- Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
- / ISBN・EAN: 9784534049254
作品紹介・あらすじ
感謝をする、人を許す、楽観的になる…幸せな人を観察して、研究して、科学的に証明した「幸福度の高め方」。
感想・レビュー・書評
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タイトルだけ見るとよくあるクッサイ自己啓発書みたいだが、もっとまっとうな本である。心理学の新たな分野である「ポジティブ心理学」の研究者が、過去20年間の研究の蓄積をふまえ、“幸せを感じて生きるためにはどう行動したらよいか?”のノウハウを開陳したものなのだ。
ポジティブ心理学の提唱者であり、楽観主義の研究で世界的に知られるマーティン・セリグマンの『オプティミストはなぜ成功するか』を、私は長く愛読してきた。こちらも誤解されやすい書名だが、楽観主義をトレーニングによって習得することでもっと楽しく生きようと説く、まっとうな自己啓発書の名著である。
ポジティブ心理学と最先端の脳科学が、いま、人間の幸福観を根底から変えつつあると思う。
副題の「自分で変えられる40%」とは何か?
著者たちの研究によれば、「幸せというもののなかで、人が行動や考え方を通じて自分で変えられる部分は40%」なのだという。
それ以外は、遺伝的要因で決まる部分が50%、環境的要因で決まる部分が10%だとか。
我々は往々にして、「幸せとは、環境を変えることによって得られるもの」だと思い込んでいる。「もっと大きな家に住めれば」「もっと美人になれれば」「もっといい会社に転職できれば」「もっと収入が上がれば」――「その変化によって私は幸福になれるのに……」と思いがちなのだ。
だが、じつはどれほど素晴らしい環境変化であっても、それは幸福感をもたらす要因の10%ほどにすぎないのだ。
しかも、環境変化による幸福感は持続しない。人の心には「快楽順応(幸福順応)」という仕組みがあって、どんな変化にもすぐに慣れてしまうものだからだ(逆に、高い順応能力があるからこそ人は悲しみから立ち直れるのだが)。
たとえば、年収が2倍に跳ね上がっても、広くて快適な新居に引っ越しても、そのことによって幸福感が持続する期間は、じつは我々が想像するよりもずっと短い。結婚による幸福感も、おおむね2年しかつづかないという。
では、幸福感をもっと持続させるためにはどうすればよいのか? そのための方法が、「自分で変えられる40%」に含まれる考え方(認知スタイル)や行動習慣を変えることなのだと、著者は言うのだ。
著者が「幸せがずっと続く12の行動習慣」として挙げるのは、「感謝の気持ちを表す」「楽観的になる」「他人と比較しない」「(人に)親切にする」「人を許す」「熱中できる活動を増やす」など……。
一見、どれもありきたりなアドバイスに見える。そのへんの自己啓発書に「1日1回、誰かに『ありがとう』と言いましょう」なんて書いてあったら、私は「ケッ!」と思うだろう。
しかし、本書に挙げられた「12の行動習慣」は、科学的な実験のくり返しによって見出された、“幸福感を持続・増幅させる秘訣”である。信憑性と説得力が段違いなのだ。
幸福感に科学のメスを入れ、ダイエットのコツを説くような明快さで“幸福感を高めるコツ”を解説した好著。「ポジティブ心理学入門」のたぐいはたくさんあるが、そのうち最も「実用的」なのは本書だろう。 -
幸せを科学した本。といえば少し大げさかもしれないが、様々な心理実験などの結果を利用して、”幸せ”を定義し数値化し、そこに至るための12のアプローチ方法が詳細に解説されている。
何より良いのが、簡単な心理テストが掲載されており、それにこたえることによって、12の方法のどれが自分に向いているか分かること。
やってみると「なるほど」と腑に落ちる部分があり、この結果をもとに自分のアプローチ方法を決めて試すことが出来る。
それぞれの根拠となる心理実験や統計が記載されているので説得力があるし、明確に分かりやすく記述されていところが良い。 -
ポジティブ心理学の研究結果に基づき、幸せを長続きさせるための行動習慣をまとめたもの。
幸福度を決定する要因は、遺伝による設定値が50%、環境が10%、意図的な行動が40%であるという。人はとにかく環境さえ変われば幸せになれると考えて四苦八苦するが、影響力は小さい上にすぐ慣れてしまい幸福感は長続きしない。したがって、自分で変えられる40%に集中するのが有効だと説く。
幸福行動診断テストによって、幸福度を高めるにはどの方法が自分にとって効果的かを判断できたのが興味深かった。(自分の場合、スコアがプラスになった項目は:楽観的になる(4点)、熱中できる活動を増やす(3.5点)、目標達成に全力を尽くす(1.8点)、親切にする(1.5点)、ストレスや悩みへの対抗策を練る(1.3点)、身体を大切にする――瞑想と運動(1.1点)、人を許す(0.6点)だった。) -
①感謝の気持ちを表す。
②楽観的になる。
③他人と比較しない。
④親切にする。
⑤人間関係を育てる。
⑥ストレスや悩みへの対抗策を練る。
⑦人を許す。
⑧熱中できる活動を増やす。
⑨人生の喜びを深く味わう。
⑩目標達成に全力を尽くす。
⑪内面的なものを大切にする。
⑫身体を大切にする。 -
幸せを決定するものは、
遺伝50%
環境10%
意図的な行動40%
・感謝
・楽観的
・考えすぎない比較しない
・親切
・人間関係の育み
・ストレス対策
・許す
・熱中する
・楽しむ喜ぶ
・全力を尽くす
・瞑想と運動
意欲と習慣化
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12の行動習慣が整理され、根拠があり、どんな行動すべきか、分かりやすく、読みやすかった。
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・幸福についてリサーチベースで書かれた本。比較的翻訳されているらしい
・行動や考え方で変えられるのは40%
・感謝する、人を許す、楽観視するとか、12の行動習慣が挙げられている -
・感謝することを、あらゆる方向から行ってみる。