リチャード獅子心王

  • 白水社
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (305ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560026052

作品紹介・あらすじ

戦いに明け暮れた勇猛な騎士にして、優れた吟遊詩人-中世の伝説的英国王の全貌。

感想・レビュー・書評

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  • 挫折

  • フランスの作家によるイギリス王リチャードの伝記。

    ご存知リチャードはイングランド王としてフランス王のフィリップと戦い、第3次十字軍ではかのサラディン相手に大活躍した騎士の鏡とされる人物です。

    塩野七海の十字軍物語で既に知っていましたが、あくまで登場人物の一人。

    歴史を知る上で、やはり主人公を選んでその人中心に記述したほうが当時の世界を知る上で理解しやすいと思うのですがどうでしょう?

    では、本書でリチャードという人物をうまく描けたかというと、ちょっと残念なところがあります。

    それは挿話が多すぎて、本筋がボケてしまっているのです。

    確かに、当時の雰囲気を伝えるのに挿話があったほうが身近に感じられます。

    しかし、挿話の選択に統一性が取れていない。

    さらに、英仏人には常識的な人名や地名が唐突に出てきて読みにくい。

    これは著者には責任が無いが、翻訳ものには付きものの欠点です。

    やはり海外の歴史は日本人の作家に書かせるのが一番と再認識しました。

    あと、リチャードというとその生涯は戦いに明け暮れていました。

    残念ながら、戦いの描写が上手くない。

    同じ女性が書いても、塩野七海は上手い。

    その代わり、塩野女史は人物への思い入れが強すぎ公平性を欠くのが欠点ですが。

    リチャードは以前読んだ「フリードリッヒ2世」の直前に生きた世代。

    その前はついこの間読んだ「アルフレッド大王」。

    彼の死後は、あの英仏百年戦争に続きます。

    このように当時のスーパスターをピックアップして読むのは、歴史の繋がりを理解するのに良い手法だと思います。

  • 最も興味ある歴史上の人物の評伝。でもあまりのめり込めなかった。文章がまどろっこしく感じられたこと、評伝としては評価、分析が甘いことが原因。同時代人の記録など資料の引用が豊富なのはよかったけど、それだけに…
    この作者は中世モノを多く著しているのだが、他のに手を出したものか正直迷う。

  • 第三次十字軍の英雄、騎士道の華と謳われたリチャードⅠ世の生涯。
    複雑な家庭環境の説明の冒頭で挫折しそうになりましたが読み続けるうちに段々と面白くなった。

    母のアリエノール・ダキテーヌの賢母ぶりには脱帽。
    彼女があまりにも偉大なので妻や妹と言ったその他女性陣は霞んでしまっています。
    十字軍での獅子奮迅ぶり、その後の虜囚、フランス王との争い、権威の絶頂での突然の死、と目まぐるしい人生を一冊で追える本。
    リチャードⅠ世を知る入門書になると思う。

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