How Google Works: 私たちの働き方とマネジメント

  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (371ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532319557

感想・レビュー・書評

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  • 良書 実質6つの章にGoogleでの仕事のやり方が集約されています。各章の内容の一部を以下へ

    序文
    ・漸進的なアプローチでは時代に取り残される
    ・テクノロジの世界では革命的変化が起こりやすい
    ・アイデアを生かしてありえないことに挑戦しよう

    はじめに
    ・三つの技術トレンド インタネット、携帯端末、クラウド

    文化
    ・共に働く仕事場をよくする
    ・フラットな組織
    ・組織は機能別に 独立採算はとらない
    ・社員に責任と自由を与える
    ・イエスの文化

    戦略
    ・事業計画にではなく、人に投資する
    ・市場調査にではなく、技術的アイデアにかける
    ・小さな問題の解決に着目し、適用範囲を広げる
    ・特化すべき対象を見つける
    ・ライバルに追随するな


    ・自分より優秀な人材を採用する
    ・情熱のある人は情熱を口にしない
    ・ラーニングアニマルを採用する
    ・人材の発見・獲得の輪、発掘・面接・採用・報酬

    意思決定
    ・データに基づいて決定する。でもハートも
    ・最適解に達するには意見の対立が不可欠
    ・すべての会議にはオーナーが必要

    コミュニケーション
    ・情報を隠すのではなく共有する
    ・人の本質は、質問に答えることでなく、自ら質問すること
    ・会話は最も重要かつ効果的なコミュニケーション手段
    ・人に伝えたかったら20回繰り返せ
    ・自分の下で働きたいと思うような上司であれ

    イノベーション
    ・楽観主義
    ・実現不可能な目標を設定する
    ・皆がもっているアイデアをつかう
    ・世に出してから手直しする
    ・良い失敗をする

    おわりに
    ・プラットフォームの台頭
    ・世界の産業活動のハブの成長
    ・コンピュータとの協業を行う

  • 「マイクロソフトに対抗するにはプロダクトの優位性を維持するしかないこと、その最も有効な方法は既定の事業計画に従うのではなく、優秀なエンジニアをできるだけたくさんかき集め、彼らの邪魔にならないようにすること」

    「大切なのは顧客の要望に応えることより、顧客が思いつかないような、あるいは解決できないと思っていた問題へのソリューションを提供することだ。」

    技術者のモチベに全てを捧げて、リスクを取ってイノベーションに賭けよう!!って感じでまんまスポ根で青春。

    そこで問題が起きない為に、通底する「文化」が大事ってのもわかる。
    否定は全くしないけど実現するのは中々むずいよね。

    目から鱗の人材育成や組織論はとてもとても興味深く為になる。反面、どうしても自分は猛スピードのイノベーション(と、そのために身を粉にすること)を絶対的な善、と妄信する事ができない。

    この本と「欲望の資本主義」を連続で読むと頭が混乱しちゃうだろうな。

  • 僕は2015年入社の現役のグーグル社員なので、中の人ゆえにかなりスムーズに内容が入ってきた感じがありましたが、(外の人から見てどうかはわかりませんが、あなたがエンジニアなら非エンジニアの僕より内容がスラスラと入ってくるかもしれませんね)。書評としては、必ずデスクの上に置いておいて、逐一参照したい一冊だと思います。この本を今まで読まなかったことを後悔しています(まぁ読んでたら読んでたでちょっと破天荒にやりすぎていたかもしれないが)。この本が書かれた2014年と今日(2023年)ではかなりグーグル内も変わったと感じます。2014年の社員数と今の社員数では一体何倍に増えたんだろうというレベルでグーグルは成長しました。自分(非エンジニア)が本書に書かれているようなスマートクリエイティブかどうかは定かではありませんが、少なくとも僕が入社した2015年時点では、僕は本書に書かれているようなスマートクリエイティブの Googleyness を何度も見てきましたし、今でもそれを実践している人もよく知っています。僕もなんだかんだ古株になりつつあるので、グーグルの創業メンバーやエリック、ジョナサンの志に賛同するので、ユーザーの為に働き、他の社員を助け、プロダクトの優位性を大切に考えながら仕事をしていきたいと、再認識しました。

  • ▼以下メモ

    企業文化
    ・社員同士の距離を近づける。
    ・「悪党」すなわち、傲慢な人間、妬む人間からは仕事を取り上げる。
    ・人に「ダメ」といわない。

    戦略
    ・計画は流動的に。
    ・利益より「大きくなること」を重視する。

    人材
    ・採用は絶対に妥協しない。学ぶ意欲の高い人物を採用する。大事なのは「何を知っているか」ではなく、「これから何を学ぶか」である。
    ・好き嫌いではなく、人格と知性で選ぶ。
    ・採用を全社員の担当業務に含め、「スゴイ知り合い」を紹介させる。貢献度は評価に入れる。
    ・報酬は、低いところから始め、成果を出す人にはずば抜けた報酬を支払う。

    スマートクリエイティブとは
    ・リーダーシップ、職務に関連する知識、全般的な認知能力
    ・高度な専門知識と高い経験値
    ・実行力にすぐれ、単にコンセプトをかんがえるだけでなくプロトタイプを作る人間
    ・分析力がすぐれ、データを扱う事が得意で意思決定に生かす事ができる。一方で、データ分析の限界も理解している。
    ・ビジネス感覚に優れている。専門知識をプロダクトの優位性や事業の成功と結びつけて考える事ができる
    ・競争心も旺盛、猛烈な努力ができる
    ・ユーザー理解が深く、ユーザー目線
    ・好奇心旺盛、現状に満足せず常に問題を見つけて解決しようとする
    ・リスクをいとわない、失敗を恐れない、失敗からは常に大切なことが学べると信じている。
    ・自発的、指示を待たない。主体性
    ・あらゆる可能性にオープン、他者との協力が得意でコミュニケーションを大事にする

    コミュニケーション
    ・役員会の議事録であったとしても、法律、あるいは規制で禁じられているごくわずかな事柄を除き、全て共有する。
    ・会話を促進する。話しやすい雰囲気を作る。時にはコミュニケーション過剰と言われるくらい。

  • 刺激的で示唆に富んだ一冊。
    ICTの先端を走るGoogleの、従来の企業とは全く異なる、経営哲学と企業文化。 世界のトップはここまで行っているかと茫然。
    文化、組織、人材から、メール扱い、会議の仕方までノウハウを公開している。
    自社の考えだけでなく、ライバル社の経営者の言葉とうも引用されている。それらが、丁寧に見開き左側のページに索引として参照文献が示されている編集もよい。好感が持てる。

  • どうしよう。googleのファンになってしまう。

  • 20160126

  • グーグルの働き方マネジメントといえば、 通勤(専用バス)や食事(有名シェフによる無料の食事)など社員への厚遇ばかりが取り上げられがちですが、本書は、そこから先、グーグラーと呼ばれる人々の本当の 執務エリアと、そこで行われている業務の基礎となるプロトコルにしっかり触れられる一冊。

    スタイリッシュで自発的で寛容などという言葉だけで済むものではありません。やはりそこには絞り出すような技術研鑚と濃密な人間関係の泥臭さが在ります。 だって、あれだけの会社が綺麗ごとだけで廻るわけがない。

    職場というより実験室に近いような同社ですが、企業理念やダイバーシティなどへの同社の真摯な取組みにも本書では触れられ ています(以下、一部引用)。

    ---
    これがどの会社の企業理念であるか分かる だろうか。

    「当社の使命は、従業員の知識と創造性と 献身を通じてお客様と比類なきパートナーシップを築き、価値を生み出し、それによって株主に最高の結果をお届けすること です」

    これはリーマン・ブラザーズのミッション ステートメント、あるいは少なくともかつてミッションステートメントだったものという事ができるだろう。

  • Googleと言えばエリートが集う最も先進的な企業のイメージだが、その秘密が凝縮された1冊だと思う。 大半の企業では企業理念は形骸化しているように感じるが、 本書のGoogleでは「邪悪になるな」というミッションによって個々が自らアクションを起こせる風土・文化が形成されているのだと感じた。 グローバル企業にも関わらず絶えず挑戦・イノベーションを起こせるのは凄いの一言に尽きるが、日本にもそのような企業文化が根ざしていく事を期待したい。

  • 本書はグーグルの前CEOだったエリック・シュミット氏と同僚のジョナサン・ローゼンバーグ氏によって、グーグルのマネジメントについて幅広く紹介している本です。題名通りHow Google Worksということが多面的かつきわめて骨太に記述されていて、とても勉強になりました。 本書を読んでグーグルについて知らないことがたくさんある自分に気付きました。その意味で「グーグル」を知らない人はほとんどいないと思いますが、「グーグルという会社」がどういう会社か、について私は本書から多くを学び、そして親近感がわきました。

     具体的には、本書を読む中で、グーグルと高度経済成長時代に世界を席巻していた日本企業との間にいくつか共通点があることにも気付きました。例えばグーグルは顧客第一主義で、顧客に最高の製品・サービスを提供すれば、あとは(業績など)全部ついてくる、という信念。これなど典型的な日本の製造業の考えですよね。上場したのも、株主指向の経営をしようという意味では全くなく、従業員にグーグルの信念や価値観を明文化して広めるよいチャンスだと捉えたため、というような点です。
     日本企業(特に成熟した大企業)の経営幹部は、グーグルと聞くと、変化の激しいIT業界にいて、大学みたいな会社でうちとは全然違うのだから何も学ぶものはない、と思う人もいるかと思いますが、日本企業が忘れかけている大事な信念を持ち続けている会社と思って見る必要があると思います。

     またグーグルは人材確保に極めて重きを置き、世界のスマート・クリエイティブを惹きつけることにかけては大成功しているのですが、その根本には顧客に最高の製品・サービスを提供するには、なるべく多くのスマート・クリエイティブを集める必要がある、ということで、これはIT業界に限らずどの業界でも共通なわけです。本書はIT業界に限らず成熟した業界の人も是非一読して、自社に足りないもの、自社が忘れかけているものに気付くきっかけになるのではと思います。

著者プロフィール

グーグル前会長
2001年グーグル入社。同社がシリコンバレーのベンチャー企業からハイテク業界の世界的リーダーへ成長するのに貢献。2001年から2011年までグーグルCEO。2011年から2018年までグーグル会長、その後は2020年までグーグル技術顧問を務めた。グーグル入社以前はノベルとサン・マイクロシステムズで経営幹部を歴任。プリンストン大学で電気工学を専攻、カリフォルニア大学バークレー校で修士、博士(いずれもコンピュータ科学)を取得。

「2022年 『AIと人類』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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