LEAN IN(リーン・イン) 女性、仕事、リーダーへの意欲

制作 : 川本 裕子 
  • 日本経済新聞出版
3.98
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532318970

作品紹介・あらすじ

新規大卒者の50%が女性となってから30年が経過したにもかかわらず、いまだにアメリカの政府や企業のリーダーの大多数は男性です。つまり、社会生活に大きな影響を与える決定において、女性の声が平等に反映されにくい状況が続いているのです。この問題は、日本ではより顕著です。なぜ女性リーダーが生まれにくいのでしょう?その原因はどこにあるのでしょう?フェイスブックのCOOが書いた全米大ベストセラーの話題作。その「一歩」を踏み出せば、仕事と人生はこんなに楽しい。

感想・レビュー・書評

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  • 「キャリアを左右するような最も重要な決断を1つ挙げろと言われたら、私なら結婚と答えるだろう。結婚すると決めること、そしてそれがどんな相手かということは、決定的に重要だ」
    ほんと、それ。現代で女性が楽しく働きつづけようと思ったら、バリキャリじゃなくても、パートナー選びが超重要。「ビジネスゲーム」と同じく、結婚を考える前に読んでほしい良書。現実的で、読んでもムカムカしなくて、明日もがんばろうと思える。

  • TEDでの講演の映像を見て、かなり気になる内容だったので、自分自身のキャリアに迷っていることもあり、手に取りました。
    この本は女性に向けた、キャリア指南の本だと思いますが、男の自分が読んでも相当に面白く、読む価値のある本だと考えました。ビジネスであっても、半分が女性であることには変わりませんからね。

    。未だに多くの職場で蔓延する女性への不当な扱いには、女性自身の問題もある、と述べています。そして時には敵は他の女である、と。
    このような事例を見ると、アメリカでも日本と大きな差がない現状があるのだな、と非常に意外に感じました。確かに冒頭で書かれるように、日本での女性トップは非常に稀ですが、アメリカでも極少数であり、日本の女性と同じような、仕事でのキャリアと母親としての生活の両立、という悩みを抱えている、と。

    ~~自分の成功ががむしゃらにがんばった結果であり、他人に助けてもらったおかげであり、運にも恵まれたことはよく知っている。(中略)自分にチャンスを与えてくれ、支えてくれたたくさんの人たちにはいくら感謝しても足りない。自分の力だけでは何もできない。
    だが自分がこれから成長し、可能性を拡げていくためには、自分自身をもっと信じなければならないこともわかっている。~~

    この部分が特に印象に残りました。サンドバーグ氏はスーパーウーマンと呼んで違和感ない超人的な女性です。彼女の実体験に基づいたエピソードが多く、「それはあなただからだよ…」と思う部分もありますが、そういった意見にも、理性的に耳を傾けている、と感じます。多様な価値観を認めた上で、それでも女性に一歩進む(LEAN IN)ことを進めています。
    サンドバーグ氏は決して女性にお説教を垂れているのではなく、勇気づけようと、この本を書いたのでしょう。

    実際に私は就職活動を通し、周りの優秀な女性の多くが、あまり野心的とは言えない仕事を選択したのを不思議に思っていました。しかしその中でも、サンドバーグ氏のように、LEAN INしてほしいと感じましたし、そういった女性を応援する立場でありたいと思います。自分自身のジャングルジムなキャリアも目指しつつ。

  • 2013年発売。当時大きな話題になっていたから私も早々に買っていたが、ずっと積読したままだった。会社でエリート女子として有名な先輩が、シェリルさんと一緒に写真を撮ってもらったりしていて、私は僻んでいた。

    ムスメが5歳の頃で、まだ保育園に遅れずにお迎えに行くことに毎日必死だった。会社では同期が海外トレーニーに飛び立って行くのをうらやましく思いながら、私はノー残業を第一に定型業務ばかりやっていた。第二子がほしいと明確に伝えたが、元夫から拒否されて拒否されて、一番荒んでいた頃かもしれない。

    世界的なエリート女性が書いた売れ筋本げな、とても開く気持ちにはなれなかった。

    この本に手が伸びるまで、8年かかった。離婚して1年が経ち、前向きな年下の同僚に刺激を受けたが彼がすぐ異動してしまい、でもそれはきっと彼のキャリアにとっていいことだと素直に喜ぶことができた時、やっとこの本に手が伸びた。

    成長可能性が高い方を選ぶとか、シェリルさんの言葉を肝に銘じ、これからも働き続けていこうと思う。もし私が部下を持つような立場になれたら、また読み返したいと思う。

  • 数多くの調査や経験談を用いて、ジェンダー・バイアス(性差に関する偏見や固定観念)の存在について疑問、解決案を挙げている。
    年代・既婚未婚を問わず、女性なら首が痛くなるほど頷けることがたくさんあると思う。
    自分では気付いていなかった(目を逸らしていた)事実も多かった。
    これらは、既に子どもを持ち家庭と仕事の両立に悩む人も、どちらかを諦めてしまった人も、これから社会に出るティーンにもヒントを与えてくれると感じた。

  • 二十代の頃に、まだボーイフレンドさえいなかったにも関わらず、結婚する前に仕事で早く結果を出さなくては、とひどく焦って働いていたことや、
    職場のオジさんにかわいいコとして扱われることに憤慨し、傷ついていたこと、
    立場として当たり前の意見を年上の男性に言ったら、気分を害されてその後冷たく当たられたことなどを思い出しました。

    こんなことは、もう古い日本企業でしか経験しえない事だと思っていたのに、アメリカのエリートである著者が近しい経験をし、また、同じように感じてもいたことに驚きました。そしてそれを乗り越えて、自分らしくキャリアを築いていることに尊敬の念を抱きました。

    古い世代からの女性差別に傷ついているなんてバカらしい、「気持ちを切り替えて」「一歩踏み出す」勇気をもらいました。

    著者がパートナーと築いている関係も本当に羨ましいと思います。日本で彼のような男性を見つけることはかなり難しいいのではないでしょうか。

    文中に、世界の現状を表すデータが数多く出てきましたが、その際の日本の数字は大体悪いことや最低レベルを表すものとして取り上げてあります。
    そんな日本での女性が働く環境は推して知るべし、です。


    私自身にも言えることですが、女性はまだ起きてもいないことを心配して取越し苦労をしたあげくに自分で自身喪失してしまったり、自分で範囲を限定してしまうことが多いのだと改めて気づかされました。
    自分で自分を強く勇気づけていこう、自分で自分の可能性をせばめないようにしようと思います。

  • 女性は成果をあげることができたとき、運が良かったと思ってしまう。あるいは周りの援助があったから、と。自分にはそんな力はないと思い込み、リーダーになることに積極的になれない。

    はっとした。そうやって、自分でブレーキをかけているのだ。自分自身もそうだし、周りを見てもその通り。昇進のチャンスがあっても自分から降りてしまう。

    やってみたらいいんだ、一歩踏み出さなきゃと気づいた本。女の子を育てている母としても学ぶことが多い本です。

  • 先日、NHKで著者・サンドバーグさんのプレゼンテーションが放送されていたのだが、うっかり観るのを忘れていた。それもあって、手に取った本。奥付けをみると、6月初版、8月で7刷と、結構なスピードで売れている。

    現在、フェイスブックの最高執行責任者(COO)を務めるサンドバーグさんの、「仕事を持つ女性」としての経験と考えをまとめた本。仕事が好きで、家族も大事にしたいものの、そこにはさまざまな障壁があって、七転八倒し、問題解決に東奔西走するさまが率直に描かれている。

    実はアメリカは日本や欧州よりも労働法制が遅れており、不備に対して率直な声を上げないと、それをカバーする方法は出てこない。しかもアメリカの企業社会にも、マッチョな男性優位社会の面がまだまだある。そのうえ、「よき母親>>>よきキャリアウーマン」の考えは男女問わず根強いし、「女性らしく」、自分の意見を引っ込めてしまう女性も少なくない。このような、さまざまな局面で女性が出会う困難を分析し、データや研究によって、あらゆる角度から丁寧に説明し、そこから踏み出すにはどうすればよいかが穏やかで朗らかに示されている。理想と現実、傾向と対策を、共感を呼ぶ形で明晰に書かせるとアメリカ人は本当に上手い。フェイスブックという、ジェンダー的にカーストのできていない新しい会社だから、そのあたりの対応が素早くて、サンドバーグさんにとってはとても面白いのだろうと思う。

    自分の置かれた現状を把握し、いかに克服する道を探るかについてのビジネス本ではあるけれど、ゴリゴリのビジネス本ではないし、かといって単純な素敵生きかたテキストでもない。みながみなキャリア・トラックを突っ走れるわけではないし、マミー・トラックだけに人生を捧げられるわけでもない。どちらか一方だけが人生の目的ではないので、ごり押ししないまでも、「あなたのまわりの状況が不利なら、声を上げて、ちょっと踏み出してみましょうよ」と呼びかける。読んでいるうちに、「暗いと不平を言うよりも進んであかりをつけましょう」という、カトリック教会の番組のモットーを思い出した。それに、しんどい時はザッカーバーグ氏の前で大泣きもアリ。そこは「にんげんだもの」的な感じでお願いします。「女の涙には勝てねえや」ではありませんよ、みなさまがた。

    女性の権利と行動範囲の拡大に尽力した先達の言葉が多数引用されていて、そこも知的に刺激的だった。おっさん週刊誌で「近ごろの女子社員はたるんどる!妊娠したら即退職!」などと怪気炎をあげておられるどこぞのサッカセンセイには、オルブライト氏の言葉を献上したい。

    「私の周りじゃとてもじゃないけど無理!」とは言わせない、静かな迫力に満ちていないこともないけれど(笑)、基本、「女子、なんとかなるから考えすぎずにゴーアヘッド!」という励ましを振りまいてくれる本だと思う。全世代で読めると思うし、社会人ルーキーには特に指針になる点が多いのではないかと思う。あと、女性とがっちりいい仕事がしたい男性諸氏にもぜひ。原著を読まれてもいいかと思うけれど、邦訳は日本のデータも組み込んだ「日本バージョン」になっているので、どちらかといえばこちらをおすすめいたします。

  • ◾️概要
    Facebook COOが、プライベートと仕事の両立について記載した一冊。女性だけでなく、男性も一読の価値あり。

    ◾️所感
    パートナーと共にキャリア形成を行う方法を知るため読みました。辞めなければならない時まで辞めないで、を筆頭に、
    こと子育てに関する限り、あらゆる要素をコントロールするのは不可能。
    完璧を目指すより、まず終わらせろ。
    成功とは、自分にできる選択をし、それを受け入れること。
    など、人が羨むキャリアを築いてきた方でも、私と同じ悩みもってるのか、こう考えて乗り越えてきたのか、と感銘を受けました。

  • 育児との両立でキャリアを諦めないで、というメッセージを自身の実体験をベースに力強く発信している本書。
    育休中の今こそ読む時?と思いまして。

    もっとフェミニズム推しの本かと思っていたら、大きな間違いでした。
    あらゆる角度からの異論反論ご意見ご指摘を考慮し抜いていて、
    それでもなお「一歩踏み出そう」と訴えかける勇気に素直にすごいなと感じた。

    この本の中で何度も何度も書かれているが、
    すべての人には選ぶ権利があり、決して仕事で上を目指すことだけを奨励しているわけではない。
    専業主婦も素晴らしい職業だし、ただ自分の好きなように生きることもすべて正しい。
    その上で、男女の差で壁にぶつかる同じ境遇の女性に勇気を与えたい、ただその一心で書かれた本だとわかる。
    本当にこんなにまっすぐな人見たことないというぐらい。

    ”Done is better than perfect”
    (完璧を目指すより、まず終わらせろ)はFBの名言。
    パーフェクトな母親なんていないし、仕事をしながら育児をすることに罪悪感を持ったり、
    専業主婦の母親と比較する必要はない。自分のベストを尽くせばいい。

    月並みだけど、こんなハイスペックな人でも失敗や葛藤、悩みや心配を抱えながらやってるんだなーと。
    とはいえ全然違うステージにいるとは思うので、共感というより、安心に近い気持ちに。
    読みながら思わずくすっとするようなエピソードもたくさんで、笑い泣きしながら読了。
    この感覚、南波さんの「不格好経営」を読んだ時と同じかもしれない。
    途中ちょっと繰り返しがまどろっこしい部分もあったけど、思ったより良いです。

  • 仕事でも家庭でも望むもの全てを手に入れようと行動とともに呼びかける筆者の想いがたくさん詰まった1冊。まだ不完全な現状も踏まえながらわかりやすく記載されていて読みやすかった♪♪この本に書かれている理想・目標が現実になったら仕事も家庭も楽しくなること間違いなしだなぁと感じた(^^)自分も今できる最大限をやって前進しようと前向きになれる良書♪

  • マッキンゼー、財務省、グーグルを経て、フェイスブックのCOOに就いたシェリル・サンドバーグ(1969-)によるジェンダー論。

    ジェンダー論と言っても、学術的に論じるとうい類のものではなく、自身のこれまでのキャリア、経験を振り返るという形式でごく読みやすい。

    女性が企業においてポストを得、昇進する際に存在するという「ガラスの天井」、そして女性自身の自己規制。ジェンダーをめぐる無理解・誤解、そして男女に関わらないそもそもの働き方についての思い込み。アメリカという国で特に進取的なシリコンバレーですらそれが歴然とあるという指摘は、説得力がある。

    企業で働く女性が読むことでより積極的に上を目指す意欲をかきたてられるだろうし、男性が読むことでいかに無自覚にバイアスをかけ、ソフト・ハード両面で不平等な職場環境を形成しているのかということが自覚できるだろう。
    ダイバーシティの掛け声だけはうるさくなりつつある昨今、企業の担当者は議論のてはじめにとりあえず本書を読んでみるのも悪くない。

    本書は男女問わず評価が高いと聞く。おそらくとてつもなく有能な人物である著者が、「自分には自信が無かった」と繰り返し語ることで、読者の目線まで降り、共感を得ることに成功しているのだろう。

  • 2013年の春先に話題になってて、新任の部長とこの話題になったので一応読んだ。

    こんな優秀な人でも悩みが私と一緒でちっぽけなことでモヤモヤされていることが分かり、なんだかとても励まされた。

    でもさ、大学時代から群を抜いて優秀な人だったんだよね。だから偉い人に引き抜いてもらえたんでしょ?スタートから自分と違うことに越えられない壁を感じたのも確か。

    私に足りないのはそこなんだよなぁ…涙

  • 今までに読んでもっとも勇気づけられた本。そして、自信を持てた本になった。事例が豊富で、繰り返し読むことで、もやもやしていたことがだんだんクリアになってくる。

    仕事か子育てか?という問いがいかにナンセンスか。それでも、その問い突きつけられ、存在もしない子どものために仕事をセーブしてしまう指摘。女は、どんな生き方を選んでも非難されるけれど、自分が幸せと思えるかで自分の選択を評価できるんじゃないかと思えた。

    あとは、妊娠中は新しい仕事を始めるチャンス、というのは目からウロコだった。仕事が楽しみで戻るモチベーションになるという見方。よく分かる!

  • 日本語版が出たら読んでみたいなと思っていたので読めてよかった。女性の管理職・リーダーが増えたら、女性全体が働きやすくなり、家庭との両立もパートナーの協力も得やすくなる―これからの日本に特に必要だと思う。女性の労働力も必要としている今の日本の現状では特に。世界のデータもところどころに乗っていて勉強になった。私は正社員で働きつづけてって人生を歩みたいけれど、彼女のように意欲ある人がどんどん出てきてくれたらいいなって思う。「迷っても、ぎりぎりまで辞めないで」っていうメッセージが胸に響いた。どうなるかわからなくても、自分で自分の道閉ざすのだけはやめよう、そう思った。

  • TEDのスピーチを見て共感を覚えていた女性の本だった。facebookのCOOというキャリアと母親と言う役割の中で普通に悩んでいる等身大の女性の姿が、様々なデータを基に分析されていて一気に読むことが出来た。キャリアを左右する最も重要な要件=パートナーというのは同感。自分自身を振り返っても、パートナーの励ましが仕事を継続することへの大きな活力となってきた。対等なパートナーを望むのなら、女性自身も自らの考えや行動を見直す必要がある。彼女の夫の生育環境、とりわけ母親の価値観が結果として大きく影響しているように読み取れた。
    次の世代の女性達へ、仕事も家庭も楽しむためのたくさんの示唆に富む本。

  • 何が、女性が社会で活躍する機会を阻害しているのかを知りたくて読んだ。単に男性が問題であるという話ではなく、社会に存在する「女性はこうあるべき」という固定観念が問題とのこと。

    さらに、この固定観念は当人も持ち、無意識にでも女性らしく振る舞ってしまう。例えば、同じ能力を持っていても男女では自信の持ち方が異なる。これは、「女性が自分の能力を主張するのははしたない」と考えてしまっているから。

    また、子育ては依然として女性の役割であるという固定観念も、女性の活躍を阻害している。子どもができることを考え、母親になる何年も前から高い目標を目指さなくなる。子どもを持ちながら働く母親は、子どもを蔑ろにしていると感じてしまう。

    これらの考えは気をつけようと思っていても、無意識に自分も持ってしまっているのだと思う。自分は偏見を持っていないと思考停止するのではなく、自分の考えが偏っていないか、自分にできることは何なのか考える必要があるのだと感じた。

  • 家庭と仕事の両立について、日々考えている私にとって、特に心に残ったことが2つある。

    1つ目は、「自分にとって家では何が大切か、仕事ではなにが最優先かを見きわめれば、いくらか心はおだやかになる」ということ。ワーキングマザーとして全部完璧を目指すのは無理だし苦しい。毎日続くことだから、持続可能で、達成可能な目標をたて、それを日々実現するようにしたい。家庭では夫や子どもと笑顔で過ごす時間を持ち、成長を喜び合うこと、仕事では周りの人や会社の役に立ち、社会がより良い方向に向けて進むよう自分にできることに取り組むこと。それができている日は自分に花丸をあげて幸せを感じたい。

    2つ目は、「辞めなければいけないときまで辞めないで」というシェリルの言葉。「辞める」は極端だが、「(子どもが小さいから)誰でもできて緊急性の少ない仕事を中心に選択する」「(いつかの妊娠出産に備えて)仕事を調整する」ということは女性なら考えたことがあるのではないかと思う。私もその1人。でも、どうしても決断しなければいけないときまでアクセルを踏み続けることで、そのときに納得のいく決断ができる、というのは目から鱗だった。リスク管理は大切だが、夢中になる仕事、やりがいのある仕事に打ち込み続け、毎日を充実させたい。

  • 請求記号:335.1-SAN
    https://opac.iuhw.ac.jp/Akasaka/opac/Holding_list?rgtn=2M020310

    <平島奈津子先生コメント>
    本書は、フェイスブックのCOO・シェリル・サンドバーグが、彼女のチームの協力のもとで、働く女性たちの葛藤、性差に対する(自分自身も含めた)社会の先入観などについて、豊富な文献を駆使しながら、本音を語ったエッセイです。女性だけでなく、男性にも読んでほしい本です。目が覚めるような発見がたくさんあるんじゃないかな、と思います。

    <BOOKデータ>
    新規大卒者の50%が女性となってから30年が経過したにもかかわらず、いまだにアメリカの政府や企業のリーダーの大多数は男性です。つまり、社会生活に大きな影響を与える決定において、女性の声が平等に反映されにくい状況が続いているのです。この問題は、日本ではより顕著です。なぜ女性リーダーが生まれにくいのでしょう?その原因はどこにあるのでしょう?フェイスブックのCOOが書いた全米大ベストセラーの話題作。その「一歩」を踏み出せば、仕事と人生はこんなに楽しい。

  • ジェンダーイクオリティや結婚・パートナー、キャリア形成やリーダーシップ、ダイバーシティなどの多岐にわたるテーマに対し、鋭い主張の背景に丁寧な論証あり、と思わせられる一冊。
    タイトルだけ一見すると女性向け?と思いきや、読了して感じるのは、男女問わず、双方向けではないかという点。

    ビジネス、日常生活のあらゆる場面に潜む「ジェンダー・バイアスやステレオタイプ・スレット」がいかに危険か。それを取り除くには、互いをより深く理解し合い、尊重の意思を持ってを持って誠実に向き合うことが大切と感じる。

    加えて、ジェンダーの話題からは逸れるが、個人的には「キャリア形成は梯子ではなく、ジャングルジムであるべき」との指摘に感銘を受けた。
    向かうべき将来像を持ちながら、中期的な目標(18ヶ月プラン)を達成していくことは、会社経営で言う「中期経営計画とビジョン」と類似しており、実践に値する。

  • いわゆる女性活躍推進より、さらに1歩先に進んだ本。誰もが無自覚に陥っているジェンダー・バイアスを明らかにし、それらを取り除いていく必要があると主張する。■それはおそらくとても難しいものだけれど、いまや女性に参政権があることに違和感を感じる人はいないのと同じように、何十年後になるかわからないけれど、女性も男性も、仕事や家事・育児を自由に選択できる(制度的な意味ではなく、周囲の理解という意味で)社会を実現するために、一人ひとりが1歩ずつでも踏み出そうよ、と。ただ、自分という個人に立ち返ったとき、何ができるのだろうとは思う。■とても良い内容だけど、全体的に話が少ししつこい感じはした。

  • もっと多くの女性が権力のある地位につくこと(トップを増やすことがボトムを押し上げる)が女性が抱える問題やニーズをもっと主張できる。

    両親が共に仕事を持って、家計と育児を半分ずつ負担すれば、母親の罪悪感は薄れ、父親はより家庭経営に参加するようになり、子供達は力強く成長することを膨大なデータがくっきりと示している。

    社会人になりたての頃、沢山のチャンスを与えられたのに、当時の私はそれは自分の専門じゃない、その分野はよく知らないと言い、その多くにノーと答えていた。でも今考えるとどんなことでも学んで自分にできる貢献をすることが大事だった。

    女性は他人のために交渉する時には、とてもうまくやるし、男性より上手にやつてのける。

    より大きな目標を強調する、対決するのではなく問題解決のために交渉する姿勢を示す。といったことが有効だ。

    夢中になれる仕事、一生懸命打ち込める仕事につきたい。そういう仕事を見つけるには的を絞りつつも柔軟でいる方がよい。その為に二つの目標を立てる。一つは遠い夢、一つは十八か月プランである。この遠い夢は現実的でなくても構わないし、具体的でなくてもよい。ある分野で働きたいとか、世界中を旅行して回りたいとか。自由な時間をたっぷりと確保する。

    女性は仕事の選択でもっとリスクをとることを考えていいと思う。リスク回避はビジネスでは停滞につながりかねない。能力の多くは仕事を通じて身につくことを忘れてはならない。自分は相応しくないからやらないのではなく、やってみたいからやってみると考えた方がいい。

    リスクを取ること、成長に賭けること、チャレンジすること、しかるべき昇進を要求すること。

    メンターとメンティーの関係は、同じ職場だと、持ちつ持たれつの関係になることが多い。

    メンティーはメンターに愚痴をこぼすのは控えなくてはならない。メンターになるような地位の人達が最も得意とすることは問題解決だからだ。

    ゴールドマンサックスでは、男女平等を実現すべく、社長は男女とも朝から昼の食事しか一緒にしないとした。

    多くの人が真実を口にするのをためらう。それは自分を守ることだったり、相手を傷つけないためだったりする。でもこうした遠慮や用心が問題を起こしている。こうした状況が一向に改善されないのは、何が起きているのかをだれも話そうとしないから。真実を言う勇気を持つのはそう簡単ではない。

    毎週金曜日に全社でQ&Aタイムをもつ。

    適切に言葉を選んで真実を伝える時、細やかに気を配りながらも正直であるような、そういうスイートスポットをみつける。

    自分の見方(自分の真実)があれば、他人の見方(他人の真実)がある。これを理解することが円滑なコミュニケーションの第一歩。自分だけが真実を話していると思い込んでいる人は、他人に黙れと言っているようなもの。

    私はこう思う。

    真実を聞く姿勢は、自分の失敗に責任をとる姿勢でもある。

    社員には本音を言って欲しいとたのんでいるが、至難の技。みんなにもっと早くもっと頻繁に伝えて欲しいと話した。

    自分にいい意見しか言ってこない人に聞き入れやすくなるが、それと反対の人の意見も必ず聞くべきだ。

    感情を分かち合うことで、人間同士の関係は深くなる。

    感情は男女問わず行動の原動力であり、どんな決定を下すときも感情の影響を受けずにはおれない。
    感情が果たす役割を認め、それを素直に話すことができれば、私たちはより良い上司、パートナー、同僚になれる。

    自分の真実を語り、個人的な事情を正直に話し、感情は切り離せないのだと認めるほうが、総合的にみてメリットは大きい。

    仕事とプライベートの境界が少なくともぼやける方向に進んでいる。

    リーダーは完璧を目指すよりも、自分らしくあるべき。

    夫や友人のサポートを得られるチーム文化があれば仕事と家庭の両立は十分可能。

    女性が職場でもっと力を持つ必要があるのと同じように、男性はもっと家庭で力を発揮しなければならない。

    男性は子育てにかかわれば、忍耐力、思いやり、融通性を身につけることができる。

    仕事とプライベートの両方で高みを目指すのは素晴らしいが、高すぎてはいけない。現実の限界がある。全てをこなそうとしたり、完璧にやろうと考えたりすれば、間違いなく惨めな思いをする。完璧主義は大敵。

    重要なことだけ完璧主義になる。

    完璧を目指すより、まず終わらせろ。

    自分に出された要求を全てこなそうとしないことが、長く仕事で成功を収める秘訣。
    仕事とプライベートの両方の余地を作る最善の方法は、意識的に選択すること。上限を決めて守る。

    全てをこなせるだろうかと悩むことはやめ、自分と家族にとって、一番大切なことはできるだろうかと問うこと。

    たとえ見込みが低くても、要求することを恐れてはいけない

    今すぐお互いに認め合う。



  • 出会えて良かったと心から思った1冊。もうすぐ二度めの育休から復帰予定なのですが、読み進めていて「そうそうそう!わかるわかるわかる!」と共感が止まりませんでした。
    女性がおかれている状況についてエビデンスをもとに書かれているのも良いし、ところどころ日本の状況についても書かれているのは日本で働くものとしてありがたい。
    働く女性にエールを送ってくれる良書です。あえて男性にもおすすめしたいです。

  • 自分含め女性総合職の多い今の職場の上司(男性)をが薦めてくれた本。


    働く女性へ勇気を与えてくれる1冊。
    「キャリアは梯子でなくジャングルジム」という言葉が印象的。いろんな方法があるし、回り道してもいいし、休んでもいい。

    結局は自分らしくありのままでいることが仕事にやりがいを見出せるきっかけになるし、家族との時間も大切にできるようになるし、人生が生き生きとして幸せになる。

    私は筆者のようなエリートキャリアウーマンではないけど、あまり自分を卑下せず、(難しいかもしれないけど)ほどほどの自信をもって、自分らしく仕事に取り組んでいきたい。

  • エビデンスが多くて良い。

    こんな女性になりたい!と思った!!

  • とにかくすごい。女は諦めてはいけない。
    仕事ができる女は嫌われるというのも刺激的。


    「感情は行動の原動力」
    「リーダーシップとは、あなたの存在によって他の人の満足感を高め、あなたがいなくてもそれが維持されるようにすること」(p.219)

  • とってもいい本なのは間違いない。
    だがしかし、日頃海外文学を読まない人間にとっては
    なかなかに読み切るまで時間を要しました…

    本書は女性にまつわるジェンダー問題を
    最初から最後まで当事者意識を持って
    改善しようと呼びかけています。

    自分には関係ないと思って
    知らぬふりをしているトピックって
    結構ありますよね。
    皆で声を上げ続けること、簡単なようで難しいです。

  • 今ある環境自体に疑問をもてる。男社会が作った日本の労働市場…女性が働きづらいのもそれ故。お互いが働く環境を整えないとね。
    性別が違うだけで、理解出来ないと突っぱねる時代ではないので、性別問わず読んでほしい

    そして、女性は遠慮や引け目なく
    「テーブルにつきなさい」自分に言い聞かせたいし、周りの子にもそう伝えたい

  • 読むのが辛くて苦しくて
    なかなか読み進めることができませんでした
    自分が今まで社会に出て必死に頑張ってきたことが
    これからの時代の女性が働くことへの妨げになっていた
    その現実を突きつけられ
    そして絶対に変えなければと
    強く思わせてくれた一冊でした

    同じように教育をうけた
    同じように教育費のかかった男女が
    スタートから全く違うキャリアの選択をしているという現実は衝撃的でした

    出産や育児に直面した時だけキャリアに影響が出るのではなく
    それにそなえてもう何年も前から仕事をセーブしなければいけない
    と思ってしまっている女性の悲しい心理
    様々な状況や環境に違和感を持つことのできない弱さ
    男性と同じテーブルにつくことのできない圧力
    それらを突破していかなければ決して次世代の女性たちが輝くことはないのだと痛感しました

    先人たちが突破した壁があったように
    私も突破しなくてはならない様々な壁がある

    産む機械、ベビーシッター、家政婦
    そんなふうに揶揄されていた時代もあったのよと笑えるようにする
    決してすべての女性がキャリアを望むわけではないこともわかっているけれども
    望むことすらできないなんて
    そんな希望のない未来を
    次世代に繋がない
    断ち切っていこう

  • ・殆どの「女性はほしいものが全て手に入ると期待するどころか、すべてを失うのを恐れている。仕事、子どもの健康、過程の安定、そうしたものすべてだ。その原因は、よい社員でいることと親の責任を果たすことの両立があまりに困難だということにある
    ・女性が直面する障害物はたくさんあるが、その頂点に君臨するのが「恐れ」である。みんなに嫌われる恐れ、世間のネガティブな感心を引く恐れ、力量以上のことを引き受けてしまう恐れ、非難される恐れ、失敗する恐れ。。。そして極め付けは。悪い母親、悪い妻、悪い娘になる恐れである。
    ・全員を満足させることはできない。全員を満足させようとしたらたいしたことはできない
    ・自分には力がないと考えたとき、人はもうあきらめている
    ・まず自分がなにをしたいのか、はっきり理解しておかなければならない
    ・私の見方があれば、相手の見方がある
    ・人はよく、プロフェッショナルなら職場に家庭の事情は持ち出さないものだと言い、職場では家庭のことを話ことさえ恐れる、これでは、他人の事情を理解してたしけてあげられるときでさえそうすべきでないと言わんばかりだ。
    ・自分たちを「仕事も愛する両親」だと考えている。「働く母親」よりずっと素敵だ
    ・このタイプの女性にとっては「仕事と育児の両立はとりわけ難しい。
    ・それでもすべてをこなせる人はいないのだと思いだし、自分にとって家では何が大切か、仕事では何が優先かを見極めれば、いくらか心は落ち着く

  • ずっと気になっていたが読まなかった本。

    アメリカの優秀なキャリアウーマンの女性が書いた本。
    すごい人が書いた、すごい業績の本なんて参考にならないと思っていたから長いこと読まなかった。

    読んだ結果、全く違う内容だった。

    優秀であろうがなかろうが、女性が仕事を続けていくこと(家庭があってもなくても)がなぜ大変か、きちんと理解した。

    女性の社会進出が進んでいるとばかり思っていたアメリカの状況が理解できた。
    驚くほど、日本と同じだった。もちろん若干の数値の差はあるけれども。

    女性が高学歴を獲得することは難しくないが、働くことはそれとはまったく異なる。女性自身もそれに気づいていない。だからなおいっそう苦しむ。

    働く女性はロールモデルを得ることが難しいと言われるが、私自身、この本を敬遠していたということが、その表れだ。

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著者プロフィール

フェイスブックCOO リーン・イン基金理事長
フェイスブックに加わる前は、グーグルでグローバル・オンライン・セールスおよびオペレーション担当副社長、財務省首席補佐官を歴任。マッキンゼーでコンサルタント、世界銀行で調査アシスタントとして働いた経験もある。ハーバード大学にて経済学の学位、ハーバード・ビジネススクールにて経営学修士(MBA)を取得。

「2018年 『LEAN IN(リーン・イン)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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