競争優位の終焉: 市場の変化に合わせて、戦略を動かし続ける

  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
3.33
  • (7)
  • (27)
  • (33)
  • (9)
  • (3)
本棚登録 : 368
感想 : 24
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532319380

作品紹介・あらすじ

ポーターの理論だけでは、生き残れない。瞬時に強みが崩れ去り、中核事業が消え失せる-旧来の常識が通用しない時代の新しい戦略ツールを提唱する。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「競争優位の終焉」

    1.本書の結論
    競争優位を持続させるは重要。
    ただし、その困難さは、過去よりも現在、さらに増している。
    そのため、一時的な優位性を作り、獲得する企業、組織づくりも重要である。

    2.どんな兆候が競争優位の終焉に近いのか?
    ①ユーザーエクスペリアンスの更新頻度、
     内容が低下すること。
    ②競合、代替製品の声がクライアントから聴こえてくること。
    ③売上高成長率が低下しはじめること。

    3.一時的な競争優位。どう獲得する?
    ①競合、代替企業、製品
    現在の動きから今後の動きを推察する。
    その打ち手は?
    ②イノベーションを本業に。
    劇的かつ迅速に事業を推進するには?
    必要事項をOKRとする。
    全社串刺しに。
    ③人員、組織。
    事業領域は変化する。
    その変化に適応できるように、学習能力、意欲ある人を採用する。

  • 端的な私の理解としては、当たり前のように起こる変化に対応し続けるための指南書です。
    ①安定性と俊敏性
    ②衰退の兆候検知と撤退実行
    ③資源の柔軟な配分
    ④イノベーションの実行
    ⑤リーダーシップとマインドセットの変革

    ①の話は、両利きの経営にも通づる点が多く、特に痛みを伴わない変化を頻繁に、そして継続的に実践することには大いに共感。組織の中において「なぜ変わらないといけないの?」とか「自分の仕事はあるから自分は関係ない」という人は多いです。その考えは間違ってはいないですが、「組織」の中でこの考えが蔓延すると、組織の成長は難しいと思います。そのためには、ミッション、ビジョンの共感、組織風土作りも大切で、それらを作ること=安定への土台 だと思います。

    ④は、イノベーションの文脈では、ごくごく一般的ですが、なかなか実践できていない点です。課題認識→仮説→実証→商品化→成長のサイクルを、継続的にそして機敏に実践することは、まさにイノベーションのプロセスだと思っています。そして、これは思い立った時に実践するのではなくて、常に継続的に実践するからこそイノベーションであると思います。つまり、組織風土や文化の一環としてイノベーションの実践がある組織ということであり、そういう組織を目指したい。

    ⑤は、必然です。やはり、Lead the selfから始まるリーダーシップの旅を歩む人材がいてこそ、変化も起こせるし、変化への耐性もつくと思います。変化の起きない組織の内部に目を向けるのではなく、変化が激しい外部に目を向ける勇気を持ち、世の中を認識し、そして実行できるマインドセットを自身の組織でも、まさに醸成しているところ!

    変化は必然的に起こりうるもので、その変化に対応するには、継続的に自身及び組織が変化していくこと。その変化は、小さくても良いです。でも継続することが大事。これに尽きると思います。

  • 1985年マイケル・ポーターの「競争優位の戦略」に対し、2000年クレイトン・クリステンセン「イノベーションのジレンマ」によるアプローチで、顧客志向の競争優位がイノベーションを産めないために、競争優位が持続できない論理が展開されている。後者のソリューションは、競争優位の組織・カルチャーと切り離してイノベーションを起こせ、だった。
     2013年にコロンビア大学ビジネススクール教授の著者から出版された本書は、競争優位の組織の中で、市場や製品ターゲットをずらして、継続的な市場開拓を勧める戦略・組織を解く。2000~2009年の10年間純利益を5%以上成長させ続けた企業がその証左となる企業としている。当該10社に加え、成長を停めてしまった企業、部分的な特徴の企業等、豊富な具体例が説明される。
     読後感として、証左が10億ドル以上の全世界の上場企業の中に10社しか存在しなかったという発見が、この戦略を講じることの難しさを証明していると感じる。したがって、ターゲット領域をずらしていく継続的な変革戦略は「言うは易し...」という印象であるが、変革を意識し、PDCAを高速回転させる手法を支持する声が強い現代において、社内で変革をリードする人の事例集として一定の価値があると言える。
     なお、最終章の個人へのアドバイスにて、今日流行の複線的キャリアを出版時点で提唱しているところに先見性がある。

  • 数多の戦略論に対して別の視点を持たせる本
    翻訳のせいか文章がちょいと分かりにくいけど良いです

  • 持続的な競争優位の時代は終わったわけで、事業、戦略、組織から個人のキャリアまで、いかに変わり続けられるか。変われる仕組みをつくるか。

    何よりも、会社規模と成功体験に比例して、変わり続けることがいかに難しいかを受け取った。会社も自分も。

  • 競争優位性が長くは続かないよねっていうことを伝えている本。

    人々の思考や技術の進歩で確かに競争優位性が、これまでよりも崩れ去りやすくはなっている。

    しかし、やはり競争優位性自体を考えることは大事だし、それが無いと競争には負けてしまう。

    Yahoo! JAPANといった大企業をサンプルとして使っているからか、ベンチャーの人には、しっかり置き換えて読み解く必要がある。

    ただし、ベンチャーも含めて、常にイノベーションを起こして、次なる戦略を描こうよ!っていうのは理解できる話なので、そういう意味では役にたつと思う。

    既存のビジネスに固執せず、常に売上拡大を図るにはどうすりゃいいの?という話をしてくれているのだが、そもそも競争優位性自体を認識できてないと読んでも仕方ないので、そちらの話をまずは学んでからじゃないと、競争優位性って無くても良いんだ!といった考えになっちゃって怖い。

  • もともと駄作なのか、それとも翻訳が悪いのか。何が言いたい分からない

  • ここ数年同じ仕事を続けさせてもらっています。同じとは言っても幸いながら日々新しいことに取り組めるような環境であることは有り難いのですが、属人化が気になっています。

    新陳代謝が必要と言っても、それができる立場にはいません。以前から組織の定期的な体制変更には懐疑的でした。ただ、惰性と複雑さの面で言えば、あまり特定の組織に固執するのもどうかなどと思います。

    今の立場でもやるべき事は山程ありますので、全体のことは偉い方々に任せるとして、担当者として目の前の仕事に全力で取り組みたいと思います。

  • まさにハイパーコンペティションの教科書。事例はやや古いが、一時的優位性の世界の中で、常に進化し続ける必要性が理解できる一冊。

  • 各論になると、分かり辛いところもあるが、「持続的競争優位」から「一時的な競争優位」への転換という発想は、非常に興味深かった

全24件中 1 - 10件を表示

リタ・マグレイスの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×