孤立無業(SNEP)

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著者 : 玄田有史
  • 日本経済新聞出版社 (2013年8月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532355777

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孤立無業(SNEP)の感想・レビュー・書評

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  • SNEPとは、Solitary Non-Employed Personsの略語で、20歳以上59歳以下の在学中を除く未婚無業者のうち、普段ずっと1人か一緒にいる人が家族以外いない人々のこと。

    「ニート」に続くレッテル貼りで差別や偏見を助長するのではないか、という意見もある。確かに一理あるでしょう。しかし、ほんの少しでも救われた気分になる人がいることも間違いないと思います。自分だけじゃないんだ、自分のような存在がいることをわかってくれている人もいるんだ、と。

  • NEETとも引きこもりとも異なる

  •  「Solitary No-Employed Persons(SNEP)」=家族以外に他者との交流のない無業者が、日本国内に約162万人いることを統計分析から明らかにした書。SNEPとは著者の学術プロジェクトによる造語・新概念(外国にはない)だが、本質的に個人問題である「孤立」と経済問題である「無業」を連結することで、雇用の劣化に起因する矛盾をコミュニケーションの問題にすり替えている感がなきにしもあらず(「ニート」論の時も玄田にはその傾向があったが)。企業社会の劣悪な現状を所与の条件としてそれへの適応を誘導するのではなく、あくまでも「無業」をもたらしている経済・社会構造に切り込んでほしいものだ。

  • 子どもたちに「働くとはどういうことか」を紹介しようと思って、その勉強のために図書館で借りて読んだ。いつものことながらわかりきったことばかりが書いてある。なんか、無駄に数字が多く、けれどあまり説得力もない。それは、質問の仕方でいくらでも誘導できるのではないか、などと勘ぐってしまう。そんな風に思いながら読んでいたら、著者自身がその友人の言葉として同じようなことを語っているくだりがあった。たしかに、きちんと数字を並べて理路整然と説明している人は、他にあまりいないのかもしれない。なんとなく雰囲気でわかった気がしているだけだったのかもしれない。ところで、このSNEP、性別については触れられていなかったような気がするのだけれど、問題になって上がってくるのはすべて男性ということなのだろうか。今のこの時代であっても、やはり男性の方が、働かないということに対しての風当たりは厳しいのだろう。またまた雰囲気だけで語ってしまったかもしれない。さあ、一番の問題は、今度高校生になる我が家の長男がちゃんと働くようになるかということだ。生徒たちに、あるいは保護者の方々にえらそう?に語りながら、うちのこととなるとさっぱりきちんとできていない。不安は募るばかりだ。けれど、それは悪いことばかりではない、ということが本書の最後で語られている。それが少し気休めにはなっている。

  • 300322922  366.21-ゲン

    玄田氏が指摘されていること以外に、学生にとっては奨学金の返還などでニートやスネップになることもあるので注意!

  • 「ひきこもり」問題を統計で扱うために導入された新概念。

    問題の大きさと深刻さは言われているが、実態を調査するのは難しい「ひきこもり」。その総数についても、1つの町の調査を全国に当てはめるような推定がされている状態であった。筆者の提案するSNEP(孤立無業)は「ひきこもり」より広いものの、その代わりとして使えるような概念であり、全国的な調査により、その正確な実態を知ることが可能なものである。
    具体的には、「社会生活基本調査」において指定された2日間誰とも一緒にいないことなどで定義され、その総数は2011年現在162万人にも達している。
    本書では、統計データを用いて、SNEPの実態、要因、ニート(こちらは「仕事を探していない」概念でありSNEPとは直交する)との関係などを明らかにしていく。この手の議論にありがちな、実例から全体を語らせるような手法はとらず、あくまで統計数字を根拠に議論を進めているので、説得力がある。
    終わりのほうに、アドバイスなども書かれているが、対策については本書の対象範囲ではないと思うし、むしろ、ひきこもり対策とも共通するような個別的で根拠のはっきりしないものは省いてもいいのではとも思った。SNEPのような統計データが得られることが、どのようによりよい対策につながるのかを示せば十分だろう。

  • 出だしはデータの羅列羅列羅列…で正直読みにくかったですね。
    定義が大事であること、それに基づいたデータが大事であることは研究である以上良くわかるのですが、興味持ち始めの前知識のない人間にはちょっときつい、それ程興味のない人には途中でやめられてしまうんでは思いました。

    その意味で、4章を最初に持ってきてくれたほうが個人的にはとっつきやすかったのにな、と感じました。4章を読んで初めてデータの羅列の意味を納得できたのです。
    その辺りが一般の人の興味の置き所と、研究者の意識のずれなのかな
    という感じがしました。
    どなたかも書かれていましたが、自閉症を病気扱いしているのは認識不足かなと思いました。その辺はこのような研究をされる著者もあまり詳しくないのですね。

    SNEPというのは大変な問題です。そして私にとってはかなり身近な深刻な問題です。ニートとの違いがよくわからなかったのですが、これをよむと凡そはわかります。
    まだ敷衍していない認識ですが、この状況を説明されたら心当たりのある人はかなりいるものと思われます。
    これから大きな問題として社会にでてくるのではないでしょうか。

  • ニートとはまた違った社会的な問題を認識することができた。それにより、身近な誰かの苦悩に気づくことができ、少しでも協力することができるようになれると思う。

    また、誰でもスネップになりうること、そこから抜け出す方法についても丁寧な説明があった。そこからは、問題をなんとかしたいという筆者の熱く必死な気持ちを感じた。

    多くのデータを丹念に分析して、よくある思い込みやレッテルを一つ一つ否定していくところにも好感を持った。

    本文中の傍点部分は、村上春樹の小説で感じるような、底のない沼に突然落ち込むような恐ろしさを感じた。多少なりとも要旨を消化できたのだと思う。

  • 今年の流行語大賞の候補語にもなったSNEPつまり孤立無業を、精確な調査分析だけでなく、対策として必要なことまで示した、本当にすごい本。
    梁山泊!でかかわろうとしている職を失った「おやじ」だけでは済まない広範な問題があるのを知ることができ、これは本腰を入れないといけないと痛感しました。

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孤立無業(SNEP)の作品紹介

働くのをあきらめた「ニート」に続く、新しいタイプの未婚無業者=「スネップ」が急増。彼らは社会と接点がなく、ずっとひとりか、家族だけと暮らしている。生活力もないまま、ゆくゆくは生活保護へ。社会的コスト増大の危険は深刻だ。自立への道は見つかるのか-常に時代の最先端に挑んできた著者、渾身の一書!

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