セイビング・ザ・サン: リップルウッドと新生銀行の誕生
- 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版 (2004年4月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (461ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532350925
作品紹介・あらすじ
日本の経済は、なぜ停滞から脱出できないのか-その答えを見つける手がかりは、ある銀行の歴史にあった。バブル期に発生した巨額の不良債権を抱えて破綻し、外資へ売却された長銀(日本長期信用銀行)、現・新生銀行である。本書の第一部では、長銀が不良債権の泥沼にはまり込み、懸命の努力もむなしく破綻した経緯を再現する。第二部では"ガイジンの襲来"と恐れられた起業再生ファンドリップルウッドが長銀を買収した舞台裏を描く。のちに激しい批判を浴びた「瑕疵担保条項」成立の真相も明らかにする。第三部では、アメリカ流の経営手法を大幅に取り入れた新生銀行が、「そごうショック」や金融庁との闘いを乗り越えてIPO(新規株式公開)を果たすまでの歩みを検証する。英フィナンシャル・タイムズ紙の元東京支局長が、日米政財界の有力者ら100人以上の証言をもとに書き上げた注目の大作。
感想・レビュー・書評
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1952 日本勧業銀行は2つに分かれた ひとつはのちの都市銀行、第一勧業銀行 のこりは日本長期信用銀行 日本興業銀行も長期信用銀行の途を選んだ
p239 2000/3 リップルウッドが長銀の経営権を掌中に収めた コリンズが社員食堂でランチ 階級制度に驚く
日債銀 設立20世紀のはじめ 朝鮮半島における大日本帝国の植民地を拠点としていた 在日とのつながり
ハゲタカ vulture詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
なかなか面白かった
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読みづらい
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ポジション・トークを割り引いても、極めて興味深く、知的で、小説よりも奇である。
著者は、ジリアン・テッド氏である。非常に優秀な金融ジャーナリストで、多くの権力者、
有名人とネットワークを持っている。つまり、情報網が多いという点でノンフィクション
の内容の信頼度が高いと思われる。
内容は、長銀が生まれ、破綻し、新生銀行となり、IPO(上場に伴う株式売り出し)
に至るまでのノンフィクションである。その長い歴史を小説風に、各当事者の視点に
立って詳細に、そして繊細に描かれている。
率直に言って、非常におもしろい。何が面白かったか、それは、
1.日本の金融業界の歴史と、如何に歪んでいるのかという事
2.政治とビジネスが深く関わり、魑魅魍魎としてる事(参考になる)
3.サムライ達の考え・思想
以上の3つである。
今まで、このようなビジネス系のノンフィクションを読んだ事が皆無に等しい事と
金融業界と政治・官僚世界に詳しくないので、より楽しめた。と同時に、
登場人物が日本を思う心に感動さえも憶えた。日本人を強く再認識させられもした。
因みに、本書が出版されたのは2004年4月である。今から5年前。
そこで、本書の巻末に近い方で日本の現状について述べてある点がある。内容は以下、
「少子高齢化、デフレ・不況が同時に襲いかかったとき、
日本はこの膨大な国債残高を返済出来る術はない。」
この示唆から5年経った。
現状は、昨年のリーマン・ショックにより、実経済も大ダメージを受け、国債発行残高は
5年前よりも増えた。そして今後も増える予定である(修正予算で)。
また、少子高齢化の問題も全く片づいていなく、人々は不景気の影響でより安いものを
購入している。これにより、あらゆるところで値引き競争が起き、デフレスパイラルに
陥るリスクは格段に上昇している。(消費者物価指数は21年2月、全国でほぼ0%
生鮮食品は0.1%の下落、つまり物価の上昇傾向の終わりを告げている)
まさに、著者が指摘した事が現実に起こり得る状況である。もはや杞憂ではない。
個人でこの問題を回避する事は出来ないのか。出来るのか。
出来るなら、どのように出来るのか。そんな事を真剣に考えなければならない。 -
新生銀行って利用してる人多いと思うのですが
仙台にも支店がありますね。
他の銀行との差異を出せている銀行かと思います。
細かいところでは、キャッシュカードの色を選ぶ事が出来たり。
ちなみに、オレンジという色の種類はなく
オレンジジュースという色ならありました。
新生銀行は日本長期信用銀行という銀行が破綻し
リップルウッドというファンドにより生まれ変わったものです。
中は三部構成になっているようで、長銀の歴史から
振り返ってくれて戦後の期待されていた役割などバックグラウンドの
知識もつけられて、しかも面白い本でした。
バブルという状況が良く描写されていて
土地が値上がりし続けると信じる事が
当時では狂っていなかったのだなと思いました。
この本を読むまでは知識が浅く、リップルウッドはハゲタカファンドって
日本のマスコミに呼ばれてる事が多いみたいだな程度にしか思って
いなかったのですが、認識が変わってよかったですね。
なぜか自分の周りにはバブルについて異常に知識のある人が
多くいますが、自分にとってバブルという漠然としたものが
絵として頭に焼き付けることができました。
やはり、記憶するときは文字など記号で覚えるのでなく
物語的に覚える事の方が簡単に覚えられますね。 -
長銀の歴史、日本の金融システム、リップルウッドについて等々、内容はかなり盛りだくさんです。
読んだら、『なるほどー』って思う。
長期信用銀行という形態自体を知らない世代なので、金融システムの移り変わりを感じることが出来る。
証言も多く使われていて、リアリティーも抜群!!
内容としては、外資擁護派。
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長銀破綻の時のストーリー。
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日本長期信用銀行が、バブル期の不良債権問題によって国有化され、りっぷるウッドに買収され、新生銀行が誕生する話。
不良債権問題というものの実態が分かってきた気がする。また、日本の金融市場開改革の流れも見えてきた。
割と最近の話で、柳沢金融担当大臣が更迭されて竹中平蔵に変わったとか、事実としては知っていたけどその実態、背景についてはなーんもしらんかったんだなと、再認識。ただ、外国人肯定の立場で書かれている感は否めず、速見日銀総裁を肯定している部分もあったりと、他の日銀関連の本などとはだいぶん違う気がする。物事の見方には多面性があるって事かな。
面白かった。新生銀行がちょっと魅力的に覚えてきた。自分が全然知らない間から、ゴールドマンは日本で幅を利かせているんだなと思った。 -
200501 力作。それぞれ思惑があって、やっぱり一番ヘボは官僚かも。作者が女性で驚いたけど、だからこそ取れた証言(自殺した方の奥さんとか)もあると思う。