- Amazon.co.jp ・本 (120ページ)
- / ISBN・EAN: 9784540171826
作品紹介・あらすじ
中山間地域の棚田や段畑にみられる石積みにはコンクリートやモルタルを使わない「空石積み」と呼ばれる技術がよく用いられている。空石積みにはもともとその土地から出てくる石が使われていて、積み直す際にもその石を再利用できる点など、地域資源を循環される持続可能な工法として環境的な観点からも見直されている。空石積みの技術は地域的なバリエーションはあっても原理は共通であり、コツさえ押さえれば誰でも継承することができる。石積みの農地をもっている人は、直す技術さえあれば、材料代はほとんどいらない。
感想・レビュー・書評
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何をきっかけに最初に目にしたのかあやふやなのだが、「誰でもできる」「石積み」というタイトルワードのアンバランスさに興味を持ち、探し出して購入。
まず根本的に勘違いしていたのが、お城の石垣や家を作るような土木技術ではなくて、農地や住宅の擁壁構築に用いられる「空石積み」という技術を解説した入門書であること。
そしてこの「石積み」という技術の知られざる意義。環境負荷が低く、景観保護の面からひいては地域財ともなり、地域社会の力の強化にも繋がる、と実に魅力的であることを知る。
軽率にコンクリート修繕するだけが正解ではないわけだ。
イタリアのおじさんの「鳥が棲める」という評価が何より素敵。
正に受け継がれるべき技術だと感じた。
基礎から非常に丁寧な文章で解説されているのだが、使う石の写真など、最も肝心な写真が小さくて見難く感じられたことが惜しい。
あとは…正直値段がお高め…。
4刷
2021.8.21詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
石積み学校
https://ishizumischool.localinfo.jp/
現時点では今年の石積み学校の予定はなさそうだけど、石積み学校が開かれる日が仕事で忙しい時期でなければ参加したい。
「一グリ、二石、三に積み」
石積みでいちばん大切なのは表に出す石の裏に詰めるグリ(ぐり石)と呼ばれる小さな石。
二番目に大切なのは石の状態、三番目が積み手の技術。
美しく積むには熟練の技術が必要だが、いくつかのルールを守れば、崩れない石積みを作ることはそれほど難しいことではない。
表に出ている石の間に隙間があっても強度に問題はない。
城の石積みでは隙間があると侵入経路になってしまうために隙間を埋めるが、侵入経路を気にする必要のない場所の石積みなら、隙間の大小を気にする必要はない。
修復途中に雨が降ると崩れやすくなるため、雨期を避ける。
高開の石積み
https://www.awanavi.jp/spot/20148.html
たかがい?たかかい?
春先に芝桜まつりが行われるらしい。
作業の最初は力が出にくいので、作業開始後は多めに休憩を取る。
目安は30分に一回の休憩。ペースが乗ってくれば、その波に乗って作業を続けても、疲れは少なくてすむ。
徳島県の棚田・段畑の石積み継承に向けた維持管理状況と技術に関する研究
岡本 昌, 真田 純子
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jscejaie/72/1/72_1/_article/-char/ja/ -
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/763615
徳島県吉野川市美郷地区でワークショップ形式で行われた、「石積み学校」の取り組みから、石積みの手順と実際を紹介。