- Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
- / ISBN・EAN: 9784560047958
感想・レビュー・書評
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スタイルは私が原書を読んだときに受けた感じと少し違ったけれど、すんなり心に入ってくる素直な文体で好感が持てた。
翻訳物であることを感じさせないスムーズさがよい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
1960年代のアメリカ、日系姉妹の物語。美人で人気者の姉が病気になってしまう。父母は働き詰め。日系人に対する差別、貧困の様子など、つい最近までのアメリカの社会の現状。妹の明るさが救いとなって、物語が暗いだけになっていない。
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高校の時何回か読み返していました。
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ティーンズノベルなので大人には軽いかと思いきや、扱っている題材はとても興味深かった。
人種差別や身近な人の死や考えることが多かった。
日系アメリカ人の方が書いているという部分も非常に興味深い。 -
そう世界はきらきらなのです
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日系人の姉妹リンとケイティの物語。
きらきらは姉のリンが好きな言葉。
日本語の意味はぴかぴか光っているもの。
1960年代の話なのでまだまだ日系人への
差別が残っているアメリカ。
それでも姉妹は卑屈になることもなく美しいものを見つめ
家族を愛して、家族に愛されてすくすくと成長していく。
両親は自分たちの家を手に入れるために働きづめ。
差別があるのでやれる仕事も限られている。
そういう差別の悲しさや憤り、諦め、でもそれに負けないこと、
そういうことが明るい文章で書き連ねてある物語。
最後のあたりで家族に悲しみが訪れるけれど、
ケイティは、それを乗り越えて少しづつ大人へと成長する。
少女ケイティの目線で描かれているので、
差別などもそんなに暗い題材ではなくさらっと
書かれている。大陸を横断して引越しをする様子とか
普段の家族の生活とかとても楽しそうに書かれていて
全体的に考えさせられる事も多いけど、楽しい部分も多かった。
面白くて大事に読みたいと思いながらもあっという間に読んだ。
最近は家族間の殺人が多い。
それは自分が家族に愛されていることを知らない、そしてその家族も
愛していることをうまく伝えられない家庭なんじゃないかなと思った。
家族間の愛情ほどいざという時のゆるぎない心の支えになるものはないと思う。そういう家庭を築きたいなぁと思った。
ケイティの家族には貧しくても苦しくても愛情が溢れていた。 -
──姉のリンがわたしに教えてくれた最初の言葉。「きらきら」。
日本語で「ぴかぴか光っている」と言う意味だ。リンは世界をそういう風に見る事を教えてくれた。
世界はきらきら光っている。コオロギやカラスの鳴き声も、風の音も、そんなどこにでもあるものが、魔法のように素敵になれる言葉──。
美しく聡明な姉リン、その妹ケイティ。ケイティにとってリンは特別な存在だった。
姉妹だけど親友。何より彼女は天才で……そう、世界一すごい人になれる女の子だった。なんでも一番になれる筈だった。大学へ行って、姉妹ふたりでお金持ちになって、まだ見たことのないカリフォルニアの海のそばの家に暮らすのが夢だった。
過酷な労働に耐え、生活を支える日系二世の両親と貧しさや差別のなかで肩を寄せ合う暮らしにも、きらきらした愛おしくたいせつなものがたくさん、たくさんあったのだ──。
1950年代から60年代のアメリカ南部に生きる日系人家族の姿を、透明感あふれる文章で綴る物語。
深くて、しかも透き通った海や空。それをあらわすことば「きらきら」。どんな世界にも、どんな人々の生活のなかにも、必ずきらきらしたものはあるはずだと教えてくれます。 -
1960年代のアメリカで暮らす日系家族の物語。貧しさと差別、そしてその他いろいろの困難に合いながらも懸命に生きていく姿が次女ケイティの明るい視線で描かれている。
姉のリンに初めて怒鳴ってしまったときの描写をはじめ、登場人物の感情と行動がリアルに描かれていてぐっとくる。
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最近刊行されている、作品社の
金原瑞人さんセレクションのYAシリーズの選者あとがきに、
「豚の死なない日」や「きらきら」のような本を作品を中心に・・
とあって、そんなにいいのか、と思って
おもいっきりハードルをあげて読んでしまいました。
メッセージは既読感ありで、
展開も、なかなかわたしにはなじまなかったけれど、
ラストはそんなもやもやを、ふーっと吹き飛ばしてくれる
ささやかだけどあたたかい、きらきらさでした。
きらきら、っていう日本語、いいね。