グローバリゼーションを擁護する

  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
3.65
  • (6)
  • (7)
  • (12)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 109
感想 : 9
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (456ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532351403

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 注釈だけで50頁ある。

    【書誌情報】
    グローバリゼーションを擁護する
    価格:2,530円(税込)
    ISBN:9784532351403
    発行日:2005年04月21日
    著者:ジャグディシュ・バグワティ
    訳者:鈴木 主税
    訳者:桃井 緑美子
    装幀:山口 鷹雄
    発行元:日本経済新聞出版
    ページ数:460
    判型:四六判

     グローバリゼーションは経済や社会にどんな影響を及ぼすのか? 当代随一の自由貿易論者であり、クルーグマンの師としても知られる著者が、経済学の考え方をベースに今世界で起きていることを分かりやすく論じる。
     グローバリゼーションは経済や社会にどんな影響を及ぼすのか? 当代随一の自由貿易論者であり、クルーグマンの師としても知られる著者が、経済学の考え方をベースに今世界で起きていることを分かりやすく論じる。
    [https://bookplus.nikkei.com/atcl/catalog/2005/9784532351403/]

    【目次】
    献辞 [003]
    目次 [005-007]
    序文(二〇〇三年八月 ジャグディシュ・バグワティ) [009-013]

      第一部 アンチ・グローバリゼーション派への提言
    一章 なぜ、グローバリゼーションに反対するのか 017
    二章 グローバリゼーション――経済だけでなく社会にももたらす恵み 054
    三章 グローバリゼーションはもっと有益になる 059
    四章 NGOとグローバリゼーション 064


      第二部 グローバリゼーションの本当の顔――貿易と企業
    五章 貧困は解消されたのか、深刻になったのか 087
    六章 児童労働は増えたのか、減ったのか 114
    七章 女性は傷つけられるのか、助けられるのか 121
    八章 民主主義は危機に向かうのか 149
    九章 文化は侵食されているのか、豊かになっているのか 171
    第一〇章 賃金と労働の水準は問題か 196
    第一一章 環境は危機に瀕しているのか 214
    第一二章 企業は略奪しているのか、恩恵をもたらしているのか 254

      第三部 グローバリゼーション――その他の側面 
    一三章 無謀な国際金融資本主義の危険性 307
    一四章 国境を越える人の移動 322

      第四部 適切なガバナンス――よりよいグローバリゼーションのために
    一五章 適切なガバナンス――概観 339
    一六章 マイナス効果にも目配りを 349
    一七章 社会的課題の達成を加速せよ 365
    一八章 移行期を乗り切る――肝心なのは最大ではなく、最適な速さ 384

      第五部 最後に
    一九章 さあ、新たにはじめよう 401

     
    原注 [403-452]
    訳者あとがき(二〇〇五年三月 訳者) [453-456]

  • グローバリゼーションを擁護する

  • 新植民地主義=ガーナの初代大統領エンクルマ=新興国にとって有害な影響。
    富裕国の労働者にとって問題となりはじめた。

    過去との相違点
    輸送、通信技術の進歩による。IT革命によってサービスと資本の動きが大量かつ迅速。経済不安が増している=脆弱性。

    マイナス効果を緩和するために調整支援策を用意する必要がある。

    東アジア諸国のような労働集約型製品の輸出は成長に貢献した。一方、自給自足型経済と資本集約型産業の育成に力を注ぐと、あまり成功しない(インド)。さらに、窮乏化成長というべきパターンもある。バングラデッシュは特産のジュートの生産を増加させたため国債価格が下落して、かえって窮乏化した。単品依存体制から脱却すること。

    豊かになると、子供を働かせるより教育を受けさせるようになる=所得効果。融資を受けられないと児童労働が増加する。児童労働を禁止するだけでは盗みや売春など悪い職業につかせるだけ。
    グローバリゼーションに伴う国境を超えた児童労働には監視と是正措置が必要。

    グローバリゼーションは女性を助ける。しかし、出稼ぎ、旅行客相手の売春、人身売買は増加している。

    グローバリゼーションは民主主義を促進する。中国とロシアの例。経済改革の後に民主的自由化が進められるべき。中産階級の登場が民主化に繋がる。

    アメリカは多言語化社会になる。

    ニュームの同心円=中心から外側にいくほど、思いやりや共感は減少する。インターネットやテレビ放送によって、外側の事象が内側に引き寄せられた=世界の貧困に安心していられない。

    マルクスはプロレタリアートの貧窮化を予測した。資本の蓄積の効果を見誤っていた。資本蓄積によって労働者の需要が高まるため賃金が上がる。労働者を保護する法制ができた。グローバリゼーションによって底辺への競争に巻き込まれるか。実際は頂点への競争になる。

    比較優位のはしご現象=労働集約の比較優位国は順次入れ替わって、増えない。
    労働規制は強化される方向にある。
    貧困国の労働条件や環境基準を利用するとは限らない=悪評が立つことを恐れて。

    アメリカの基準を押し付けることは新帝国主義と呼ばれている。

    適切な環境政策と自由貿易の両方を目指すべき。環境のために自由貿易を犠牲にすべきではない。

    貿易自由化と外国からの投資は、途上国には恩恵となるはず。ただし万能ではない。
    多国籍企業のスピルオーバー効果。

    移民を規制せず、受け入れる。

    緑の革命だけで生産量を増やすだけでは、価格の暴落によって痛手を受ける。先物市場、収穫保険など適切な政策が必要。

    マイナス効果にも目配りが必要。マイナス効果を出さない、か対処策を取るか、どちらがいいか。

  • バグワティはグローバリゼーションを否定していない。政府の役割についてしっかりと述べている。
    文化面において、英語化されることがグローバリゼーションではない。文化を守ることも大切だが、色々と受け入れることも大切である。

  • お勧め。

  • グローバリゼーション-世界規模で、安い労働力・原材料を調達し、価格競争力のある商品を作り、流通させる。著者は、グローバリゼーションに対する批判として挙げれる、貧困、児童労働、女性、民主主義、文化の侵食というテーマに対し、データを示し論破していく。

    世界市場に商品・製品を供給することで、賃金水準があがり、貧困問題を解決。自由貿易により、他国の良質な商品・製品が自国民に適正な価格で提供される。

    貧困を始めとする問題解決にはグローバリゼーションが最適解だと感じた。

  • 苦戦中。
    グローバリゼーションを進めるうえでの負の側面(発展途上国の貧困、文化の喪失、環境破壊)に対する危惧に著者が反論する。
    興味はあるけどなかなかページが進まない。。

  • 著者は世界的にも高名な経済学者である。グローバリゼーションに対する根拠なき批判を論破していくのが主な内容。経済学者なので当然経済面でのグローバリゼーションが論点。著者のグローバリゼーションに対する認識はグローバリゼーションは人間の顔を持ち得るというもの。問題はその負の面をいかに押さえ、有益な面を出すかであるとしている。建設的な議論が興味深い一冊。

全9件中 1 - 9件を表示

ジャグディシュ・バグワティの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×