地方同士が若者らを取り合おうとする動きを批判する。「人口移動は結果であり、目標にすべきではない」と考える著者は、地場産業とICT(情報通信技術)を融合した新ビジネスなど、仕事の創出を優先すべきだと提案

  • もう一度読みたい。

  • 行政が考えなければならないのは、移住先や空き家の紹介よりも、仕事と人のマッチング。正しく、その通り、この本がスラスラ読めるのは自分の考えとシンクロしているからか?裏を返せば新たな発見はない訳だが、考えてきた事に裏付けがとれた気がする。

  • 地方再生っていうのもこうやったらできるはず、を経済界寄りから入っている。じゃあ具体的に何やったらできるかみたいな話はあまりない。その点はつまんない。東京が人口を引き寄せてるんじゃなくて地方中核都市引っ張ってるというのは、私の実感にとても近い。飯の種のあるところにしか人が寄せられないというのは確かに真実なんだが、飯のタネの作り方の話をするのは、この話とはまた別のことになるんだけど、それがちょっと難しいかなと思った。
    なんか相性的に難しかった。

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著者プロフィール

(株)日本総合研究所 調査部 上席主任研究員
1992年、東京農工大学農学研究科修士課程修了。同年、東芝入社。99年、さくら総合研究所入社。2001年、日本総合研究所調査部に移籍、山梨総合研究所出向を経て08年に復職。主として地方再生、人口問題の研究に従事。著書に『子供が消えゆく国』『人口減が地方を強くする』など。

「2023年 『なぜ少子化は止められないのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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