- Amazon.co.jp ・本 (422ページ)
- / ISBN・EAN: 9784535555136
作品紹介・あらすじ
日本で一番読まれている経済学テキスト、大幅改訂。入門テキストの原点に立ち帰ったさらにわかりやすい記述。バブル崩壊から構造改革政策までを新データに即し解説。
感想・レビュー・書評
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一昔前ならマクロ経済学の超定番テキストの地位にいただけあって、全方位的にはずしのない構成。国民経済計算から、財・サービス市場、貨幣市場を経て IS-ML分析を紹介、さらに労働市場を加えてAD-AS分析にたどり着く。そのあとは、財政政策、金融政策、国際貿易、国際収支なんて論点をみていくという流れは、まさに日本の標準的なマクロ経済学。ひとつひとつの内容も、細かいところまで網羅しているし、それぞれ数式での説明もあるから、とりあえず資格試験に必要な論点はまんべんなくカバーしている。
でも、一方で、盛りだくさんに詰め込みすぎているきらいはある。前書きには”本書は経済学部の専門課程の学生、あるいは大急ぎでマクロ経済学の体系をマスターしたいと考える大学院生、公務員試験の準備のためにマクロ経済学を勉強している方々、世界経済の動向や金融市場に関心のあるビジネスマンや官僚の皆さん、ビジネススクールなどで経済学の基礎をしっかり勉強したいと考えておられる大学院生などを対象としています。”とある。つまり、学生、資格試験生、ビジネスマンまでほとんどあらゆる読者を対象に書かれている。でも、学生は考え方を、受験生は問題の解き方を、ビジネスマンは現実経済の動向を、それぞれ知りたいはずで、すべて盛り込もうとすればかなり煩雑にならざるを得ない。その結果、どの読者も不必要な部分が多い構成になってしまっているし、中途半端になっているように思う。
内容的に幅広く網羅されているので資格や試験勉強用にはいいけれど、概念の理解したりや現実経済の動向を知りたいのなら、別の教科書のほうが面白いし役に立つと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
マクロ入門の鉄板。学部一年の時には演習のために大竹さんの問題集と併せて使いました。
【目次】
Part 1 イントロダクション
1 日本経済の循環と変動 ―――――――――――――――――――――――――――――003
1-1. 世界や日本の経済はどう動いてきたのか
1-2. マクロ経済学とマクロ経済学
1-3. いくつかの重要なコンセプト
1-4. 本書のアウトライン
2 GDPの概念と物価指数 ―――――――――――――――――――――――――――――029
2-1. 国民経済計算
2-2. マクロ経済の計算
2-3. 物価とインフレーション
3 マクロ経済学における「短期」と「長期」 ――――――――――――――――――――051
3-1. 「短期」と「長期」
3-2. 総供給曲線と総需要曲線
3-3. 長期均衡への調整過程
3-4. 経済成長
Part 2 短期モデル
4 所得はどのように決まるか ―――――――――――――――――――――――――――075
4-1. 財市場における調整
4-2. 消費関数と投資関数
4-3. 国民所得は総需要の水準によって決まる
4-4. 財政政策と乗数
5 貨幣の需給と利子率 ――――――――――――――――――――――――――――――099
5-1. ストック市場におけるワルラスの法則
5-2. 貨幣の需要
5-3. 貨幣の供給
5-4. 日本銀行の独立性と「ゼロ金利政策」
5-5. 貨幣市場の均衡と利子率の決定
6 IS-LM分析と財政金融政策――――――――――――――――――――――――――――131
06-1. 財市場の均衡を表すIS曲線
06-2. 貨幣市場の均衡を表すLM曲線
06-3. 財市場と貨幣市場の同時均衡
06-4. 労働市場との関係
06-5. 財政金融政策の効果
06-6. 総需要関数の導出
7 国際マクロ経済学 ―――――――――――――――――――――――――――――――153
07-1. 国際収支の構造と外国為替制度
07-2. マンデル=フレミング・モデル
07-3. 固定為替制度のもとでのマンデル=フレミング・モデル
07-4. 変動為替制度のもとでのマンデル=フレミング・モデル
Part 3 長期均衡への調整
8 短期モデルと長期モデルの比較 ―――――――――――――――――――――――――183
08-1. 短期モデルの枠組み
08-2. 長期均衡モデルの枠組み
08-3. 海外部門を組み入れた場合の長期モデル
08-4. 「名目」利子率と「実質」利子率
9 物価水準はどのように決まるか ―――――――――――――――――――――――――207
09-1. ケインジアンと古典派の総供給曲線
09-2. 現実的な短期の総供給曲線
09-3. 価格の調整速度と総需要管理政策の効果
10 インフレとデフレ ―――――――――――――――――――――――――――――――227
10-1. 動学化された総供給曲線
10-2. フィリップス曲線
10-3. 動学化された総需要曲線とインフレ率の決定
10-4. 合理的期待形成と自然失業率仮説
10-5. インフレーションと失業のトレードオフ
10-6. インフレとデフレの社会的費用
11 経済成長の理論 ――――――――――――――――――――――――――――――――255
11-1. 経済成長と総供給曲線
11-2. 新古典派成長理論
11-3. 経済成長の源泉と実証研究
11-4. IT・ネット革命は生産性を引き合上げるか
11-5. 内生的経済成長理論
Part 4 消費・投資
12 消費と投資 ――――――――――――――――――――――――――――――――――287
12-1. アーヴィング=フィッシャーの異時点間にわたる消費理論
12-2. 消費関数における「短期」と「長期」の食い違い
12-3. 「短期」と「長期」を統合した2つの学説
12-4. 日本の家計貯蓄率の推移
13 投資決定の理論 ――――――――――――――――――――――――――――――――311
13-1. 設備投資の推移と設備投資の決定理論
13-2. 在庫投資の動き
13-3. 住宅投資
Part 5 マクロ経済学の新潮流
14 マクロ経済理論の新展開 ――――――――――――――――――――――――――――337
14-1. リアルビジネスサイクルの理論
14-2. ニューケインジアンの経済学
14-3. 「ニューエコノミー論」の登場
15 マクロ経済政策の有効性について ――――――――――――――――――――――――359
15-1. 財政政策に関する論争
15-2. 金融政策に関する論争
15-3. マクロ経済政策全般に関する論争
16 エピローグ:バブル崩壊以後の日本経済とマクロ経済学 ――――――――――――――385
16-1. バブルの発生と崩壊
16-2. 三つの過剰
16-3. ケインズ的財政策と国家財政の悪化
16-4. ゼロ金利政策と量的緩和政策
16-5. 「小泉構造改革」の評価
16-6. むすび――日本経済の将来を考える -
直感的にマクロを教えてくれる。
たとえば、Y=C+I+G+NXというものを出した後に、
第4章で消費関数を複雑化したりするのは、
流石というか、いい感じです。
ただ、数学的リジッドさを求めるのであれば、
これは向かないかもしれませんが… -
一応読み終えたが、内容を覚えていない。分量が多くて、読むだけでも骨が折れる。しかし、何度でも読む価値があると思われたので、もう一度、今度はゆっくりと読もうと思う。
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2011/09/18
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証券アナリストの勉強を兼ねて、マクロ経済学を学ぼうと思い選んだ本。入門とのことだが、分量も多く、読み通すのが初学者の私にはやや大変だった。ある程度前提知識があったほうが良いと思う。しかしながら、マクロ経済学の基礎的なところは抑えられたと思うので、ためになった。
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微妙。これ読むなら斉藤マクロをもう一回読むべきだった。
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版を追うごとに薄くなっていきます笑
とても分かりやすいマクロ経済学初級の参考書。
大学院入試対策ではマストの一冊だけど、
為替・成長論・投資決定論あたりは
他の参考書で補強する必要があります。 -
HKT先生の授業テキスト
高校「政治・経済」の内容の詳説からIS‐LM分析、そして国際マクロへの応用へと、順を追って理解できる
資格試験、就職試験の勉強にも役立ちそうな一冊