躁うつ病とつきあう

著者 :
  • 日本評論社
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784535562615

感想・レビュー・書評

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  • 冒頭の病歴があるため昇進できず、著者に涙ながらに電話をしてくるサラリーマン。,,父が暴力まで振るいだし、もはや家族は修復不可能かという危機的状況を、すんでのところでつなぎ止めた家族療法。,,もう少し、早くこの本と読んでいたらと思いました。

  • たいへん読みやすい。大学病院で躁うつ病を研究して患者さんと向き合っていた様子が良く分かる。
    しかし躁うつ病の治療の考えとして
    「治る。が再発するので予防に薬を飲み続ける」
    というのは良くないと思う。
    「一生治ることは無いが薬を飲むことで症状は抑えられる。」
    とするのが、残酷なようではあるが、結局いいのではないだろうか。
    一生病気とつきあうと言う覚悟はやはり必要で、
    ありもしない「完治」に希望を持たせるようなことは逆に罪なのではないだろうか。

  • 双極性障害を専門とする研究医のエッセイ。知識として新しいものはないが、治療者側の考えがよく分かる。

  • 約10年前に書かれた1版に、医学的な見地からの10年の発展の結果を入れて作られた第二版。

    殆どは、オムニバス形式でいろいろな背景、病状の患者のドキュメンタリーで紹介している。躁鬱病の患者の本人や家族の気持ちや担当医の苦悩が描かれている。

    巻末の病気の紹介、原因、薬物治療については、10年前とはちがう内容でよかったと思う。

  • <次に躁期入ったら病院行こ、マジで>

    ◇喘息で息も絶え絶えの人に、「薬なんかに頼ってちゃだめよ!気の持ちようなんだから」と言う人がいるだろうか

    ☆躁うつ病は、脳の病気である。そして、脳の病気の中では、最もよく治るものの一つといってもよい。ほうっておくと再発しやすいが、きちんと薬を飲んでいれば、かなりの人では再発が予防できるし、017

    ◇リチウムは、躁うつ病の治療にとって、最も重要な薬であり、(中略)飲めば必ず病気は改善するし、かなりの程度予防できる。しかし、同じ薬を飲み続ける、たったそれだけのことがむずかしい。027

    ◇リチウムやテグレトールのように、躁にもうつにも効果があり、しかもこれらの予防効果があるという薬は、最近では気分安定薬と呼ばれ053

    ◇躁転、すなわちうつから躁への急激な変化は、遅い人では一~二週間、速い人では数時間で起こってしまう。067

    ◇躁状態を一度経験した人が再発するリスクは九五%以上といわれており、189

    ◆躁鬱病(双極性障害)に関する知見を、ケースを通じて学ぶ書。躁鬱病は脳の病気。気になったら病院に行きましょう。

  • 090802by自 第2版
    下記のpagesを中心に読み流すと、整理と納得が得られよう。
    ---
    56-7,59,78,83,89:脳内リチウム濃度,111,121,128-9,139:患者!!!, 146,155-6,171,173,
    ---
    176-コピー冊子として

  • 有名な先生が書いた本

    躁うつ病に関する一番お勧めできる入門書

  • この本を読んで、躁うつ病はうつ病と全く違う病気であると再認識することができた。多幸感でいっぱいの躁状態と、悲観的な思考に陥るうつ状態。感情・行動の振れ幅の大きさに、本人だけでなく家族までもが振り回されてしまう。

    躁うつ病で悩んでいる方やその家族はもちろん、うつ病の治療を受けても「?」と思う方・家族にも一読の価値ある本だと思います。

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著者プロフィール

順天堂大学大学院医学研究科 精神・行動科学 主任教授。1988年に東京大学医学部卒業後、同附属病院にて臨床研修。滋賀医科大学附属病院精神科助手、東京大学医学部精神神経科講師などを経て、2001年理化学研究所脳科学総合研究センター(当時)精神疾患動態研究チーム チームリーダー。博士(医学)。2020年より現職。

「2023年 『「心の病」の脳科学 なぜ生じるのか、どうすれば治るのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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