記号論理入門 新装版 (日評数学選書)

著者 :
  • 日本評論社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784535601444

作品紹介・あらすじ

記号論理の入門書として最適のものとして知られている旧著に、安東祐希による補足を加え「新装版」として刊行。

感想・レビュー・書評

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  • 図書館で借りた。
    名著とされる本の一つらしく、初版が発行されたのは50年以上前で、著者が亡くなってから30年と経過している。
    記号論理学は哲学などの文系的学問にも繋がるだけでなく、AIとも関連が深く、個人的には専門に近い興味深い分野。

    ただ、驚くような話題はなかった印象で、名著とされるのは、初心者が読みやすいという側面なのかもしれない。

  • 記号論理学のロングセラーであり,自然演繹に慣れるための参考書として今でも十分使える。最近に出版された山田『はじめての数理論理学:証明を作りながら学ぶ記号論理の考え方』と併読するといいと思う。

  •  入門的な記号論理学の内容を非常に丁寧に(くどいくらいに)説明している入門書に見せかけた深い本です。細かな用語の使い方や概念に関して日本語でめちゃくちゃ長い解説が書いてあって、いくらなんでもしつこいだろうという感じですが、誤解の余地がかなり少なくなるような工夫だということだと思います。
     内容としては命題論理と述語論理の基本的な枠組みとそれに付随する様々な詳しい事項が説明されます。誤解を生みそうな部分に関して必ず非常に詳細な説明が与えられていて、最初からきっちり読んでいけば誤解が少なく理解できるようになっています(いやむしろもっとわからなくなる気も)。
     本書の欠点は説明が丁寧すぎて正直くどいことです。通常のA5サイズの単行本に必ずしも多くない内容が記載されており、丁寧すぎて全体像がよくわからなくなるタイプのテキストです。初心者向けに丁寧に丁寧にしようとした結果、むしろある程度知識がある人が細かい内容を理解するための教科書としてふさわしいものになってしまったのではないかという気がします。
    https://ngskshsh.hatenablog.com/entry/2021/04/25/212803

  • とても丁寧に初歩的なことから書かれていて初心者向けのように見えるが、実はいろいろ数理論理学の勉強をしてわけがわからなくなった人が改めて学び直すのにとてもいい本。もちろん最初に読んでもいいけれど、ひとまわりして戻ってきて読み直すと良さがわかるのではないかと思う。

  • とても難しい本なので、読んで分かった気になるのが怖い。簡単そうに見える演習も、なるべくやるようにして、理解度を確かめるようにしています。

    プログラミング言語で解いてみて、同じになることを確かめるようにしています。
    プログラミング言語(あるいは論理言語、数式処理)で解いて、解けるとわかったような気になるのも怖いです。

    もっと怖いのは、現実にどのように役立つかではなく、綺麗な式に無理矢理現実を押し込めようと制約条件などを明確にせずに式だけ似たものを作ることです。

    現場、現地、現物に役立つ道具として論理を駆使したいものです。

    本書では、記号論理の一つづつの記号について丁寧に説明しています。
    ドモルガンの法則が山場のようです。
    付録に演繹法の無矛盾性について記載があります。


    ps. 2012.0913追記

    1. 実際的
    P26
    「これまでのところ、真偽の確定している命題のみを<命題>とよび、<変数を含む命題>は、それは<命題関数>を表す1種の表現形式であるとして、命題の範囲から除いてきました。しかし、そのように命題の範囲を限定して考えることは、あまり実際的ではありません。」

    「実際的」。何にとって実際的なのだろう。
    論理体系にとって。
    現実世界を描写するために。

    2. 態度,めのつけどころ、主観
    P29
    「同一の表現を<命題>と考えるか<命題関数>と考えるかは,われわれがその表現をみるときの<態度>というか<目のつけどころ>といいますか、そのようなわれわれの主観によって異なる」
    を読み直して,2012念の
    函数プログラミングの集いの、
    @ksknac 「関数プログラミングの今昔(仮)」
    という発表の本題でない方の背景がわかった気がした。

    関数の入力は引数で、出力は戻り値というのは、一つの<態度>というか<目のつけどころ>である。
    別の態度では、入力,出力を別の定義してもよい。例えば,入出力とも「主記憶全体とレジスとする」とか。

    3. 常識的
    P115
    「この...の証明は必要以上に長い物です。常識的に奇異な感じのする推論を用いて無用の議論の種を作ることを避けたからであります。実際には、つぎのようにすれば、それで十分なのです。」

    この2つの式を囲んで,理解できていないことを記録している。

    ps.
    第一版8刷 1975年発行の本を利用しています。

    P72
    A , B, A->B, (A->B)->A, ((A->B)->A)->A
    V V V V V
    V ^ ^ V V
    ^ V V ^ V
    ^ V V ^ V
    となっています。
    正しくは,最終行は
    ^ ^ V ^ V
    でしょうか。

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著者プロフィール

筑波大学名誉教授・東京工業大学名誉教授、理学博士。1927年 東京都生まれ。東京大学理学部卒業。東京教育大学教授、筑波大学教授、東京工業大学教授、放送大学教授などを歴任。主な著書に『線型代数学入門』(内田老鶴圃)、『記号論理入門 新装版』(日本評論社)、『数理論理学序説』(共立出版)、『数学基礎論入門』(朝倉書店)などがある。

「1989年 『数学概説』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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