- Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532352622
作品紹介・あらすじ
地域間格差なんてない!最強の地域エコノミストが「デタラメ」を切る。日本の子供の数は減っていない。小売販売額が増えているのは沖縄県だけ。工業の活性化は地域振興に結びつかない-。平成合併前の3200市町村の99%を訪れた経験にもとづいて明らかにする、負けない地域の作り方。
感想・レビュー・書評
-
デフレの正体をより、具体的に都市個別に現状 課題 課題に対する筆者の見解が綴られている。
2015年現在では、少しデータが古い都感じるかもしれないが、問題ない。
アンチ巨人に共感を得られる内容です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
日本という災害の多い国で、都市に一極集中するのはリスクがあること。
ヨーロッパなどの都市でも一極集中は起こっているが、ロンドン、パリでも名古屋程度の規模で、
経済地域をヨーロッパ全土としているため、それほど問題ではない。
東京にいて得られる情報というのは、あくまでもドメスティックなものなので、国際競争を目指して東京にいる意味はない。
また、東京は自然が極端に少なく、QOLが高まらない。
人口再生産性が低い。東京は、国内で最も専業主婦率が高いことが、出生率を下げている要因。 -
内容はよく分かるが疲れた。
ともかく、一般論のように言われていることをデータの裏付け無しに信じるな。 -
日本の地域経済に関する本を読みました。非常に興味深い本でした。この本は、エコノミストで連載されたものをまとめたものです。連載時も楽しみに読んでいました。また、卒論でも、この本をネタ本とした論文を書いてもらいました。好感の持てる卒論でした。卒論のシナリオは、下記のような仮説に基づくものです。第1の仮説は、その地域の繁栄は、若者の流入に依存する。第2の仮説は、若者は、職ではなく、その地域のサービス産業の魅力に惹きつけられる。つまり、その地域の発展は、工場等の職場ではなく、その地域のサービス産業の魅力に由来することになります。山口県を例に考えてみましょう。山口県には、重化学工業を中心とした工業地帯を抱えるので、職に困ることはありません。にもかかわらず、人口は減少傾向にあります。この地域は、サービス産業が未発達なためです。それに対して、福岡都市圏は、人口増加が続いています。福岡都市圏には、正直、自治体、公益事業、金融を除いて、めぼしい就職先は存在しません。にもかかわらず、人口は増加しています。これは、他の九州の都市にはないサービス産業が充実しているからです。山口県、福岡都市圏を比較すると、はっきり、職ではなく、サービス産業が、経済発展の原動力であることがわかります。 これは、山口県だけの問題ではありません。トヨタの本拠地である豊田市周辺も同様だそうです。トヨタは絶好調です。当然、企業も、住民も、高所得です。しかし、高所得であるにかかわらず、地元のサービス産業が育っていないようです。消費は、名古屋へ行ってしまうようです。同様に、トヨタ関係の人以外は、この土地に根付かないそうです。
-
出生率よりも出生者数こそが重要。高齢化率よりも高齢者数に注目すべきだという筆者の意見には納得できる。高齢化に伴う社会負担額を計算するには高齢者の絶対数が大事なので。。。
危機的ともいえる日本の高齢者絶対数増加にどう対応するのか? -
日本全体、そして各地域の人口流動、就労人数、年齢層などからその「地域力」を測る解説本。
全体の結論としては、
・日本の高齢化は深刻。
・首都圏だから安心もしていられない。なぜなら、2050年頃には今の若者が高齢者になり高齢者の絶対数は増えるばかりだからだ
・その代わり若者が増えるというが、首都圏の若者は半分ほどは地方から来た若者だ。
・そしてその地方も人口が減少し高齢化が進んだ今、地方から若者を流入するという手は将来使えない
・しかも統計上では首都圏の出生率は過疎化してる地方よりも低い
うわあ…すごく…八方ふさがりです…
これから改善策を立てて出生率をあげたとしても、その子たちが就労年齢になるまで日本全体が高齢化社会になるんでしょうね。これは確定かな。
地方ごとの現状把握・今後の予測も書いてありました。
山陰地方としては、大企業を誘致するよりも、下手に都会に開放せずに小さな地方に密着した良企業を設立した方がよさそうです。
若者の受け皿・既婚女性の働く場の受け皿を作り、ひいては地方の魅力に気付く若者を増やす方が賢明ですね。
地方にはその地方の魅力があるんだし、箱ものをむやみやたらに作るのもよくなさそうです。
とかいいつつ、私もちょっと前まで
「山陰に早く新幹線通せよ」
「大企業来るようにもっと支援しろよ」
とか思ってました。
東京から飛行機ですぐ来れるのにね。山陰は田舎だからいいのさ。反省。 -
マスコミや口コミの空気感に流されず、人口の動向など定量的なデータと現場からの定性的なデータをもとに筋の通った地域づくりをしたいと思っている人にオススメ。地域ごとの人口構造から今の日本の状況が見えてきます。図書館でたまたま手にとった本でしたが、マスコミやネット上で大きく取り上げられていないことも出ていたので読み応えがありました。
-
マスの視点で状況をみたてており、バランスのよい考察ではないかと思われる。
構造的な問題である点はまさに然り、他の書籍の類似にて情報収集を重ねたい。 -
数字と現場に基づく、この人にしかできない分析が冴える。ただ、書かれた時期が都心地価の上昇期なので、警告には今は昔の感はなくはない。もっと大著も読んでみたい。
-
地域間格差なんてない! 平成合併前の3200市町村の99%を訪れ、日本全国の実情を熟知した地域エコノミストが、人口減少・高齢化がもたらすインパクトを的確に捉え、地域経済を構築するためのヒントを提起する。(TRC MARCより)