- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784560071571
作品紹介・あらすじ
『断食芸人』はカフカの死の直後に刊行された。校正刷りが届いたとき、カフカは喉頭結核のため絶食を強いられていた。食べられない人が、食べない男の物語の校正をせっせとこなす。なんという悲劇、なんという喜劇!表題作のほか、『田舎医者』「新聞・雑誌に発表のもの」を収録。
感想・レビュー・書評
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白水社のカフカ・コレクション。「断食芸人」「田舎医者」の各短篇集と、「新聞・雑誌に発表のもの」を収録。
カフカへの挑戦、4冊目。う~む、わからん(2回目)。結局何が言いたいんやワレ(おっと地が出)。様々な短篇が集められているなか、表題作である「断食芸人」「田舎医者」は、いずれも死のにおいがただよう陰鬱な話で、意味がわからずとも強く印象に残る作品ではある。ただ本書で最もインパクトがあったのは巻末の解説。カフカが死の直前まで、「断食芸人」の校正をするため友人ブロートとやり取りをするシーンが語られ、正直、作品そのものよりも感動してしまった。「作家の人生はいいから作品そのもので感動させろ」と思っていたが、死後に大きな評価を受けたカフカの作品は、やはりその短い人生と連動させて味わうのがいいのかもしれない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
他人の評価のポイントと自分の評価のポイントが違うために、全く理解されない男のお話。
よくあるわな、そういうこと。そして最後まで救いはない。 -
カフカの作品の中でも、好きな作品。奥深い話です。
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読み始め 2012/05/23
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カフカの短篇集。
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カフカの最後の作品。食事が出来なくなったカフカが、最後まで芸術家であり楽しい作家だったことがこの作品からわかる。病にふしても笑みを浮かべ仕事を全うしたのだろうなと思うと、愛しい作品
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カフカは今まで何がおもしろいかわからなかったけど、平野啓一郎のスローリーディングを学んだ後で偶然読んだら、非常におもしろかった。著者が何を言いたかったのか考えるのが楽しい、という種類の楽しさ。特に数ページの短いものほど味わい深かった。
1番好きなのは「掟の門前」。
2番目が「皇帝の使者」。 -
食への興味の欠損
属性を失った断食芸人
最後がよかったな。
筆者(カフカ)と重なって見えた -
食べ物への欲を持たず、
自由・生の実感を求め続けた男の話。
断食芸人って実在するらしいですよ。
表題作である「断食芸人」と
「審判」にも登場する「掟の前で」が好き。
「掟の前で」は4ページの超短編なのですが、
人生が濃縮されているとさえ思います。