「言葉にできる」は武器になる。

著者 :
  • 日経BP 日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532320751

感想・レビュー・書評

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  • 内なる言葉の必要性はデザインという世界でも全く同じ。デザイナーで「物は言いよう」なんて言葉を発してはいけない。言葉で説明出来なければ考え抜いたアイデアじゃない。
    しかしその一方で言葉に出来ない感情というものも存在する。
    表現し尽くせる言葉を探究しつつも、表現し尽くせない感情を認知する。

    ただ、文章内で若干のまどろっこしさも感じた。ここまで書かなくても伝わる気がするなあ。

  • 日経新聞 広告欄掲載
    読んだ人は、言葉にしている。
    あなたの言葉ちゃんと伝わっていますか?

    リバティ2017年2月号オススメ書籍
    言葉は伝えるだけでなく、思考を深めるためのツールでもあり、力ある言葉を生み出すには思考を練る「自分との会議」時間を確保することが前提だという。
    深い思いに裏付けられた言葉が人を導く力の源泉でもあることを述べた点、類書とは違う味わいがある。

  • 大手広告代理店のコピーライターの著作。コピーの書き方が書いてあるのかと思ったら、そんな薄い本ではなかった。
    「言葉は思考の上澄みに過ぎない」と言い切る著者は、言葉を磨くことよりも先に、思考を磨くことが重要であると説いている。確かに「どう言うか」のトレーニングを積んだところで、「何を言うか」が明確でなければ意味がない。
    1ページ1ページに気付きがあり、幅広い人が読んで参考になると感じた。

  • 超いい。
    優しい。
    内なる言葉。

    2016.9.13.

  • 『感想』
    〇内なる言葉で思考を深める、これをできていない人は結構いる。できているといっても深さがそれぞれである。ここで人の評価がされていると思われる。でもこれはある程度思考の深さを持っている人でないとできないけれど。

    〇思考力のある人は、どんな情報が深みを得るために必要かがわかっているから、話の聞き方が違うし書類の要所を拾い出すのが速い。逆にいえばいらない部分がわかっているから、膨大な資料もあっという間に処理してしまう。それが頭の回転の速さとも言える。

    〇普段から深く思考している事柄に関してはすぐに反応してもよい。でもそれ以外のほとんどのことは言葉に出すまでに考える時間が必要。まあこの時間が人や事柄によって必要な長さが全く違うのだが。

    〇人は負けることや傷つくことが怖いから、つい逃げ道を作ってしまう。それが言い訳の壁。これらを作らないとまでは言わないが、高くして閉じこもってしまわないようにはしたい。穴を作っておけば、痛みもあるだろうが有用な情報も入ってくるから、さらに強くなれる。

    〇単純化・簡易化ばかりに走ってしまうと、人の心を動かせなくなる。要は効果を大きくするためのメリハリ。目的に合わせて柔軟に考えたい。そのためにも思考の深さが必要。

    〇ここまでのことって、考える読書によって強化できることである。読書中にインプットしたことを時間をおいてアウトプットすることで、深い思考が得られる。

    『フレーズ』
    ・梅田さんは、どうやって伝わる言葉を生み出しているんですか?(p.3)
    → 言葉をコミュニケーションの道具としてしか、考えていないのではないですか?
    → 言葉が意見を伝える道具ならば、まず、意見を育てる必要があるのではないか?
    → 言葉は思考の上澄みに過ぎない
    → 思考の深化なくして、言葉だけを成長させることはできない

    ・人間は、相手の言葉に宿る重さや軽さ、深さや浅さを通じて、その人の人間性そのものを無意識のうちに評価しているのである。(p.21)

    ・「内なる言葉」とは、(略)無意識のうちに頭に浮かぶ感情や、自分自身と会話をすることで考えを深めるために用いている言葉である。(p.22)

    ・言葉にできないということは「言葉にできるほどには、考えられていない」ということと同じである。どんなに熟考できていると思っていても、言葉にできなければ相手には何も伝わらないのだ。(p.35)

    ・文字の大きさは、自信の大きさに比例するということである。(略)内なる言葉と向き合う行為は非常に繊細であり「本当かな?」と疑念が湧いた時点で、すぐにうまく行かなくなってしまう。そのため、頭に浮かんだことを、自信をもって大きく書くことが大事なのだ。(p.87)

    ・人は知らず知らずのうちに様々な壁に囲まれて、自分の考えを制限してしまっている。(p.130)
    ー常識の壁:自分自身の中にある常識が先入観となって、思考を狭めてしまう。
    ー仕事モードの壁:「仕事だから」と考えることで、本音が出る余地がなくなる。
    ー専門性の壁:つい専門性という武器を用いて、課題を解決しようとしてしまう。
    ー時間の壁:時間が無くなることで、焦ってしまい、考えることに集中できなくなる。
    ー前例の壁:過去の経験則から、「おそらくこうなるだろう」と推測してしまう。
    ー苦手意識の壁:苦手というレッテルを自分に貼ることで、考えが委縮する。

    ・たとえる時は、自分の周りにある言葉を用いること、もしくは、相手が属しているコミュニティで用いている単語を活用することが効果的である。(p.166)

    ・単純化することは、わかりやすさを高めるメリットもある。しかしながら、詳細を排除することで、人の興味を引き付ける情報が抜け落ちてしまうこともあるのだ。(p.247)

    ・(梅田悟司が)意識して区別している言葉(p.249)
    ー知識と知恵:知識は知っている状態を指し、知恵は自分のものとして使えるものを指す。知識を頭に入れるだけではなく、身体を動かしながら実践することにこそ意味がある。
    ー評価と評判:評価は得るものであり、評判は起こるものである。評価は評判の積み重ねによって生まれるべきものであり、評価のみを追っては、本来の目的を失うことになる。
    ー問題と課題:問題は起きてしまった状態であり、課題はその問題を引き起こし続ける本当の原因である。問題に目を奪われることなく、課題を探る必要がある。
    ー解消と解決:解消はマイナスをゼロにするものであり、解決はマイナスをプラスに変換するものである。問題解消と課題解決は同じように見えるが、全く違うものであると心得る。
    ー性質と本質:あらゆる性質は、本質から生まれる。どうしても表面的な性質に目が行きがちなため、本質を見極めることが重要であると心得る。
    ー会議と議論:ただ話し合うことが会議であり、意見をぶつけ合うことが議論である。会議を行うことで安心してしまうが、議論を重ねなければ意味がない。
    ー文句と意見:文句は否定でしかなく、意見は前進するきっかけになる。この両者の違いは、言葉を発している側の問題だけではなく、受け取る側の態度によるものでもある。
    ー妥協と収束:妥協は互いが折れて意見を集約することだが、収束は議論の果てに意見が決まることである。結果としては同じなのだが、そのプロセスこそを大事にしたい。
    ー顧客と個客:顧客は仕事上の取引先や生活者の集団であり、個客はその一人ひとり。顧客は個客の集合体であるため、常に個客へと思いを馳せながら仕事に取り組みたい。
    ー意味と意義:意味はその事柄を行わなければならない理由であり、意義は積極的な理由と捉えている。自分が行うことには、意味だけではなく、意義を語れるようにしたい。
    ー仕事と使命:仕事は労働そのものであり、使命は自分が仕事を通じて成し遂げたいことである。働く意義は、仕事を通じて社会や生活をよくするものであると考える。
    ールールとモラル:ルールは守るべきもので、モラルは自分を律する行動規範である。自分のモラルを高めることで、ルールに縛られない生き方をしたい。

  • 感想レビュー
    言葉に出来ないのは、十分に考えてないからだ。「何となく考えていて、考えたつもりになっている」心に刺さったフレーズでした。
    以前は自分の意見について考えずに相手への表現方法ばかりを考えていたが、本質を見誤っていました。本書の実践例をもとに、言葉と向き合い自分の考えを明瞭化する。繰り返し自分の考えと向き合いより言葉に深みを出していくことを本書を読みながら行い、今の自分を見つめる良い機会だったと感じました。少し時間が経った時に繰り返しやっていきたいと思います。

  • 大学時代、英語の討論会をした時に感じた事とリンクした。
    英語がどれだけ上手に喋れるか、ではなく、どれだけ伝えたい想いや考えがかるか、の方がよっぽど大事だという事。この事だと思うと、筆者の意見がスッと入ってきた。

    「内なる言葉」を意識する事は出来るようになったけれど、深める時間をなかなか持てていない、、、焦
    深める方法も書いてあるので、実践したい。

  • 自分は伝えるのが苦手、何を言ってるか自分でもわからない、なんてことをよく思っていた。

    筆者は理系一筋、本も多くは読んでこなかったが、言葉を伝える仕事をしている。

    結論、苦手なんてなくて方法がわかってなかっただけなのだと考える。

    この本はその具体的な方法が載っているので、次は実践してみて苦手意識を引き下げていきたい。

  • 「内なる言葉の解像度を上げる」というのは、現代社会において非常に大事な視点であると感じました。
    読んでいて、「本をダシにして、自分の勝手な考えを開発し、育てていく」という梅棹忠夫先生の言葉にも通ずるところがあるなぁと思いました。

  • 言葉にできないということは、言葉にできるだけ考えられていないことと同じである。

    説明
    内容紹介

    【内容紹介】
    「バイトするなら、タウンワーク。」「世界は誰かの仕事でできている。」
    トップコピーライターが伝授する、あらゆるシーンに活用できる言葉と思考の強化書!

    ◆人を動かすために「心地いい言葉」はいらない!
    自分の思いをどうやって「言葉」にして「伝える」か?
    人の心を動かす「表現」には秘密があるのか?
    「うまく自分の言葉で話せない」「人の心に刺さる表現力を身につけたい」――志や思い、自分のなかにあるビジョンを言語化するために何をすればよいのか?
    そんな悩みを抱えている全ての人に、いま注目のコピーライターが独自の手法をわかりやすく開示する、人の心を動かす言葉の法則。
    人は、その言葉の中に自分の思いを発見したときに心を動かされるのであり、技巧を凝らした表現などいらないのだ! 自身が手がけた広告コピー、古今東西の有名事例を、「メッセージとしての明確性」「そこにいかに自分を投影するか」「伝えたい想いをいかに生み出すか」という視点から分解、「意志を言葉に込める技術」を解説する。

    ◆トップコピーライターが伝授する言葉と思考の強化書、遂に完成!
    「人に伝える・動かす」は、多くの人が様々な場面で直面し、悩むテーマ。
    いかに言葉を磨き上げるか? 誰にでもできる方法論を具体的に解説する本書は、ビジネスコミュニケーションや企画のプレゼンなどの仕事シーンはもちろん、私生活でのアピール、さらには就職・転職活動にも役立つ考え方が満載の一冊。
    著者は、缶コーヒージョージア「世界は誰かの仕事でできている。」「この国を、支える人を支えたい。」、リクルートのタウンワーク「その経験は味方だ。」「バイトするならタウンワーク。」、「東北六魂祭」などを手がけ、2016年4月期のTBS『日曜劇場99.9』でコミュニケーション・ディレクターを務めるなど、ますます注目度アップのコピーライターである。
    メディア掲載レビューほか
    コピーライターのシンプルすぎる仕事術がヒットして10万部

    誰もが知っている数々の宣伝文句を生み出した人気コピーライター。そんな著者が、言葉に取り組む自分の仕事術を開陳した本と聞けば、奇抜な内容を想像するのでは。その予測はいい意味で大きく裏切られる。

    「コピーライターというと言葉で遊ぶ、われわれとは違う発想で言葉を生み出す仕事という印象をお持ちの方も多いかもしれません。しかし梅田さんの作るコピーは、〈世界は誰かの仕事でできている。〉〈この国を、支えるひとを支えたい。〉といった、日常的な言葉を組み合わせたものばかりなんです。だから本書もあくまで、彼が普段の仕事でやっていることを形にしました」(担当編集者の網野一憲さん)

    その仕事術は、〈「内なる言葉」と向き合う〉〈正しく考えを深める〉〈自分との会議時間を確保する〉など、シンプルなものばかり。だが、日々の暮らしで実践し続けることで、生きる姿勢が根本から変わる。本書はそんな骨太な内容を伝えている。

    「著者は本書と似た内容の本は今後絶対に書かないと言っています。それくらい、すべてを注ぎ込んで書いてくれた本です」(網野さん)

    ヒットのきっかけは、発売前見本を手に取った営業部のひとりが惚れ込み、そこから全国の書店員へと熱が伝わったこと。その後も書評を除いて大々的なメディア露出はない。店頭と口コミを中心とした展開でヒットが継続している。まさに〈言葉〉が〈武器〉となって生まれたベストセラーだ。

    評者:前田 久

    (週刊文春 2017.3.9号掲載)

    内容(「BOOK」データベースより)
    『世界は誰かの仕事でできている。』『この国を、支える人を支えたい。』トップコピーライターが伝授する、言葉と思考の強化書、遂に完成。
    著者について
    梅田 悟司
    電通コピーライター・コンセプター
    1979年生まれ。上智大学大学院理工学研究科修了。レコード会社を立ち上げた後、電通入社。
    国内外の広告賞・マーケティング賞をはじめ、3度のグッドデザイン賞や官公庁長官表彰などを受ける。CM総合研究所が選出するコピーライタートップ10に2014、15年と2年連続で選出。
    最近の主な話題作は、ジョージア「世界は誰かの仕事でできている。」「この国を支える人を支えたい。」、タウンワーク「その経験は味方だ。」「バイトするならタウンワーク。」がある。また、2016年4月からオンエアされたTBS『日曜劇場99.9』ではコミュニケーション・ディレクターを務めるなど、ますます活動領域を広げている。著書に『企画者は3度たくらむ』ほか。
    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    梅田/悟司
    株式会社電通コピーライター、コンセプター。1979年生まれ。上智大学大学院理工学研究科修了。在学中にSTAR STARTS RECORDSを起業した後、電通入社。マーケティングプランナーを経て、コピーライターに。広告制作の傍ら、産学共同プロジェクトの立ち上げ、新製品開発、アーティストへの楽曲提供など幅広く活動。カンヌ広告賞、レッドドット賞、グッドデザイン賞、観光庁長官表彰など国内外30以上の賞を受ける。横浜市立大学国際都市学系客員研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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著者プロフィール

コピーライター。武蔵野大学アントレプレナーシップ学部教授。
1979年生まれ。大学院在学中にレコード会社を起業後、電通入社。マーケティングプランナーを経て、コピーライターに。2018 年にインクルージョン・ジャパン株式会社に参画し、ベンチャー支援に従事。2022 年4 月より現職。主な仕事に、ジョージア「世界は誰かの仕事でできている。」、タウンワーク「バイトするなら、タウンワーク。」、Surface Laptop 4「すべての、あなたに、ちょうどいい。」のコピーライティングや、TBSテレビ「日曜劇場」のコミュニケーション統括など。経営層や製品開発者との対話をベースとした、コーポレート・メッセージ開発、プロダクト・メッセージ開発に定評がある。著書に『「言葉にできる」は武器になる。』(日本経済新聞出版)、『捨て猫に拾われた僕』(日経ビジネス人文庫)、『やってもやっても終わらない名もなき家事に名前をつけたらその多さに驚いた。』(サンマーク出版)など。

「2022年 『きみの人生に作戦名を。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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