LEAN IN(リーン・イン) 女性、仕事、リーダーへの意欲

制作 : 川本 裕子 
  • 日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532318970

感想・レビュー・書評

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  • 「キャリアを左右するような最も重要な決断を1つ挙げろと言われたら、私なら結婚と答えるだろう。結婚すると決めること、そしてそれがどんな相手かということは、決定的に重要だ」
    ほんと、それ。現代で女性が楽しく働きつづけようと思ったら、バリキャリじゃなくても、パートナー選びが超重要。「ビジネスゲーム」と同じく、結婚を考える前に読んでほしい良書。現実的で、読んでもムカムカしなくて、明日もがんばろうと思える。

  • 2013年発売。当時大きな話題になっていたから私も早々に買っていたが、ずっと積読したままだった。会社でエリート女子として有名な先輩が、シェリルさんと一緒に写真を撮ってもらったりしていて、私は僻んでいた。

    ムスメが5歳の頃で、まだ保育園に遅れずにお迎えに行くことに毎日必死だった。会社では同期が海外トレーニーに飛び立って行くのをうらやましく思いながら、私はノー残業を第一に定型業務ばかりやっていた。第二子がほしいと明確に伝えたが、元夫から拒否されて拒否されて、一番荒んでいた頃かもしれない。

    世界的なエリート女性が書いた売れ筋本げな、とても開く気持ちにはなれなかった。

    この本に手が伸びるまで、8年かかった。離婚して1年が経ち、前向きな年下の同僚に刺激を受けたが彼がすぐ異動してしまい、でもそれはきっと彼のキャリアにとっていいことだと素直に喜ぶことができた時、やっとこの本に手が伸びた。

    成長可能性が高い方を選ぶとか、シェリルさんの言葉を肝に銘じ、これからも働き続けていこうと思う。もし私が部下を持つような立場になれたら、また読み返したいと思う。

  • 先日、NHKで著者・サンドバーグさんのプレゼンテーションが放送されていたのだが、うっかり観るのを忘れていた。それもあって、手に取った本。奥付けをみると、6月初版、8月で7刷と、結構なスピードで売れている。

    現在、フェイスブックの最高執行責任者(COO)を務めるサンドバーグさんの、「仕事を持つ女性」としての経験と考えをまとめた本。仕事が好きで、家族も大事にしたいものの、そこにはさまざまな障壁があって、七転八倒し、問題解決に東奔西走するさまが率直に描かれている。

    実はアメリカは日本や欧州よりも労働法制が遅れており、不備に対して率直な声を上げないと、それをカバーする方法は出てこない。しかもアメリカの企業社会にも、マッチョな男性優位社会の面がまだまだある。そのうえ、「よき母親>>>よきキャリアウーマン」の考えは男女問わず根強いし、「女性らしく」、自分の意見を引っ込めてしまう女性も少なくない。このような、さまざまな局面で女性が出会う困難を分析し、データや研究によって、あらゆる角度から丁寧に説明し、そこから踏み出すにはどうすればよいかが穏やかで朗らかに示されている。理想と現実、傾向と対策を、共感を呼ぶ形で明晰に書かせるとアメリカ人は本当に上手い。フェイスブックという、ジェンダー的にカーストのできていない新しい会社だから、そのあたりの対応が素早くて、サンドバーグさんにとってはとても面白いのだろうと思う。

    自分の置かれた現状を把握し、いかに克服する道を探るかについてのビジネス本ではあるけれど、ゴリゴリのビジネス本ではないし、かといって単純な素敵生きかたテキストでもない。みながみなキャリア・トラックを突っ走れるわけではないし、マミー・トラックだけに人生を捧げられるわけでもない。どちらか一方だけが人生の目的ではないので、ごり押ししないまでも、「あなたのまわりの状況が不利なら、声を上げて、ちょっと踏み出してみましょうよ」と呼びかける。読んでいるうちに、「暗いと不平を言うよりも進んであかりをつけましょう」という、カトリック教会の番組のモットーを思い出した。それに、しんどい時はザッカーバーグ氏の前で大泣きもアリ。そこは「にんげんだもの」的な感じでお願いします。「女の涙には勝てねえや」ではありませんよ、みなさまがた。

    女性の権利と行動範囲の拡大に尽力した先達の言葉が多数引用されていて、そこも知的に刺激的だった。おっさん週刊誌で「近ごろの女子社員はたるんどる!妊娠したら即退職!」などと怪気炎をあげておられるどこぞのサッカセンセイには、オルブライト氏の言葉を献上したい。

    「私の周りじゃとてもじゃないけど無理!」とは言わせない、静かな迫力に満ちていないこともないけれど(笑)、基本、「女子、なんとかなるから考えすぎずにゴーアヘッド!」という励ましを振りまいてくれる本だと思う。全世代で読めると思うし、社会人ルーキーには特に指針になる点が多いのではないかと思う。あと、女性とがっちりいい仕事がしたい男性諸氏にもぜひ。原著を読まれてもいいかと思うけれど、邦訳は日本のデータも組み込んだ「日本バージョン」になっているので、どちらかといえばこちらをおすすめいたします。

  • 育児との両立でキャリアを諦めないで、というメッセージを自身の実体験をベースに力強く発信している本書。
    育休中の今こそ読む時?と思いまして。

    もっとフェミニズム推しの本かと思っていたら、大きな間違いでした。
    あらゆる角度からの異論反論ご意見ご指摘を考慮し抜いていて、
    それでもなお「一歩踏み出そう」と訴えかける勇気に素直にすごいなと感じた。

    この本の中で何度も何度も書かれているが、
    すべての人には選ぶ権利があり、決して仕事で上を目指すことだけを奨励しているわけではない。
    専業主婦も素晴らしい職業だし、ただ自分の好きなように生きることもすべて正しい。
    その上で、男女の差で壁にぶつかる同じ境遇の女性に勇気を与えたい、ただその一心で書かれた本だとわかる。
    本当にこんなにまっすぐな人見たことないというぐらい。

    ”Done is better than perfect”
    (完璧を目指すより、まず終わらせろ)はFBの名言。
    パーフェクトな母親なんていないし、仕事をしながら育児をすることに罪悪感を持ったり、
    専業主婦の母親と比較する必要はない。自分のベストを尽くせばいい。

    月並みだけど、こんなハイスペックな人でも失敗や葛藤、悩みや心配を抱えながらやってるんだなーと。
    とはいえ全然違うステージにいるとは思うので、共感というより、安心に近い気持ちに。
    読みながら思わずくすっとするようなエピソードもたくさんで、笑い泣きしながら読了。
    この感覚、南波さんの「不格好経営」を読んだ時と同じかもしれない。
    途中ちょっと繰り返しがまどろっこしい部分もあったけど、思ったより良いです。

  • 仕事でも家庭でも望むもの全てを手に入れようと行動とともに呼びかける筆者の想いがたくさん詰まった1冊。まだ不完全な現状も踏まえながらわかりやすく記載されていて読みやすかった♪♪この本に書かれている理想・目標が現実になったら仕事も家庭も楽しくなること間違いなしだなぁと感じた(^^)自分も今できる最大限をやって前進しようと前向きになれる良書♪

  • マッキンゼー、財務省、グーグルを経て、フェイスブックのCOOに就いたシェリル・サンドバーグ(1969-)によるジェンダー論。

    ジェンダー論と言っても、学術的に論じるとうい類のものではなく、自身のこれまでのキャリア、経験を振り返るという形式でごく読みやすい。

    女性が企業においてポストを得、昇進する際に存在するという「ガラスの天井」、そして女性自身の自己規制。ジェンダーをめぐる無理解・誤解、そして男女に関わらないそもそもの働き方についての思い込み。アメリカという国で特に進取的なシリコンバレーですらそれが歴然とあるという指摘は、説得力がある。

    企業で働く女性が読むことでより積極的に上を目指す意欲をかきたてられるだろうし、男性が読むことでいかに無自覚にバイアスをかけ、ソフト・ハード両面で不平等な職場環境を形成しているのかということが自覚できるだろう。
    ダイバーシティの掛け声だけはうるさくなりつつある昨今、企業の担当者は議論のてはじめにとりあえず本書を読んでみるのも悪くない。

    本書は男女問わず評価が高いと聞く。おそらくとてつもなく有能な人物である著者が、「自分には自信が無かった」と繰り返し語ることで、読者の目線まで降り、共感を得ることに成功しているのだろう。

  • 日本語版が出たら読んでみたいなと思っていたので読めてよかった。女性の管理職・リーダーが増えたら、女性全体が働きやすくなり、家庭との両立もパートナーの協力も得やすくなる―これからの日本に特に必要だと思う。女性の労働力も必要としている今の日本の現状では特に。世界のデータもところどころに乗っていて勉強になった。私は正社員で働きつづけてって人生を歩みたいけれど、彼女のように意欲ある人がどんどん出てきてくれたらいいなって思う。「迷っても、ぎりぎりまで辞めないで」っていうメッセージが胸に響いた。どうなるかわからなくても、自分で自分の道閉ざすのだけはやめよう、そう思った。

  • TEDのスピーチを見て共感を覚えていた女性の本だった。facebookのCOOというキャリアと母親と言う役割の中で普通に悩んでいる等身大の女性の姿が、様々なデータを基に分析されていて一気に読むことが出来た。キャリアを左右する最も重要な要件=パートナーというのは同感。自分自身を振り返っても、パートナーの励ましが仕事を継続することへの大きな活力となってきた。対等なパートナーを望むのなら、女性自身も自らの考えや行動を見直す必要がある。彼女の夫の生育環境、とりわけ母親の価値観が結果として大きく影響しているように読み取れた。
    次の世代の女性達へ、仕事も家庭も楽しむためのたくさんの示唆に富む本。

  • 何が、女性が社会で活躍する機会を阻害しているのかを知りたくて読んだ。単に男性が問題であるという話ではなく、社会に存在する「女性はこうあるべき」という固定観念が問題とのこと。

    さらに、この固定観念は当人も持ち、無意識にでも女性らしく振る舞ってしまう。例えば、同じ能力を持っていても男女では自信の持ち方が異なる。これは、「女性が自分の能力を主張するのははしたない」と考えてしまっているから。

    また、子育ては依然として女性の役割であるという固定観念も、女性の活躍を阻害している。子どもができることを考え、母親になる何年も前から高い目標を目指さなくなる。子どもを持ちながら働く母親は、子どもを蔑ろにしていると感じてしまう。

    これらの考えは気をつけようと思っていても、無意識に自分も持ってしまっているのだと思う。自分は偏見を持っていないと思考停止するのではなく、自分の考えが偏っていないか、自分にできることは何なのか考える必要があるのだと感じた。

  • ◯仕事を決めるときの基準は一つしかない。それは成長、それも急成長だ。(83p)

    ◯他人のことをほんとうに気にかけ思いやるためには、まずその人を理解しなければならない。(167p)

    ◯達成可能な目標を定めることが、しあわせになる秘訣だと結論づけている。(195p)

    ★フェイスブックのCOOに聞いてみたいことはたくさんあるが、女性問題はこの人らしいテーマだろう。

著者プロフィール

フェイスブックCOO リーン・イン基金理事長
フェイスブックに加わる前は、グーグルでグローバル・オンライン・セールスおよびオペレーション担当副社長、財務省首席補佐官を歴任。マッキンゼーでコンサルタント、世界銀行で調査アシスタントとして働いた経験もある。ハーバード大学にて経済学の学位、ハーバード・ビジネススクールにて経営学修士(MBA)を取得。

「2018年 『LEAN IN(リーン・イン)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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