社会言語学 (文庫クセジュ 846)

  • 白水社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560058466

作品紹介・あらすじ

ソシュール以降の近代言語学が言語の形態を重視してきたのに対し、社会言語学は「言語に内在する社会的性格」を解明しようとしている。はたして、社会の中で言語はどのように機能しているのか?多言語状況やクレオール語や言語政策の問題をも視野に収めて、社会言語学の来歴と、その見取図を提示した入門書。

感想・レビュー・書評

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  • 第1章が格段に難しかったが、社会言語学のいろんな側面を見せてくれて、なんとなく骨格は分かったのかな〜という状態。
    言葉がイデオロギーと密接に関わることは痛いほど分かった。

  • 原題:La Sociolinguistique, 1993
    著者:Louis‐Jean Calvet (1942-)
    翻訳:萩尾 生(ハギオ シヨウ,)

    商品頁<http://www.hakusuisha.co.jp/detail/index.php?pro_id=05846

    出版社PR:
    ソシュール以降の近代言語学が言語の形態を重視してきたのに対し、社会言語学は「言語に内在する社会的性格」を解明しようとしている。はたして、社会の中で言語はどのように機能しているのか?多言語状況やクレオール語や言語政策の問題をも視野に収めて、社会言語学の来歴と、その見取図を提示した入門書。

  • 言語学の中でも社会言語学の様相を初めてしっかり俯瞰することができた。おおよそわかりやすく、訳も上手くて読みやすく、注釈なども親切についていた。筆者がフランス人ということで、例はフランス語が主なので、いまいち実感にかけるものも多かったが、実際に作者がおこなった、具体的な研究とその考察はおおむね説得力があり、とてもよかった。ミクロなやり方なら、私も論文を書く際に使えるかもしれない。
    「言語学の研究対象は、一つの言語ないし複数の言語であるにとどまらず、言語の観点から見た社会共同体にまで及ぶ」という視点が、難解ながら、言語が人間の思考、社会に密着していることに対する私の関心に沿うものであると思った。単に、社会が言語学にどう影響を及ぼすか、はたまた言語学が社会学にどう影響を及ぼすか、というように社会学と言語学を区分したり対立項とみなしたりするのではなく、言語変化の要因や言語上に現れる態度や戦略を社会的な根源まで突き詰めていくのが、社会言語学であり、そこで言語学と社会学はもっと、密着しているのだ、というようなことが読み取れた。
    しかし、この本の中では権威や国家や少数性への圧力といった観点からの研究が主であり、実際社会言語学上では社会階層や性差といった明確な社会変数と言語との相関を扱った研究が盛んなようだが、私はもっと目に見えない、簡単に変数とは出来ないものを対象にしたい、という漠然とした想いもある。認知言語学のようなものも学んでみたらいいのかもしれない。また、社会学者からの言語への考えとして、ブルデューの思想にももっと触れてみたいと思った。

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