日本の電機産業 何が勝敗を分けるのか

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著者 : 泉田良輔
  • 日本経済新聞出版社 (2013年4月16日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532318840

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日本の電機産業 何が勝敗を分けるのかの感想・レビュー・書評

  • 近年の日本の電機産業を代表する企業の苦戦状況と、海外のグローバル企業の戦略を対比させることにより、今後の企業戦略の指針を提示している。
    理論先行ではなく、実際の企業戦略とその結果(事実)をベースに論じており、読みやすかったでした。
    紹介されているのは、コンシュマー向け企業として、シャープ・SONY・パナソニック・東芝・ダイキン工業・任天堂。インフラ向けとしては、日立製作所・三菱重工。制御機器企業として三菱電機など。海外グローバル企業としては、この種の書籍の定番である、アップル・サムスン・インテル・マイクロソフト・クアルコム・グーグルなどです。
    日立製作所などは、本書で提言している様に、近年は日立系の関連子会社を統合化する方向に動いていますので、まさに先見があったといったところか。
    著者の主張である、今のコンシュマー向けの経営戦略のキーワードは、「垂直統合型アーキテクチャー」「ハードウェア」「UI(ユーザインターフェース)」にドッキリしたが、読後に十分納得できました。
    モノづくり日本の復活というより、著者の考えである、サプライチェーントータルでの全体最適化による利益を生み出す体質への飛躍を、ぜひ期待したいものです。勿論、我が社も含めて(笑

  • ○こうした情報が集まるというサイクルは、アップルが社内にデバイスの製造事業を持たず、オープンソースから情報収集することを明らかにしているからです。そうすることで、デバイスメーカーは、自分たちの技術が盗まれるのではないかといった警戒心を抱かなくなります。(56p)

    ○サムスンの勝ちパターンは、確立された技術について圧倒的な資金調達力で大規模な設備投資を行うことで、競合企業に対して投資のタイミングで優位なポジションを確立するという戦い方です。(67p)

    ○日本の電機メーカーが苦境に立たされているのは、製品の機能の提案にとどまっていたり、バージョンアップや地域限定の製品の提案にとどまっていたりするからです。(134p)

    ★日本の電機メーカー各社を、詳細に分析してみせる。注釈も豊富。

  • タイトルは日本の電機産業となっていますが、この本は日本の製造業が現在持っている技術力を有効に使って成長するためには、どのような分野にどのような戦い方をすればよいかを提言している本です。

    日本でも何人かが既に述べていますが、家電関連の成長は難しく、自動車や重電関連が伸びるようです。それも一度に多くの分野を手がけるのではなく、一つの分野に絞るべきとしています。

    サムスンを少し礼賛し過ぎている嫌いはありますが、競争のルールが変わった・技術の目利きをして外部を活用する、という考え方は興味有るものでした。

    以下は気になったポイントです。

    ・入力インターフェースとして代表なのが、タッチパネル・モーションコントロールがあるが、出力側は、3DやAR(拡張現実)がある(p19)

    ・任天堂の出力インターフェースの工夫としては、ダブルスクリーンや、裸眼立体視を採用した「3DS」がある(p21)

    ・ソニーやパナソニックなどの日本のAVメーカの凋落が激しいのは、日本が得意としてきた「デバイスの品質」「独自デバイスの量産体制」によって最終製品を差別できなくなったから(p34)

    ・電子機器のものづくりが水平分業型にシフトすると、組み立てを専門に行うEMSは世界中から部材を調達でき、強くなっていった。その代表がホンハイ工業グループ(p37)

    ・アップルのものづくりの中心は設計、基礎研究ではなく、デバイスメーカが試作まで完成していて資金さえあれば量産できるという製品化一歩前のデバイスを最大限に活用する(p55)

    ・サムスンの勝ちパターンは、確立された技術について圧倒的な資金調達力で大規模な設備投資を行うことで、競合企業に対して投資のタイミングで優位なポジションを確立する(p67)

    ・サムスンが厳しいのは、1)技術的に遅れている、2)アップルとの訴訟問題により、アップルという顧客を失った、3)キャッチアップ型から開発型に移行しなければならないが、経験したことがない(p72)

    ・戦略を語るとは、なぜその事業に決めたのか、なぜ利益率をそうしたのかをの実現性を説明することにある、何をしないかを決めることが大事(p79、80)

    ・グローバル競争に勝つためのパターン、1)外部を使う、2)競争優位を見極める、3)総合優勝より科目優勝、4)そらす戦い、5)プラットフォームを獲得(p92)

    ・日本のメーカに欠けていたのは、世界で売れる製品にするために、何をどこまで汎用と定義するか(p131)

    ・戦後、GHQは過度経済力集中排除法の施行により日立を19の会社に分割しようとしたが、分割をさけるために、日立の各工場が原材料から完成品までを一貫生産するために有機的につながっていることを説明して認められた。一方松下は分割させられた(p195,206)

    ・日立単体の収益性が低いのは、日立が日立グループの研究開発を行っているから(p196)

    ・そらす戦い方とは、技術の延長線上で勝機を見つけるのではなく、技術やアイディアを組み合わせることで、ユーザーに新しい体験を与えられるかといった判断を下す編集作業が必要(p219)

    ・プラットフォームを確立するのは、確立したもののみが、そこで行われる経済活動をコントロールできるから(p228)

    ・スマホが、3GやLTEで常時ネットワークにつながっているのに対して、ニンテンドー3DSは、すれ違ったときだけ互いに情報を送受信できる(p229)

    2014年8月2日作成

  • 事業モデルを垂直統合型にシフトできない企業は駆逐されていく。
    サムスンの競争力も失われているうえに、次の事業も見えてない。デバイスからは撤退してもソフトをやるなら日本企業と同じ。
    各社の事業セグメントは、サムスン2、アップル1、ソニー8、パナ7、東芝4

  • 電機各社の歴史を学ぶにはよい。ただ、ざっと読んだだけだと、プラットフォームの定義がよくわからなかった。

    大事なのは商品の絞ることなのだろうが、垂直統合を過大評価している気もする。

  • 地元の図書館で読む。

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日本の電機産業 何が勝敗を分けるのかの作品紹介

技術だけでは勝てない!この現実をいち早く見抜いたアップルとサムスン、東芝。自社の強みを見出せず、苦境に陥ったシャープ、パナソニック。どう仕組みを再設計すれば復活できるか。これからの戦い方と勝機を探る。

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