競争優位の終焉: 市場の変化に合わせて、戦略を動かし続ける
- 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版 (2014年6月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532319380
作品紹介・あらすじ
ポーターの理論だけでは、生き残れない。瞬時に強みが崩れ去り、中核事業が消え失せる-旧来の常識が通用しない時代の新しい戦略ツールを提唱する。
感想・レビュー・書評
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「競争優位の終焉」
1.本書の結論
競争優位を持続させるは重要。
ただし、その困難さは、過去よりも現在、さらに増している。
そのため、一時的な優位性を作り、獲得する企業、組織づくりも重要である。
2.どんな兆候が競争優位の終焉に近いのか?
①ユーザーエクスペリアンスの更新頻度、
内容が低下すること。
②競合、代替製品の声がクライアントから聴こえてくること。
③売上高成長率が低下しはじめること。
3.一時的な競争優位。どう獲得する?
①競合、代替企業、製品
現在の動きから今後の動きを推察する。
その打ち手は?
②イノベーションを本業に。
劇的かつ迅速に事業を推進するには?
必要事項をOKRとする。
全社串刺しに。
③人員、組織。
事業領域は変化する。
その変化に適応できるように、学習能力、意欲ある人を採用する。
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1985年マイケル・ポーターの「競争優位の戦略」に対し、2000年クレイトン・クリステンセン「イノベーションのジレンマ」によるアプローチで、顧客志向の競争優位がイノベーションを産めないために、競争優位が持続できない論理が展開されている。後者のソリューションは、競争優位の組織・カルチャーと切り離してイノベーションを起こせ、だった。
2013年にコロンビア大学ビジネススクール教授の著者から出版された本書は、競争優位の組織の中で、市場や製品ターゲットをずらして、継続的な市場開拓を勧める戦略・組織を解く。2000~2009年の10年間純利益を5%以上成長させ続けた企業がその証左となる企業としている。当該10社に加え、成長を停めてしまった企業、部分的な特徴の企業等、豊富な具体例が説明される。
読後感として、証左が10億ドル以上の全世界の上場企業の中に10社しか存在しなかったという発見が、この戦略を講じることの難しさを証明していると感じる。したがって、ターゲット領域をずらしていく継続的な変革戦略は「言うは易し...」という印象であるが、変革を意識し、PDCAを高速回転させる手法を支持する声が強い現代において、社内で変革をリードする人の事例集として一定の価値があると言える。
なお、最終章の個人へのアドバイスにて、今日流行の複線的キャリアを出版時点で提唱しているところに先見性がある。 -
数多の戦略論に対して別の視点を持たせる本
翻訳のせいか文章がちょいと分かりにくいけど良いです -
持続的な競争優位の時代は終わったわけで、事業、戦略、組織から個人のキャリアまで、いかに変わり続けられるか。変われる仕組みをつくるか。
何よりも、会社規模と成功体験に比例して、変わり続けることがいかに難しいかを受け取った。会社も自分も。 -
競争優位性が長くは続かないよねっていうことを伝えている本。
人々の思考や技術の進歩で確かに競争優位性が、これまでよりも崩れ去りやすくはなっている。
しかし、やはり競争優位性自体を考えることは大事だし、それが無いと競争には負けてしまう。
Yahoo! JAPANといった大企業をサンプルとして使っているからか、ベンチャーの人には、しっかり置き換えて読み解く必要がある。
ただし、ベンチャーも含めて、常にイノベーションを起こして、次なる戦略を描こうよ!っていうのは理解できる話なので、そういう意味では役にたつと思う。
既存のビジネスに固執せず、常に売上拡大を図るにはどうすりゃいいの?という話をしてくれているのだが、そもそも競争優位性自体を認識できてないと読んでも仕方ないので、そちらの話をまずは学んでからじゃないと、競争優位性って無くても良いんだ!といった考えになっちゃって怖い。 -
もともと駄作なのか、それとも翻訳が悪いのか。何が言いたい分からない
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ここ数年同じ仕事を続けさせてもらっています。同じとは言っても幸いながら日々新しいことに取り組めるような環境であることは有り難いのですが、属人化が気になっています。
新陳代謝が必要と言っても、それができる立場にはいません。以前から組織の定期的な体制変更には懐疑的でした。ただ、惰性と複雑さの面で言えば、あまり特定の組織に固執するのもどうかなどと思います。
今の立場でもやるべき事は山程ありますので、全体のことは偉い方々に任せるとして、担当者として目の前の仕事に全力で取り組みたいと思います。 -
まさにハイパーコンペティションの教科書。事例はやや古いが、一時的優位性の世界の中で、常に進化し続ける必要性が理解できる一冊。
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各論になると、分かり辛いところもあるが、「持続的競争優位」から「一時的な競争優位」への転換という発想は、非常に興味深かった