- Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
- / ISBN・EAN: 9784560038826
作品紹介・あらすじ
20世紀の産業と風俗の中に芽生えた新しいデザインの潮流を追う、もうひとつの戦後史。
感想・レビュー・書評
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資料番号:111161170
請求記号:727/タ詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
すごい人だ。
まだ生きてるのか?いや2002年に亡くなったんだ。本書いてほんとにすぐか。
趣味で取った大学のデザインの授業で知ったんだけど、結構知ってるロゴとか見覚えあるようなポスターとか、やや和風モダンな感じのをつくってるひと。
西武の、青と緑の二重丸の紙袋とか。
もろ戦前・戦中に子供時代だったひとみたい。
けどお金にはそんなに困らなかったんだろう
戦後すぐ、一般の日本人としてはかなり早く海外に行った。パスポートは一回限り有効で、渡航目的も外務省とかに申請しなきゃいけなくて、しかも戦争で負けたアメリカにいったという。戦争好きじゃなかったらしいから、屈辱感とかは皆無だったらしい。
そしてアメリカの最新のものすべてを見てショックを受け、
日本館の仕事を担当した大阪万博では日本の歴史や輸入文化を知り、
建築にも縁があって建築家と知り合い、
最初はカネボウにいたからテキスタイルはくわしく、
また舞台も幼いころから好きで演劇もやってたから、舞台衣装とか道具とかにも割と明るく、
映画好きだったからポスターの方面の仕事をし、
その流れでデザインだけじゃなくコピーライトや雑誌の編集も手がけ、
青山一丁目がまだ草野茂田舎だったとき、大阪から出てきたばかりなのに居を構え、
「デザイン」がまだ江戸からの流れと区別されてなかった、ほんとの黎明期に、制約を受けず、思い切り試みた。
にしてもアートディレクターとか、デパートのさまざまなサインや袋デザインまで任されるとか、意外と包括的にさせてもらえたんだね。でぃれくしょん、?、みたいなすごい昔なのに。
自伝なのであれですが、相当の行動力と実力があった人なんだろうな。
知ってる俳優とかデザイナーとか建築家とか、企業の名前しかでてこないんだもん。
ちなみに内定先の会社とかも出てた。やっぱつながってんのか。
ちなみに大学の図書館で借りたんだけど、前借りた人かなんかのプロフィールが入ってたんだけど笑
住所と電話とメアドと名前を可愛くアレンジして書いてる。
何か期待されてる? -
大好きだったのになー。。
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グラフィックデザイナー田中一光氏の自伝「われらデザインの時代」を読みました。
さて、本書は田中一光氏の自伝であり、デザインというものに打ち込んだ人生というより、青春という印象を私は受けました。本を読んでいる間、自分もデザインのことで頭がいっぱいになるくらい、本当にデザインが好きで、それによって人を喜ばせるのが好きな著者の人柄がとても出ていると思います。そのためにデザインに関わるすべてのことにとても厳しいひとだったのでしょう。
一番印象に残ったのは、デザインは、常に別の要素と交配しつづけなくては、何もできないというような言葉でした。
そのために、たくさんのことに興味を持ち、いろんなことに首つっこまなくちゃいかんのですよね。
本当にひとつのことだけで固執しないように、どれも同じように見ることができる目が欲しいものです。
ちなみにこの本を読んで真っ先に後悔したのは、一去年行った田中一光回顧展の際ににどうしてこれを読まなかったかということでした。そしたらもっと回顧展の展示を深く理解できたのになあ...
さびしいので、これを書いた後その時買ってきた図録でもう一回田中一光氏を回顧しようと思います。 -
いうまでもなく。