- Amazon.co.jp ・本 (437ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532312404
作品紹介・あらすじ
強烈なリーダーシップでGEを時価総額・世界No.1企業に育て上げ、「20世紀最高の経営者」と呼ばれるジャック・ウェルチ。そんな彼が、「人材採用のチェックポイント」から、「いやな上司への対処法」「天職の探し方」「中国との競争に勝つ方法」まで、ビジネスで成功するためのノウハウをたっぷりと、驚くほどに具体的に明かす。経営者から管理職、チームリーダーから新入社員まで、どんなポジションの人にも必ず役立つ実践的アドバイスを満載したビジネス指南書の決定版。全米大ベストセラー。
感想・レビュー・書評
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良書 ジャック・ウェルチの人事政策が知りたくて手にとりました。
本書の主旨は、「勝つためには何をすればいいのか」です。
気になったことは次です。
・言うべきことを言わなければいいアイデアや迅速な行動が邪魔され、優秀な社員が会社に貢献しようとすることをやめてしまう。
・バリューで実際すごい効果を上げたものといえば、なんといっても選別だ。
・部下を人事査定して、トップ20%、ミドル70%、ボトム10%に分類する。
・リーダーの成功は、他人を成長させることだ。
・リーダシップはパラドックスのかたまりだ。
・適切な人材の候補者は、まず、誠実であること、知性をもつこと、仕事に成熟していることだ。
・次に適切な人材とは、ポジティブなエネルギー、他人にエネルギーを吹き込む、つらい判断を下す勇気、仕事を実行する能力だ。
・人を解雇するケースは、3つ。①不誠実な行為、②不況による解雇、③成績があがらないための解雇
・解雇するときは、不意打ちを食らわせない、屈辱感を最小にせよ、
・危機管理にあたって、①見かけよりひどいと想定する、②やがてすべてがさらされる、③血を見ることなく収拾できる危機はない、④危機を乗り越えられればさらに強くなれる。
・優秀な経営戦略 ベストプラクティス:①真似をする、②改善の手を加える、③改善を加え続ける
・予算をつくるのは、社内の積み上げではなく、市場の成長を配慮してチャレンジする。
・新規事業には、適材を投入し、レポートラインを上層部へ。予算を確保するために大騒ぎする。
・企業買収・買収、7つの罠におちいらない。
・昇進は、運だ。だめでも腐らない。
・上司に対するのと同様に部下も大事にする。
・仕事と家庭とのバランスをとる。
構成は以下の通りです。
はじめに
PARTⅠ 最初の四つの原則ー「すべての底に流れるもの」
1 ミッションとバリュー
2 率直さ
3 選別
4 発言権と尊厳
PARTⅡ あなたの会社
5 リーダーシップ
6 人材採用
7 人事管理
8 別れ道
9 変化
10 危機管理
PARTⅢ あなたの競合会社
11 戦略
12 予算
13 社内ベンチャー
14 企業合併・買収
15 シックス・シグマ
PARTⅣ あなたのキャリア
16 転職
17 昇進する
18 難しい点
19 仕事と家庭のバランス
PARTⅤ 最後のまとめ
20 あれ、これ、すべて
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これ、おもしろいです。
上から目線で「経営とはなんちゃら」と論理展開されるのではなく、同じような目線で、そのノウハウをべらんめい口調で語ってくれる、そんな本でした。
まずは、4つの原則
ミッションとバリュー
率直さ
選別
発言権と尊厳
についての説明。具体的でわかりやすい。また、ミッションとバリューについては、いろんなビジネス書でも言及されていることと思います。
さらには、
リーダシップについて、「8個のルール」
人財採用について、「誠実、知性、成熟度、そして4E+Pのフレームワーク(Energy,Energize,Edge, Execute,Passion)」
戦略立案について、「5枚のシート」
自分自身のキャリア形成について
昇進や評価について
などなど、多方面のテーマについて、ウエルチさんの思うところ、ノウハウ、経験を具体的に語られていて、かつ、それをわかりやすく解説しており、とても説得力があります。
また、本書では、彼の失敗事例も多く語られています。最高の経営者といわれながらも、すべてが成功してたわけじゃないのよね。っと思うと、とても親近感が沸きます。
さらには、彼の人間くささが、あちこちで出てきます。
そんなところも、この本が面白いと思える理由です。
最後に、リーダとは
「リーダの成功とは他人を成長させること」
「部下のことを考えるのが仕事」
メモしておこう。 -
「20世紀最高の経営者」と称される、GE会長兼CEOジャック・ウェルチが自身の「ビシネスで成功するためのノウハウ」をざっくばらんに述べた本。
具体的に書いてあり非常に読みやすい。
第1章「最初の4つの原則―すべての底に流れるもの」
あらゆるビジネスの底に流れる4つの原則として、「ミッション(経営理念)とバリュー(行動規範)」、「率直さ」、「選別」、「発言権と尊厳」について論じている。
ミッションは「私たちはこのビジネスでどうやって勝とうとしているのか」という問いかけに答えるものであるとし、
昔のGEのステートメントは「世界でもっとも競争力のある企業になる。そのためにすべての市場でNO1か2になる。その可能性のない事業はテコ入れするか、売却するか、閉鎖する」であったと紹介、
解釈の余地がなく、具体的で曖昧なところもなく、社員に世界を志すという心を躍らせる要素もあると説明している。
バリューについては解釈の余地がないものに、そして全社員がバリュー策定に際して発言権を持つべきだとしている。
そうすることで洞察力が高まり、アイデアも増え、社内で造反者も表れず多くの賛同が得られるのであると。
そして率直であることのメリット(豊富なアイデアが生まれ、スピードが出、コスト削減につながる)と
デメリット(取り繕うためにほんとうにことを言わないでいると、結局は人との信頼関係をぶち壊すことになる)について、
そしてみんながオープンに話せ、それに敬意を持って聞き耳をたてる雰囲気を作りだす大切さについて論じている。
第2章「あなたの会社」
リーダーとなる人物が行うべき8つのルール(リーダーシップ)や、人材採用の際にチェックする3つの前提(誠実さ、知性、成熟度)と4E1P(Energy,Energize,Edge,Execute,Passion)、人事管理、解雇、
そして変化・変革(明確な目的と目標を持て、とんでもない事故が起きたときこそ変化のチャンス)、
危機管理について。
第3章「あなたの競合会社」
戦略、予算、社内ベンチャー、企業合併・買収、シックス・シグマについて。
第4章「あなたのキャリア」
犠牲にするものがあっても全然気にならないExcitingな仕事(=天職)の見つけ方、
昇進を目指す際にやるべきこと(期待を超える業績を上げる、与えられた任務を超えて仕事の範囲を広げる、ビッグプロジェクトで存在感を示す、ポジティブさで周囲を感化、多くのメンターに助言を求める…etc)とやるべきでないこと(挫折しても決して歩みをとめるな…etc)、
そしていけ好かない上司の下に配属された場合の対応策(自分にだけひどい態度で接してくるなら話は別、周りがあなたの苦境を理解、同情してくれてるなら踏ん張って仕事に全力を尽くしていれば必ずご褒美がある…etc)、
仕事と家庭のバランス(何をしているときでもそれに集中すべし、自己のWinを忘れずになど)
について論じている。
仕事と家庭のバランスで扱われている「ポイント制」は、社会人経験のない自分でもわかる気がした。
よい業績を上げる人にポイントが付与され、ポイントは自由度(いつ、どこで、どうやって働くか)と交換出来る。
これはいかなる組織(部活、サークルなど)に所属していても通じるものがあると感じる。
前半は人事考課や人材採用、リーダーシップなど会社のトップが立つ人(著者は本文中で人事部門は組織の上のほうに置かれ、マネジャーがリーダーを育てキャリアを築く手助けする能力を持つべきと訴えている)に対しての提言が多いが、トップはどう考えているのかがわかり、勉強になる。
「つまるところ、経営とは人だ」という信念が本文中で何度も表れるように、人をどうEnergizeするべきか、いかにして後味の悪さを最小限にし苦痛を少なくして辞めてもらうかなどといった「対人関係」のアドバイスが多く、そういった面では自己啓発に近い内容のように思う。
かなりのボリュームがあるが、所々にジョークやジャックウェルチ自身の体験談等も織り交ぜながらわかりやすく書いてあり(訳もとてもわかりやすいと思う)、意外にサクサク読める。
経営初心者の自分でも、ビジネスマンとしてどうあるべきかがなんとなくわかってきた。
本気で働くって刺激的で、面白いんだなと感じさせてくれ、社会人になるのが楽しみになった。 -
ジャック・ウェルチ氏の本はそれだけでも説得力があるが、本書は書いてある内容自体かなり説得力を持っている気がする。本書は戦略、キャリアパス、バリューなど様々なトピックが盛り込まれているが、読者それぞれに参考となる箇所があると思う。私は人材採用面で「誠実」「知性」「成熟度」が最も重要な要素だという点、また戦略を難しく考えるな、という論調が特に共感できた。
難しいことは全然書いていないので純粋な読み物としても大変有益な本である。お勧めします。 -
・リーダーになる前は、成功とはあなた自身が成長することだった。ところが、リーダーになった途端、成功とは他人を成長させることになる。
・力いっぱいスイングして空振りしたっていいんだ、自慢できるような経験でなくてもその経験から学び取りさえすればいいんだ、ということを見せるなめに、包み隠さず話すことにしている。
・スターは、気をつけないとモンスターになる
→自分も傲慢にならないように気をつけること。
・戦略なんて限られた資源をどう割り振りするか、それだけのことだ。
戦略はどうやって競争していくかを選択するってことだ。 -
フランクであれ!
この方は、硬直マインドセットから、しなやかなマインドセットに変わった方の1人として、その経緯や失敗談から学べるものがあると思い手に取りました。
一番印象に残ったのは、1章の率直さについて書かれていたところです。確かに社内で率直であり続けることは、日本の企業ではどうしても浮いてしまう。自分も新人の時には何度か苦い経験を味わい、そこからどんどん内向的になっていったのを覚えています。
ただ、これを社会全体の人間関係として捉えれば、自分の世界はもっともっと広がっていくことに気づきました。今は、なるべく周囲の人に率直に接しています。その方が、早く仲良くなれるし、親密になることができると思います。いろいろな視点で見ることができる本だと思います。 -
20世紀最高の経営者であるGE(当時の時価総額世界No.1企業)会長兼最高経営責任者ジャック・ウェルチのナンバーワン著書。
経営学最高の1冊。とにかく内容がシンプルであり、明確。曖昧さがなく読み手も気持ちよくなる。
〇「市場でNo1かNo2になれない事業は、テコ入れか、売却するか、閉鎖する」この1節はあまりにも有名。
・市場で4位か5位でいると、No.1がくしゃみをしただけで肺炎にかかってしまう。
〇組織に不可欠な三つの要素
①明確なミッション。はっきりとした目的を与え、部下をぶれなくさせる。
②明確な価値観または行動規範。ミッションを達成するために、どのような行動をとるべきか指針を与えるもの。
┗ 具体的で現実に即したものであればなんでもいい。逆に言えば、具体的で現実に即したものでなければ意味がない。
┗ ミッションは方向性を正確に示し、バリューは、その目的に到達するために取るべき行動を表現する
┗ ミッションは会社のリーダーシップを明らかにする、ミッションはリーダシップの真の試金石である
③率直で厳格な評価システム。部下に結果を出しているか、価値観に沿った行動をしているかどうかを知らせる羅針盤。
〇社内の変化を加速するには
・変化の必要性を何度も何度も訴える
・厳しいメッセージは一度や二度では信じない、もしくは理解しないのが人間
・自分の主張をいやになるほど繰り返す
・だれ一人残さずメッセージを伝える。よくある間違いが自分の身近な人にだけ伝える事
・変化した人材は賞賛する
〇リーダーの必要な素養。4つのEと1つのPのフレームワーク
・ポジティブなエネルギー(Energy)。GOGOGO!と行動するちから
・エナジャイズ。エネルギーを周りの人に吹き込む能力(Energize)
・決断力(Edge)
・実行能力(Execute)
・パッション(Passion)
ポジティブエネルギー、エナジャイズ、パッションは基本的に生まれ持ったパーソナリティの問題。だが、決断力と実行能力は、ビジネス最前線で磨かれる。
採用するときは、4つのEと1つのPに着目すれば未来のリーダーを採用しやすくなる。
〇リーダーが行うべきこと
・リーダーはチームの成績向上をめざして一生懸命努力する。あらゆる機会を捉えて、チームメンバーをコーチして自信を持たせる
・部下にビジョンを理解させるだけでは不十分。リーダーは部下がビジョンにどっぷりと浸かるようにさせなくてはならない
・リーダーはみんなの懐に飛び込み、ポジティブなエネルギーと楽天的志向を吹き込む
・リーダーは率直な態度、透明性、信用を通じて、信頼を築く
・リーダーは人から嫌われるような決断を下す勇気、直感に従って決断する勇気を持つ
・リーダーは猜疑心と言い換えてもよいほどの好奇心で、部下に質問し、プッシュして、部下が行動で答えるようにさせる
・リーダーはリスクをとること、学ぶことを奨励し、自ら率先して手本を示す
・リーダーは派手にお祝いをする
〇リーダーの育成
・リーダーは生まれつきか、作られるものか?答えは両方
・エネルギーにあふれ、周囲に活力を与える、情熱を持つ人を採用すべき
・決断力と実行力を育成する研修を行う
・常に念頭においてほしいのは、誰もがリーダーになれるとは限らない点
・あなたの仕事はリーダーとなる可能性を持つ人材を探し、育てていく
〇優しい上司は勝利を掴めない
・いいひとタイプの上司は誰に対しても同じように優しく情のこもった弱々しさで接する
・ミスに対しても、結果を考慮せずに、たいしたことはないさと片付けてしまう
・人のニーズや望みに応じてコロコロ方針を変えてしまう
・勝利を手にしたいと思う人は、厳しいが公平で、厳しく尻を叩くが応分に賞賛しストレートに接する人物を求める。
┗ 業績を上げられない人は、こういう上司がどこかに消えてしまえばいいと願う。組織に不要な人物。
〇そのほか
・「効率」という言葉はよくない。「創造性」という言葉を使うべき
・日々、驚きを探し回ること
・余儀なくされる前に、改革せよ。改革は余裕のあるときに行う
・成熟した人間とは、ユーモアのセンスがあるひとだ
・リーダーは伝染性をもっている
・ホンモノであればリーダーは好かれる
・「ホンモノであること」は、彼らのコミュニケーションのとり方に現れ、人々の心の琴線に触れる
・戦略はどうやって競争していくかを選択すること。すべてのひとのためにすべてものをかなえるなんて無理 -
・1980-2000頃に活躍した、経営の神様。
・大事なのは「率直さ」
・20-70-10の法則により、下位の10%の従業員には会社を去ってもらう。
・これは非情なことではなく、10%の人たちにはすこしでも早く適職を見つけてもらうため。残ってもらうのは本人にとって幸せではない。
・例えば、野球チームでいえば、ずっと控え選手のままでよいのか?よくないことは本人が一番よくわかっている。
・工場の従業員には組合をつくらせないようにしていた。
・統合、買収、M&Aについても積極的な考え。
・とにかく会社が発展することが第一。そうすればおのずと従業員も幸せになるらしいが。
・WLBとか家族、趣味のことはまったく出てこない。この本からは仕事第一ということか。
・会社に対して、特別な配慮を求めてくるのは決まって平均以下の社員。上位20%の社員は文句は言ってこない。家庭内・プライベートのことも効率よくこなしているので、ライフ・ワークのバランスはきちんととっている。(P384)
・ウェルチさんの考え方は理解はできるが、100%共感できるものではない。少なくとも、社内での上位20%の者と平均以下の者を完全にわけて考えることは難しい。会社を存続させ、発展させるためには、このような考え方でないとだめなのか。