絶対数学

  • 日本評論社
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  • Amazon.co.jp ・本 (157ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784535785526

作品紹介・あらすじ

"リーマン予想"も射程に入れた!21世紀に生まれた新しい数学。世界初、開拓者が書き下ろした"絶対数学"の入門書。

感想・レビュー・書評

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  • 7月新着

  • たった1つしか元を持たない「一元体(絶対体)」上の数学を扱った一般書。1つしか元がなければ、通常の意味での体にはなりえず、体から「和」の演算を取り去った(忘却関手!)モノイドをベースに数学を構築しよう、という試み。その目標は、現代数学、最大の難問とされるリーマン予想の解決、というから何ともロマンチック。整数論の難問がうまく扱えなかったのは、整数環の「係数体」を「発見」できていなかったからだ、という思想は、数学の根本に隠れている一番「根っこ」を探し出すのだ、という野心と熱気にあふれている。

    しかしながら、本書は十二分に専門書であり、ひと通りの整数論の知識が無いとちゃんと理解するのは不可能。その意味では、ひとまず積ん読しておいて、もっと整数論の知識を得てから戻ってきます。。

    余談。うちの嫁は、この表紙を非常に怖がる。・・たしかに怖い。こんなに色物チックな表紙にすることないのに。

  • 近年、数学の世界で爆発的に進展している「絶対数学」。本書は、著者らが研究発展させてきた「絶対数学」の全容をまとめた入門書。従来の数学研究は、整数・複素数・関数などを互いの関連から考える相対的な概念に基づくものであったが、「絶対数学」はすべての根底に共通する「一元体」という絶対的な概念を新たに据え、その上に数学を構築するというものだ。その応用の先には史上最大の難問「リーマン予想」の解決も期待できる。さらに「絶対数学」における新哲学と円了博士が説いた「南無絶対無限尊」の教えには共通性もあるという。既成の数学から「新しい数学」へ進展する瞬間を実感できる一冊。

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著者プロフィール

黒川信重(くろかわ のぶしげ)
1952年栃木県生まれ。
1975年東京工業大学理学部数学科卒業。
現在,東京工業大学名誉教授。
   専門は数論、特に絶対数学、多重三角関数論、ゼータ関数論
著書は『リーマン予想の150年』岩波書店、他多数。

「2019年 『リーマン予想の今,そして解決への展望』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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